レンズ修理販売ビジネス

直して売るから意義がある

一般社団法人 日本レンズ協会では、何だかの支障を抱えているレンズを修理して販売するビジネスモデルのことを、レンズ修理販売ビジネスと呼んでいます。カメラやレンズを商材として単に転売しているセラーさんは沢山いらっしゃいますが、修理して販売できる人はとても少ないのが実情です。

当協会では、レンズを修理して販売できるセラーさんを育てるスクールを運営しております。このサイトはこの様なビジネスに興味を持たれている方を対象に詳しく解説したページになっております。

単なる転売を教えている教育機関ではありませんので、自宅で楽して簡単に儲かるビジネスを探している方にはお役にたてる内容にはなっておりません。とにかく簡単に儲かりそうなネットビジネスをお探しの方は、その様なコンテンツを配信しているサイトを検索して下さい。

想定対象読者さん

このページのコンテンツ内容をお読み頂くと、何だかのお役にたてるのではないかという想定対象読者さんを、現在置かれている幾つかの立場を想像しながら、区別・分類してみました。あなたがいずれかの環境下で現在生活されているのであれば、この先をお読み頂く事で、有益な情報を入手できる内容となる様心がけました。

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サラリーマンの方

想定対象読者さん①=副業を探している会社勤めの方

現在あなたが会社勤務の方で、何だかの目的で自宅でできる副業を考えているのであれば、レンズ修理販売というビジネスモデルは、その目的に合っている可能性があります。コロナの様な環境下、会社の将来性やご自身の将来設計を見直す必要性を感じておられる方が増えてきました。今までは当たり前だった、通勤という概念も根底から覆ってきています。働くスタイルが自由に選べる現代社会で、光学機器の修理に関する知識・技術・経験は将来個人として経済界で自立できる可能性を秘めています。入学当月から副収入をえられるビジネスモデルですので、金銭面でも将来に備えて準備する事ができます。

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主婦の方

想定対象読者さん②=自宅でできる副業を探している主婦の方

特に大切なお子さんを育てながら、自宅でできるお仕事を検討されている主婦の方は多いです。子供を施設に預けて、お母さんが外でお仕事をするのは大変です。できれば大切なお子さんと一緒にいながらできる仕事がベストです。レンズ修理販売ビジネスは、自宅で完結するビジネスで、収入も自分でコントロールする事ができます。その時々の環境に合わせて作業量を調整すれば、家事と育児と仕事のバランスを無理なく保つ事ができます。リーモート講義での受講も可能ですので、在宅中心の生活スタイルが実現できます。

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フリーランスの方

想定対象読者さん③=もう一つのビジネスの柱を構築したい方

現在フリーランスとして独立している方で、もう一つのビジネスの柱を構築する必要性を感じているフリーランスの方も増えてきています。今まで培ってきた経験でのお仕事は継続しながら、誰かに雇われる形態ではなくて、レンズ修理販売ビジネスは自宅で完結できます。特に、ネットを使ったビジネスの経験がある方は、物販というモデルは親しみやすいと思います。光学機器の修理という分野の仕事に興味があるのであれば、現在の仕事と並行して自宅でできるビジネスですので、もうひとつの収入源の確保という意味でも貴方の悩みを解決できる手段の一つだと思います。

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カメラ転売のセラーさん

想定対象読者さん④=現在やっているカメラ転売に疑問を抱いている方

どこかのカメラの転売塾に入学して、カメラやレンズを転売しているセラーさんは年々増加しています。安く仕入れて高く売るだけのビジネスモデルに疑問を感じたり、上手くいかなくて、何とか状況を改善したいと思っているセラーさんも増えてきています。新品商品を商材と取り扱うのでしたら問題はありませんが、オールドレンズの様な中古商材を取り扱うのであれば、単に転売してもビジネスとしての社会的な意義を感じる事はできないと思います。直して売るからこそ意義があるので、この様に感じているセラーさんは、単なる転売ではなくて、レンズ修理販売という付加価値を売るビジネスを検討する価値はあると思っています。レンズの状態を正確に診断して、説明できるセラーさんは、購入者さんから信頼されて、感謝もされます。本来、仕事とはそういうものです。

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将来に備えたい方

想定対象読者さん⑤=将来ありたい自分像実現の為に自己投資したい方

当協会のスクールは、レンズ修理販売というビジネスを通して、将来ありたい自分像実現の為のあらゆるコンテンツを継承させて頂いております。レンズ修理販売というビジネスでの実践とそこで得られた経験をWebサイトで記録・公開していくと、そのサイトからレンズの修理依頼を頂く事ができる様になります。この様な集客できるWebサイト構築に関する講義も受講できます。今まで情報を入手していた立場から情報発信者になる為の講義も用意しております。将来的にはあなたの独自性を生かした分野で教育者として活躍できる様になってもらいます。講師の私自身が一般社団法人を立ち上げて、経済界で独立できる様になった足取り全てを継承してもらうカリキュラムになっています。

これからのレンズ修理販売ビジネスのあるべき姿

当協会では、レンズを仕入れて、修理して、再販するビジネスモデルの事を、レンズ修理販売ビジネスと呼んでいます。取り扱う対象商品は主にオールドレンズと呼ばれる単焦点レンズになります。レンズをどこで購入しても構わないのですが、修理した後にどの様に販売したらいいのか?について私なりの考えをお話ししたいと思います。

人様の悩みを解決できる情報発信者になる

当協会が教えているレンズ修理販売ビジネスは、整備後のレンズを、安心して、信頼できるセラー=売り手から買いたい・・・という写真家=人様の悩みを解決できる情報発信を育成する為の内容になります。この考え方を少し広げると、レンズの修理販売ビジネス意外でも応用が効きます。例えば、集客できるHomePageを自分の手で構築したいと思っているフリーランスの方も多いと思います。そういう方々の悩みを解決する為に、ThinkiFickという教育者専用のオールインワンプラットフォームで販売を開始しました。

2022年1月現在、このコースはアカウント作成だけでどなたでも無料で学習できます。他の内容のコンテンツも随時追加していきます。

レンズ修理ビジネスを教える様になった経緯

当協会の主たる業務はレンズの修理です。全国の写真愛好家の方からのご依頼で、光学機器の中でも特にレンズに特化して修理を施しております。その他の活動としては、レンズに関する相談窓口や、関連業務についての書籍の出版、修理に関する技術指導、企業さんが使用しているバーコード検知用特殊固定レンズの保守整備等を2021年度現在行っております。

修理に関する技術指導は、元々は写真家の方が個人所有しているレンズを自宅で、自分で、整備できる様になりたい・・・というご希望から指導させて頂く為のスクールを運営し始めたのがスタートです。

そんな生徒さんの中で、整備後のレンズで、自分で使用しなくなったレンズを販売したい、という声に答える為に講義内容を充実させてきました。勿論、現在も自己所有レンズを自分で整備できる様になる内容のスクールも、一か月間集中サポートいう名称で、生徒さんを受け入れて運営しています。

並行して、今から15年程前に、ヤフオク等個人がネット上で物を手軽に販売できるプラットフォームが誕生しました。今では、メルカリ、ebay等様々なサービスが誕生し、とても便利な時代になりました。

この様な背景のもと、自己所有のレンズ整備目的の他に、レンズ修理に関する知識・技術・経験を無期限個別サポートというビジネス目的の名称のコースで教えております。この無期限個別サポートを受講する事で、レンズ修理ビジネス全てが学べる仕組みになっております。

レンズ修理販売ビジネスはレンズ修理ビジネス全体の一部

レンズ修理販売ビジネスというモデルは、レンズ修理ビジネスの一部に過ぎません。少しややこしいので図=イラストを描いて解説します。受講している生徒さんの成長段階を5つのステージで見極めています。最終目標はステージ⑤の、生徒さんの独自性を生かした専門分野の教育者に育てる事です。最初のステップは、ステージ①とステージ②の段階で、このステージをレンズ修理販売ビジネスモデルと呼んでいます。レンズを仕入れて、修理して、販売するというビジネスになります。

レンズ修理ビジネスの全体像

カメラやレンズを只単に転売しているセラーさんは沢山いて、年々増えているという事を冒頭でお話ししましたが、当協会が監修しているスクールは、レンズを修理して販売する異質のビジネスになります。ステージ①とステージ②を学習・実践してもらいながら、最終ゴールの、生徒さんの独自性を生かした専門分野の教育者になるステージまでを責任を持って個別コンサルという受講形式で指導しています。ステージ①とステージ②の受講初期段階で、作業量に見合った収入を得る事は可能なのですが、このステージの即金性に満足することなく、最終ゴールまで目指して頂きますので、受講期間は限定しないで、生徒さんが望む限り、無期限で指導させて頂いております。

様々な学校の問題点

世の中には様々な学校が存在します。法律系の資格を取得する為の学校。言語系の世界で活躍する為の学校。身近なところでは、自動車の整備や理容関係の技術を習得できる機関等々、その情報は多岐に渡ります。この様な教育機関の存在はどれも社会的に意義のある学校だと思っていますが、知識・技術を習得する事が主な教育プログラムなので、入学後相応のスキルを積むまでは実利が発生し難いのが問題点だと思っています。

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世の中の専門学校はこの様に、学びながら同時平行して実利を得る事が難しい講義内容になっています。この事が、社会に出てから、本業の仕事をこなしながら、新たな学習が難しい要因の一つなのだと感じています。例えば会計士さんの場合、専門学校に通いながらその専門分野で稼ぐ事は現実問題として難しいのが実情です。

先ずは国家試験合格の為にひたすら勉強するしかありません。この様な一般的な背景を踏まえて、当協会では学習しながら同時に稼ぐ事ができる学校を目指してきました。レンズ修理ビジネス全体の図=イラストで解説した、②のステージが学びながら稼ぐ事ができる講義内容になっています。

生徒さんへの手紙

一般社団法人 日本レンズ協会の公式Web企業サイトは、2020年度から新たに刷新・更新しております。このレンズ修理販売ビジネスについて解説しているページも、日本レンズ協会の公式Web企業サイト内の記事の一つとして公開しております。一般社団法人 日本レンズ協会の公式Web企業サイトトップページ。そして、2021年度1月以降に入学された生徒さんとは、個別に専用通信サイトを作ってやり取りを実施しております。

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それぞれの生徒さんへのお手紙というタイトルで通信しているので、その風景を見て頂ければ、どんな講義を行っているのかイメージが付きやすいと思います。当協会のスクールは、受講期間が無期限なのと、完全個別(マンツーマン)形式なのが大きな特徴になります。光学機器の修理に関する知識・技術の習得は、講義内容が少し専門的になりますので、登校受講とZoomという通信アプリを使って、リモート受講を併用して受講してもらっています。又、完全個別(マンツーマン)形式なので、毎月に受け入れられる新規生徒さんの人数は2名を上限とさせて頂いております。

2021年度になってから入学された生徒さんに関しましては、生徒さんと個別に専用通信サイトを活用して連絡を取り合っております。それ以前に入学された生徒さんとは、別のレンタルサーバーで管理しているサイトにて相互通信をおこなっておりますが、今回は省略させて頂きます。

何人かの生徒さんとのやり取りをご覧頂ければ、どんなやり取りをしながら受講を進めているのか、その様子がイメージできると思いますので、2021年度3月度現在在席中の、今年になって入学された7名の生徒さんへの手紙を宜しければご参照下さい。

尚、この生徒さんとの個別専用通信は、個人情報保護の観点から、名前等一切開示していません。イニシャルにて手紙を出しています。下記それぞれのバナーをクリックすると各生徒さんへの手紙ページが別ウインドーで開きます。

読者さんへのプレゼント

ここまでお読み下さった読者さんへ、感謝の意味を込めまして、ささやかですが三つのプレゼントを差し上げたいと思います。レンズの様な光学機器の修理に関する知識・技術の習得は難しい印象があると思いますが、レンズの構造と、レンズ鏡胴内部へのアクセス手順を理解すれば、意外と簡単な世界です。

レンズ修理工程

レンズの修理に関する現場での作業風景がイメージできる様に、一つ目のプレゼントとして、自宅でできるレンズ修理の工程を解説したコンテンツを差し上げます。このコンテンツは沢山の解説動画で構成されていますので、お時間がございます時に、じっくり学習して下さい。尚、しかるべきタイミングで、閲覧・学習の為のパスワードをかけて限定コンテンツに変えていく予定ですので、パスワードがかかると、自由に閲覧できなくなります事ご了承下さい。そして、機会ある毎に取扱い機種を増やしていきます。

二つ目のプレゼントは、フイルムカメラの基本的な操作方法についてのコンテンツになります。どういうことかと言うと、 レンズ修理販売ビジネスで、商材として扱っているレンズは、人気があって且つ修理可能なレンズになります。この様なレンズは、オールドレンズと呼ばれたり、シンデレラレンズと呼ばれたりしている単焦点機種で、今から大体半世紀前に製造・販売されていた機種に属します。50年以上経った今でも、適切な整備を施せば充分に撮影の為の道具として充分に使用できます。

カメラ+ファインダー カメラ+三協光機ファインダー+135mmレンズ
フイルムカメラ+オールドレンズ+三協光機ファインダー

この様な背景で昔販売されていたレンズなので、今売られているレンズも、当時の様にカメラと一体でまとめて販売されているケースが多いのです。カメラ+レンズで売られている場合、当然フイルムカメラも一緒に購入する事になります。

購入して、修理して、販売する訳けですから、フイルムカメラもレンズとは別に販売しますので、フイルムカメラに関しての知識も必要になるケースがあります。そういうケースに備えて、カメラの基本的な操作方法を知っておく必要があります。

こちらのコンテンツも動画をメインに解説していますので、フイルムカメラの基本的な操作方法を学習できます。 そして、機会ある毎に取扱い機種を増やしていきます。

最後の三つ目のプレゼントは、オールドレンズで撮影した写真集です。撮影の専門家ではない講師の私がオールドレンズを使って撮影した風景写真になります。何故この様なコンテンツをプレゼントするのかというと、購入者さんから感謝され、信頼されるセラーさんになって欲しいからです。100人中99人の一般的なセラーさんは、レンズを安く仕入れて高く売れる事の為だけに転売をしています。なので、当然レンズやカメラに関する知識も乏しいまま作業を繰り返しています。

風営写真
オールドレズで撮影した風営写真

中には光学機器に関して全くの素人さんがこの市場に参加しているのが実情です。この様な方を比喩している訳けではありませんが、出品に際しての説明文で、

  • レンズに関しては素人なので質問は受け付けません・・・とか
  • ノークレーム、ノーリターンでお願いします・・・とか
  • 返品は一切受け付けません・・・とか
  • この機会を逃したらもうチャンスはありません・・・とか

この様なコメントで出品しているセラーさんが多いのが実態です。購入を煽る(あおる)様なコメントは必要ありませんし、レンズの構造に関して熟知していない人が販売すること自体問題があると私自身は感じています。レンズの販売だけではありませんが、どんな商材を扱うにしろ、販売者責任において販売時には、以下の点を私のスクールの生徒さんには守ってもらっています。

  • 修理の範疇で整備したレンズを販売する。
  • 販売する商品は駆動系の動作・光学系付着物状態を正確に明記する。
  • いかなる理由でも質問・返品は受け付ける。
  • 自分の儲けではなくて、信頼され安心して購入してもらえるセラーを目指す。
  • 整備後販売するレンズを使って実写した風景写真も公開する。
オールドレンズを使った風景写真
オールドレンズを使った風景写真

最後の、整備後販売するレンズを使って実写した風景写真も公開するという付加価値は、撮影用カメラも必要になりますし、規格が合ったマウントアダプターも必須です。そして、何よりも販売するレンズで風景写真を撮影するのは少し時間と手間がかかります。生徒さんは、好きな趣味に費やす時間を削って頑張っていますので、この風景写真は、講師の私が代理で撮影して、生徒さん全員が販売時に共有できる様にしています。この写真集をプレゼントさせて頂きます。

生徒さんは、販売時のコメント欄にこのサイトに飛ぶバナーを張る事で、購入者さんにとって、より高い付加価値を付けたセラーさんになってもらい、出品した商品が早い回転で完売できる様に支援させて頂いております。尚、講師の私自身がレンズ修理販売を実施する際には、上記5つの記約束事の他に、下記二つの付加価値を付けて販売しています。

  • 完売したレンズに無償保証を付ける。
  • 出品者としての身分を明らかにする。

ここまでは生徒さんには求めていませんが、購入者さんとって何が付加価値なのか?を真剣に考えると、只単に修理したレンズが売れるだけではなくて、購入を切っ掛けに、購入者さんが所有しているレンズの修理依頼の仕事が頂けたりします。レンズの修理販売というビジネスモデルは、この様にパソコンの向こう側にいる生身の人間とのお付き合いのきっかけにもなるのです。

入学前の無料個別相談会実施中

人にはそれぞれ抱えている悩みや、解決したい問題があります。レンズ修理販売ビジネスに関しまして、無料個別相談会を随時開催しております。ご希望の方は下記フォームよりお気軽にお申込み下さい。48時間以内にお返事差し上げております。

contact-us
山田 太郎の様にご記入下さい。
間違いがないかどうか確認して下さい。
なるべく細かくご記入下さい。
郵便番号=〒からご記入下さい。
携帯番号でも結構です。

無料個別相談会はZoomというリモート通信アプリを使って相互通信を行います。無料個別相談会実施に際しましては、ご都合のよい日時を予め打ち合わせて、事前に予約して頂く形式を採らさせて頂いております。 その候補日時に関しましては、こちらからの返信メールにてご提案させて頂きます。

毎月いくら位稼げるのか

自己投資して入学する訳けですから、レンズ修理販売ビジネスがどのくらい稼げるのか?という疑問は当然湧いてくると思います。結論からいうと、いくらでも稼げます。といっても、毎月100万円以上稼いでいる生徒さんはいないと思います。そんなにもうかるビジネスではありません。現在在席している生徒さんは上限が毎月90万円くらい~少ない生徒さんで、毎月3万円くらいの収入を維持しています。この収入額に関しては生徒さんの意志ですので、こちらから、もっと稼ぎましょう!というような催促をする事はありません。皆さん、将来の目的も月間の目標収入額も違います。

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生徒さんひとり1人の希望額に合わせて、毎月コンサルさせて頂いております。相当に稼いでいる生徒さんの中には、レンズ修理販売ビジネスを本業にして、ご夫婦で役割分担をしています。生徒さんを観ていると、月間で50万円位の収入を得ている方は、レンズ修理販売ビジネスを本業として切り替えている方が多い様に見受けられます。講師の私は、決して独立を推奨している訳ではなく、現在の本業の収入を確保しながら、レンズ修理販売ビジネスの副収入は貯金して、将来に備える生き方をむしろ推奨しています。どの生徒さんにも共通していえる事は、毎月の作業量によって収入額を調整してるという事です。

レンズ修理販売ビジネス実践例

講師の私は、いくつかのビジネスの柱がありますので、生徒さんの様に、毎月常時レンズ修理販売ビジネスを行う事はありません。生徒さんから頼まれて二人で役割分担を決めて、単発的にこのビジネスをしたり、面白そうな機種のレンズが、仕事柄入手できた時は、構造の研究をしながら、カビの付着等の不具合を改善した後に販売する事はあります。

そんな経緯で、講師の私自身が実践した過去のレンズ修理販売ビジネスの実績を、ここにいくつか紹介したいと思います。そうすれば、レンズ1本あたりどれくらいの利益が出るのかのイメージが湧きやすいと思いますので参考にして下さい。

レンズを修理して、整備済レンズというタイトルで、販売時にその事を明記して、該当レンズで撮影した風景写真をUPする様な、他のセラーさんがやっていない付加価値を付けたからといって、とんでもない高価格で落札する訳けではありません。購入者さんにとって、やはり値段は一番重要な目安になります。レンズ修理販売ビジネスの大きな利点は、

  • 修理できるので仕入れに困らないという点=ジャンク品(状態が良くない)ても大丈夫
  • 出品後すぐに完売するという点と
  • 購入者さんから感謝されたり、購入者さんが所有しているレンズの修理依頼を頂ける事もあるという

3点になります。レンズを探している写真家の方の立場になってみると当然の感情なのですが、皆さんなるべく状態の良いレンズを、なるべく安く、信頼できそうな出品者から安心して購入したいと思っているのです。

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沢山付加価値を付けたからといって、あまり無謀な販売金額を設定すると、完売までに時間がかかってしまいます。レンズ1個当たりの純利益を、あまりいちいち欲張らないで、沢山仕入れて、沢山修理して、沢山出品した方が、資金繰りも楽で、結果として月間の収入が増えていきます。この様なグロスの捉え方で、楽しみながら実施していくのがポイントです。沢山出品すれば、沢山感謝されますから・・・

ちなみに、レンズの修理にかかる所要時間は、概ね10分間程です。皆さんが想像しているよりもはるかに短時間で完結します。仕入れから、修理して、出品して、落札後納品するまでのトータル所要時間が一時間以内に収まる様に、スピードUPの工夫をしたり、出品者=生徒さんが自分でしなくてもいい作業は外注したりして、可処分自由時間を確保して、興味のある分野の学習時間に充てた方がよっぽど楽しいです。入学後の生徒さんには、レンズ修理販売ビジネスによる時給単価=3,000円以上を目標にしてもらっています。

レンズごとの修理販売事例

Contax Carl Zeiss Distagon 35mm F2.8 AEJ
Contax Carl Zeiss Distagon 35mm F2.8 AEJ

①落札額29,400円(販売=ヤフオク)
②仕入れ額16,800円(仕入れ=ヤフオク)
③落札システム利用料2,587円
④送料販売時=800円、仕入れ時=1,200円
純利益=①-②-③-④8,013円=時給単価:累計=8,013円

Contax Carl Zeiss Distagon 35mm F2.8という機種になります。銘柄表示はされていないのですが、AEJとか他の種類がある様です。構造的には大きな違いはないのですが、種類により人気度に差が付く様ですが、あまり細かな事は気にしません。カビの付着があり、絞り羽フイルム=板が解放状態で動かないというコメントの個体を購入してみました。

16,800で仕入れて、8,013円の利益ですから、まあまあな利益率かなと思います。この機種は写真愛好家から修理依頼があって、お預かりする場合は、15,000円(税込)くらいの修理費用を頂いています。

解放F値=2.8の広角レンズの一種ですが、Contax Carl Zeissというメーカーは他の機種より高値の様です。似た様な機種では、Carl Zeiss Distagon 35mm F1.4の方が有名で、修理依頼も多いです。Distagonという名称はディスタンス(距離)とゴン(角度)を組み合わせた造語です。

CANON SERSNAR 35mm F3.2 Lマウント
CANON SERSNAR 35mm F3.2 Lマウント

①落札額18,600円(販売=ヤフオク)
②仕入れ額9,800円(仕入れ=ヤフオク)
③落札システム利用料1,566円
④送料販売時=800円、仕入れ時=950円
純利益=①-②-③-④5,484円=時給単価:累計=17,799円

CANON SERSNAR 35mm F3.2という機種で、こちらも広角レンズの一種です。L39マウントのスクリュー規格になります。パンケーキっぽい薄さなので、携帯にはいいのかもしれません。9,800円仕入れて、純利益が5,484円ですから、こちらもまあまあな利益率なのかと思います。

この機種は写真愛好家から修理依頼があって、お預かりする場合は、12,000円(税込)くらいの修理費用を頂いていますので、やはり修理販売ではなくて、修理ビジネスの方が、数値だけ見るといいですが、お金だけで判断しないで、どちらのビジネスでも喜ばれる点に感謝したいと思います。

Canon 50mm F1.8 L39マウント
Canon 50mm F1.8 L39マウント

①落札額11,818円(販売=ヤフオク)
②仕入れ額4,560円(仕入れ=ヤフオク)
③落札システム利用料969円
④送料販売時=800円、仕入れ時=1,000円
純利益=①-②-③-④4,489円=時給単価:累計=22,288円

Canon 50mm F1.8 L39マウントというレンズは、あまりにも有名です。Canon フォーカルプレーン式距離計連動バルナック型カメラ時代に、標準レンズとして販売されていました。カメラとセットで今でも市場で売られているケースが多いので、そういう場合はセットで購入する事を推奨します。

セット価格≒13,000円くらいで購入できます。仕入れて、修理して、販売すれば、レンズだけで10,000円、カメラだけで12,000円から最大で40,000円くらいまで値が伸びる事があります。L39マウント規格のレンズは、構造に共通点があるので、何回か類似機種を修理すれば、得意分野の一種になり、他の類似機種も挑戦してみたくなると思います。

フイルムカメラの方は、レバーとかダイヤルとかボタンとか、その役割を勉強しないと、販売者責任としての動作確認がまともにできません。プレゼントしたコンテンツで学習してから仕入れる様にするといいと思います。

低速領域シャッタースピードに安定感がない個体が多いのですが、比較的簡単に修理できますので、積極的に仕入れてもいい機種の一種です。Canon 50mm F1.8というレンズは、10,000円以下でも購入できるので、修理依頼を頂く事は稀です。

Ernst Leitz Wetzlar Elmar 9cm F4
Ernst Leitz Wetzlar Elmar 9cm F4

①落札額9,950円(販売=ヤフオク)
②仕入れ額3,421円(仕入れ=ヤフオク)
③落札システム利用料805円
④送料販売時=800円、仕入れ時=1,200円
純利益=①-②-③-④3,724円=時給単価:累計=26,012円

Ernst Leitz Wetzlar Elmar 9cm F4という機種は、レンズ鏡胴が黒色のものと、シルバーの機種に分類されます。どちらも構造上に大きな違いはありません。非常にシンプルな造りなので、修理入門レンズとしてお勧めです。市場価格が安価なので、修理依頼を受ける事はありません。この機種を愛用している写真家の方は、ご自身で定期的に整備される事を推奨します。

3,724円くらいの利益はでますので、積極的に仕入れてみるのも良いでしょう。こちらも勿論L39マウント規格形状になります。重量がとても重いので、フォーカス調整機構が固くなる傾向がありますので、その整備方法を知っていると完璧です。

Pentax Super-Takumar 55mm F1.8 前期型
Pentax Super-Takumar 55mm F1.8 前期型

①落札額9,550円(販売=ヤフオク)
②仕入れ額800円(仕入れ=ハードオフ)
③落札システム利用料780円
④送料販売時=800円、仕入れ時=0円
純利益=①-②-③-④7,170円=時給単価:累計=33,182円

Pentax Super-Takumar 55mm F1.8という機種もあまりにも有名で、しかも人気があります。M42規格のマウント形状の代表選手といった存在です。初期型・前期型・後期型のタイプに分類されていて、その見分け方に特徴があります。生徒さんに頼まれて、全てのタイプを研究した事がありますが、構造上は大きな違いはありません。

区別の仕方を時間を取ってコンテンツ化する予定です。ハードオフさんの実際の店舗で800円で売っていました。店舗のスタッフさんは全くレンズの知識がありません。勿体ない話です。初期型だと10,000円以上で売れるので、面白い機種です。

整備後に販売すると、他の一般的なセラーさんと大きな差別化ができて、出品すればすぐに完売します。安めの販売開始価格でスタートして、オークション形式で出品し、じっくり値段が伸びるのを待っているセラーさんもいますが、修理の仕方を覚えたら、このレンズに固執しないで、他の機種にどんどん挑戦した方がいいと思います。M42規格のレンズは他にも沢山ありますから、この機種で経験を積んだら、類似機種を仕入れて修理経験を積んでいきましょう。

Canon IV Sb 改型 フォーカルプレーン式距離計連動カメラ
Canon IV Sb 改型 フォーカルプレーン式距離計連動カメラ

①落札額19,300円(販売=ヤフオク)
②仕入れ額6,500円(仕入れ=ヤフオク)
③落札システム利用料1,628円
④送料販売時=800円、仕入れ時=980円
純利益=①-②-③-④9,392円=時給単価:累計=42,574円

Canon フォーカルプレーン式距離計連動バルナック型カメラはLeitzフイルムカメラを忠実にコピーした日本製カメラになります。低速領域シャッタースピード調整ダイヤルと、高速領域シャッタースピード調整ダイヤルの二つのガバナーが組み込まれていて、流石日本製という構造になっています。

カメラの修理は時間がかかりますが、シャッタースピードの復元でしたら比較的簡単にできます。この機種は、パッと見では全く違いが判らないのですが、1936年から1955年の期間に、36種類も製造・販売されました。このフイルムカメラは、③Canon 50mm F1.8 L39マウントの解説でお話ししましたが、修理はできなくても、是非積極的に、基本的な操作方法だけでも勉強して下さい。そういうセラーさんこそが信頼されます。

ボタン、レバー、ダイヤルの役割を知らないセラーさんばかりなので、商品説明でキチンと動作確認をした旨のコメントを残しているセラーさんは皆無です。外観が綺麗な個体を選んで、低速領域シャッタースピード調整ダイヤルを修理してあげれば、本家のLeitzフイルムカメラよりも性能はイイのではないか?と個人的には評価しているカメラになります。

プレゼントしたコンテンツをジックリ学習して下さい。これでもか!というくらい気合を入れて、沢山の動画で解説していますので、楽しく学んでこの機種の専門家になって下さい。併せてCanonさんのホームページも読んでおく事をお勧めします。
>>>Canon Camera Museum公式サイトはこちらから

くれぐれも、「シャッターが切れる事は確認しましたが、他の事は素人なので解りません。ノークレーム、ノーリターンでお願いします。」・・・みたいな無責任な、売れればイイヤ的な、自分本位の売り方だけは決してしないで下さいネ。まっ!そういう、突っ込んで勉強する姿勢がないセラーさんのお蔭で、我々のような修理技術があって、より深く学ぼうとしてる仲間が、安価で仕入れられて、修理して再々販できるのも事実なのですが・・・

Pentax Super-Takumar 55mm F1.8 初期型 M42マウント
Pentax Super-Takumar 55mm F1.8 初期型 M42マウント

①落札額14,300円(販売=ヤフオク)
②仕入れ額6,822円(仕入れ=ヤフオク)
③落札システム利用料1,188円
④送料販売時=800円、仕入れ時=1,000円
純利益=①-②-③-④4,490円=時給単価:累計=47,064円

この機種に関しましては、⑤Pentax Super-Takumar 55mm F1.8 前期型にてお話ししました。そして、3種類ある事もお伝えしましたが、その内の初期型のレンズです。この機種に関しては専用解説サイトで追って説明するとお約束しましたが、ここでは、初期型と前期型の見分け方と、絞り羽が時々錆びている個体があるので、その辺の症状に関して、軽く触れておきます。

レンズを立てて横から見た写真です。指標マークのデザインが違います。そして、絞り値の一番左側数値が反転しています。そして、【Auto】と【Manual】切替レバーも右側に倒していますが、反転しています。 前玉ユニット押えリングにも顕著な違いがあるのですが、シリアル番号の刻印位置が双方で異なります。

Pentax Super-Takumar 55mm F1.8 初期型と前期型
Pentax Super-Takumar 55mm F1.8 初期型と前期型

①指標マーク                          

②絞り値(最左側数値)  1.8                    16

③切替レバー右側表示         M                      A

Pentax Super-Takumar 55mm F1.8 付着物
Pentax Super-Takumar 55mm F1.8 絞り羽フイルムの付着物(錆)

この機種に時々散見される症状です。絞り羽ユニット機構の修理も、そんなに難しくないです。少し手間はかかりますが、この様な状態の個体を入手してしまった場合は、綺麗にしてから出品しましょう。この章は、レンズ修理ビジネスの実践に関して、どれくらい儲かるのか?という内容がメインですから、修理の方法に関しては、別途解説したコンテンツを作って、公開しますので、もう少しお時間を下さい。

できましたら、ここにバナーを貼っておきます。M42マウント規格の代表選手ですから、是非この機種は3種類とも、構造の理解と修理工程をマスターして下さい。色々と応用が効きます。修理技術を磨く意味ではうってつけのレンズですが、転売市場では、売り手が飽和しています。元々、製造個体数が多く、安価で入手できるので、一般的なセラーさんも好きな機種なでしょうが、単に転売するやり方では、利益の確保は難しいと思います。

只単に転売する姿勢では中々売れていないのが実情ではないでしょうか?修理して、風景写真を撮影して、買い手の立場にたった付加価値を考えられる出品者であれば、そんな飽和市場でも3,000円くらいの利益は直ぐ得られます。そういうセラーさんを、どんな市場でも購入者さんは待ち望んでいます。

Pentax Auto-Takumar 55mm F1.8 M42マウント
Pentax Auto-Takumar 55mm F1.8 M42マウント

①落札額8,800円(販売=ヤフオク)
②仕入れ額3,522円(仕入れ=ヤフオク)
③落札システム利用料704円
④送料販売時=800円、仕入れ時=900円
純利益=①-②-③-④2,874円=時給単価:累計=49,938円

この機種は今まで解説してきたSuper-Takumarの兄弟みたいな存在のレンズです。焦点距離も解放F値も全く一緒で、構造にも大きな違いはありません。本当にレンズの種類、世界は不思議です。こちらもM42規格のスクリュータイプのマウント形状を持ちます。

構造を理解して、修理できる様になれば、Super-Takumar程売り手市場が飽和していないので、この機種の市場で伸び伸び出品するのもありかと思います。絶対に感謝されます。外観に大きな凹みや目立つ擦れ傷がない個体を探して下さい。その他の支障は修理で何とかなります。

そして、最初に少しお金がかかりますが、風景写真撮影用のデジカメとM42規格のマウントアダプターを購入して下さい。撮影した写真を掲示されると、購入者さんはもっと安心できます。修理できる機種が30種類、仕入れの目利きができる機種も30機種、風景写真を撮影したコンテンツも30機種・・・こういう地味な下ごしらえを一度しておけば、該当レンズを新たに入手した際に、それらコンテンツをフルに生かす事ができて、作業効率も上がり、ますます学習した機種に愛着が持てる様になるものです。

購入者さんの為に何ができるのか?だけを考えて、付加価値を実験して、完売後感謝せれる事で、今までの行動が陽の目を見る瞬間があります。こいう姿勢で仕事ができる人は何に取り組んでもきっと上手くいきます。単に儲けだけにこだわっているセラーさんとは根本的な姿勢が違います。そんな出品者になって下さい。そういうセラーさんは社会的な存在意義がありますから・・・

Canon IV Sb 型 フォーカルプレーン式距離計連動カメラ
Canon IV Sb 型 フォーカルプレーン式距離計連動カメラ

①落札額43,000円(販売=ヤフオク)
②仕入れ額15,910円(仕入れ=ヤフオク)
③落札システム利用料3,713円
④送料販売時=800円、仕入れ時=1,000円
純利益=①-②-③-④21,577円=時給単価:累計=71,515円

この機種は⑥Canon IV Sb 改型 フォーカルプレーン式距離計連動カメラの仲間です。両方の機種を入手して見比べてみないと、パッと見ではその違いが全く判別できません。購入者さんの為に勉強して、専用のコンテンツを作り込んでいって下さい。いきなり36機種を制覇する事はできませんが、フイルムカメラはこのシリーズに限定して、徹底的に学んでいけば、必ずこの機種に関しての専門家になります。

どんな分野でも誰もが最初は素人です。この機種はフォーカルプレーンシャッター式カメラなので、シャッター幕が布でできています。でも、半世紀以上経ってもこの布の部位が破れていたり、弛んでいる個体を見た事がありません。すごい技術です。距離計連動式レンジファインダーカメラですから、レンジファインダーって何?っていうフイルムカメラの基本的な仕組みについても学べます。

四角い窓が覗き穴で、ここで確認した映像のピントを合わせてシャッターを押します。レンズ側でフォーカスを合わせて、二重像が合致している事を確認します。丸い窓は被写体までの距離を計る窓で、両方の窓から入ってきた光を横にスライドする被写体を見ながら自分でピントを合わせていきます。

スマホで誰でも綺麗な写真が撮れる時代に、こんな昔のフイルムカメラで撮影を楽しんでおられる写真家の方が大勢いらっしゃいます。35mmフイルムをカメラに装着するのも、慣れないと難しいです。撮影まではしなくていいので、せめて基本的な取扱いと、機種の見分け方くらいはマスターして下さい。

プレゼントしたコンテンツの動画を見ながら、スプロールって何?とか、低速領域シャッタースピード調整ダイヤルってどこのダイヤルの事?何かがすんなり答えられる様になって下さい。本当にこの機種に関して、しっかり全ての動作確認ができて、ちゃんとわかり易く解説しているセラーさんは皆無です。

私がこのカメラを出品した際に、高速領域シャッタースピード調整ダイヤルのガバナーを修理して、各種駆動系部位の説明をして、関連コンテンツのバナーを貼って、私の身分を明確にして、安定し難いシャッタースピード機構の簡易的な整備方法を動画で撮影したURLを教えただけの付加価値で、15,910円で仕入れた個体が43,000円ですぐに完売しました。

特に、状態の良いIV Sb 型シリーズを欲しがっている写真家の方は多い様で、信頼できる販売者をさがしています。今回は少し高い価格で売れてしまいましたが、平均して10,000円くらいの利益は確保できる魅了あるフイルムカメラです。

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そういえば、相当に昔の話になりますが、Canon IV Sb 型 フォーカルプレーン式距離計連動カメラを販売した時に、ある出会いがありました。購入してくれた方は当時大学生でした。ファッションとして首からこのカメラをぶら下げて外出する為に購入したと、彼女は後に話してくれました。

確か、その時はこのカメラ用にデフォルトで販売されていた50mmの標準オールドレンズをセットで販売したと思います。勿論両方共に修理してから出品しました。納品後何か月か時が経過して、突然お問い合わせのメールが届きました。懐かしい話です。

この章の本題から話がそれてしまっていますが、その女性はその後、スクールの生徒さんになりました。メールでのお問い合わせ内容は、「飾りではなくて、実際にこのカメラを使って撮影がしたいので教えて下さい。」という内容でした。私は光学機器の修理に身を置く人間で、撮影の専門家ではない事を伝えたのですが、あまりにも熱心なので、女性はチョット苦手なのですが、会うことにしました。

そして、今に至るまでお付き合いが続いています。人との縁は不思議なものです。今、その生徒さんは都内でOLさんとして勤務しながら、レンズ修理販売を副業として継続しておられます。副業収入は毎月15万円くらいだと思いますが、全て貯金しているといっていたので、将来に備えた蓄えは相当な額になっていると思います。その女性は、コツコツマスターした機種が100種類くらいまでに引出が増えましたので、今はそう頻繁には受講していませんが、半年に一度くらいの頻度で登校受講なさっています。

Pentax SMC Takumar 28mm F3.5
Pentax SMC Takumar 28mm F3.5

①落札額5,300円(販売=ヤフオク)
②仕入れ額3,957円(仕入れ=ヤフオク)
③落札システム利用料396円
④送料販売時=800円、仕入れ時=0円
純利益=①-②-③-④147円=時給単価:累計=71,662円

このレンズは生徒さんが登校時持参してきた機種になります。広角レンズですが、構造は⑤Pentax Super-Takumar 55mm F1.8 前期型や⑧Pentax Auto-Takumar 55mm F1.8 M42マウントレンズと大した違いはありません。その修理の仕方を教えて、その流れでサクサク出品してみました。結果、147円という利益には二人で、苦笑いをしましたが、これはこれでいいんだと思います。

生徒さんが147円という利益を得て、修理に関しての技術を学びました。売り方のテクニックをもう少し工夫すれば、もっと高値で完売したかもしれませんが、お金だけに執着しないで、学習できた事を今後の歩みの糧にして欲しいと思っています。カビの除去をしても、除去後の腐蝕痕が随所に残ってしまって、その事を明記した上での結果ですので、腐蝕痕とは何なのか?という事を実際に修理販売を経験する事で、肌で感じ取ってもらえたと思っています。

今回のケースの様に、オールドレンズは、光学系付着物を除去したとしても、復元状態があまり芳しくないケースもあります。そういう経験もしながら、仕入れの目利きや修理技術が磨かれていくものです。

Minolta MC Rokkor-PG 58mm F1.2
Minolta MC Rokkor-PG 58mm F1.2

①落札額36,800円(販売=ヤフオク)
②仕入れ額21,800円(仕入れ=ヤフオク)
③落札システム利用料3,238円
④送料販売時=800円、仕入れ時=657円
純利益=①-②-③-④10,305円=時給単価:累計=81,967円

Minolta MC Rokkor-PG 58mm F1.2というレンズも、ある意味習得しておく価値がある機種になります。解放F値が1.2と明るいレンズなので、人気度の安定感があります。実際に修理依頼もコンスタントに発生する機種の一種です。このレンズの特徴として、殆どの個体がカビだらけです。そして、絞り羽が解放のまま固着している個体が多いです。

こういう症状を抱えたまま販売されているケースが多いので、勇気を出して買ってみるのもいいと思います。修理して状態を復元できますから・・・。只、このレンズは構造がチョットユニークなので、初めて対峙する時は、必ず登校受講して下さい。闇雲に鏡胴内部にアクセスすると、再組立が難しいと感じてしまうでしょう。

きちんと構造を理解して、適切な手順で内部にアクセスすれば何の問題もありません。レンズ鏡胴側面に小さなイモねじが組み込まれている機種に共通した構造になっています。なので、一度しっかり学習すれば、類似機種も沢山ありますから、応用が効くので楽しくなると思います。是非、自分の得意分野の機種の仲間にしてあげて下さい。

この機種を整備して出品しているセラーさんは稀ですし、常時何個かは出品されているレンズなので、仕入れに困る事はないと思います。レンズ鏡胴内部に組み込まれている硝子玉の表面積が大きいので、もたもた作業をしていると、一向に硝子玉が綺麗になりません。

そういう技術的な側面からの意味でも、是非制覇して欲しいレンズの一種になります。そもそも状態が良くないレンズが多いので、今回の様な価格で仕入れて、復元させれば、10,000円くらいの利益は確保できます。

どの価格帯のゾーンでレンズ修理販売ビジネスをするのか

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価格帯のゾーンの話になりますが、レンズ1個で、10,000円以上の利益を望む時、やはり20,000円位の価格帯の機種にチャレンジする必要があります。5,000円以内で仕入れられる機種は、修理後に販売したとしても、よっぽどの縁がない限り、利益もマックスで10,000円を超える事は稀です。

5,000円以下で仕入れられる機種を3本修理販売して、利益を積み重ねるか、20,000円くらいの価格帯のレンズを仕入れて、その1本で10,000円以上の利益を一気に稼ぐかは、生徒さんの好みにもよりますが、この価格帯のゾーンという話しを、どこか頭の中に入れておきながら、自分が一番しっくりして、楽しめる価格帯領域を発見していって下さい。

ちなみに、講師の私が積極的にレンズ修理販売をやれ!と命令されたとしたら、迷うことなく、高価格帯ゾーンの機種ばかりを仕入れます。今回のレンズ修理販売ビジネス実践例のレポートは、普通の生徒さんが得意とする価格帯ゾーンの機種で、主に実践してみましたが、性格もあるとは思いますが、もしやるとしたら、100,000円以上する機種を少なく仕入れて、1本当たりの利益を少なくても30,000円くらい得られる、価格帯ゾーンの機種が私には向いています。

この取り組みだと、一か月間で15個体くらい仕入れれば、作業量が極端に少なくても、500,000円くらいの収入になります。二日に1本修理販売するだけで、後は全部休日になります。でも、こんな楽な仕事をしていると、どんどん怠け者になってしまうので、低価格帯ゾーンの機種で、経験値を積んでいく棲み分けがイイのではないかと思います。1本のレンズが、例え上手くいかなかったとしても痛手が少ないので、精神的にも安心なのも事実です。

利益率と利益額の話

少し話が長くなってしまいますが、いい機会なので、取り扱う機種の利益率利益額の違いについて解説したいと思います。話を解りやすくする為に、少し極端な例え話しをします。

A)例えば2,000円くらいの低価格帯ゾーンの機種でレンズ修理販売をした場合、3,000円くらいの利益の確保は至って現実的です。要するに、5,000円くらいで落札する事はあり得ます。この場合、利益率=60%になります。一般的な企業では考えられない高利益率です。しかし、利益額だと3,000円です。

  • 利益率=60%=3,000円÷5,000円×100
  • 利益額=3,000円

B)一方、300,000円くらいの高価格帯ゾーンの機種でレンズ修理販売をした場合、80,000円くらいの利益の確保は至って現実的な話しになります。要するに、380,000円くらいで落札する事はよくあります。この場合、利益率=21%になります。一般的な企業では、製造業と同じくらいの利益率になります。しかし、利益額だと当然ですが80,000円という高額な数値計算になります。

  • 利益率=21%=80,000円÷380,000円×100
  • 利益額=80,000円

さて、どちらが好ましい数値なのでしょうか?話がそれてしまってスイマセン。でも、レンズ修理販売はあくまでもビジネスです。経営数値を意識する事もとても大切です。A)の低価格帯ゾーンのビジネスは、B)の高価格帯ゾーンのビジネスと同じ利益額を捻出する為には、約27回同じ作業を繰り返す必要があります。

  • 80,000円÷3,000円≒26.7回

一見、B)の高価格帯ゾーンのビジネスの方が好ましい様に感じませんか?でも、利益率の概念だと、A)の低価格帯ゾーンのビジネスは、B)の高価格帯ゾーンのビジネスの3倍の利益率を叩き出しています。

粗利率

ひとくちに利益率といっても、対象となる利益の種類によって数値が違ってきます。売上高から売上原価(仕入原価)を引いたものが売上総利益(粗利益)、粗利益から販売費および一般管理費を差し引いた収益が営業利益、営業利益から本業以外の損益である営業外収益・営業外費用を差し引きしたものが経常利益です。なので、今回のお話しは、粗利益の話になります。

一般的には、粗利益率が高いほど収益性が高い企業と判断されます。粗利率の平均は、小売業で29%弱、卸売業では12%弱、製造業で20%強といわれています。どんな業種であれ、本業における利益を高めることは、商売の王道です。こういう経営数値からも、自分が参入していく、価格帯ゾーンを検証してみる時間を時には取ってもらいたいと思います。

ちなみに、利益率は投下資本や売上高などに対する利益の比率のことで、会社の収益性を見るための指標のひとつです。利益とは儲けの事を表しており、売上から費用を引いた残りを指します。従って、利益額を売り上げ高で割って100を掛けた数値が利益率になります。単位は当然ですが、%になります。

なので、A)のビジネスは利益額は少ないのですが、利益率は高いビジネスといえます 。一方、B)のビジネスは利益額は多いのですが、利益率は低いビジネスと判断できます。

なので、A)のゾーンでB)と同じ利益額を達成したい場合は、 2,000円×27=54,000円分の仕入れが必要になり、売上高は135,000円になります。利益額は81,000円で、27倍しても利益率は、当然ですが60%です。B)というビジネスは、80,000円の利益を出す為に300,000円の仕入れを必要とし、380,000円の売り上げが必要でしたが、A)の場合は、同じ80,000円の利益を出すのに、たった54,000円の仕入れ額で済んでしまい、その少ない仕入れ金額で、135,000円の売り上げを叩き出してしまうビジネスだという計算になります。A)のゾーンだと、作業が27倍になってしまい大変ですが、たった54,000円の資金=仕入れ原価でB)と同じ利益額を得る事が出来るのです。

結論=あなたに相応しい価格帯ゾーンとは

この様に、参入価格帯ゾーンを経営面から判断すると、A)の方が遥かに優れた経営をしている事になります。そして、レンズ修理販売を始めたばかりの時期は、仕入れる為の資金も決して潤沢とは言えないと思いますので、先ずはA)ゾーンの低価格帯で、レンズ修理に関する知識・技術を学びながら、得られた利益を全部使ってしまわない様にして、半分くらいは、翌月の仕入れ資金として貯める様にして下さい。

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でも、ここで少し冷静に考えてみて下さい。A)のスタンスの方が、経営数値的に優れているのだったら、いちいち、コチョコチョコ、2,000円のレンズを27個も仕入れないで、一気に1本=54,000円のレンズを仕入れて、135,000円で販売すれば、レンズ1本でB)と同じ様に80,000円の利益が得られると思いませんか?1本=54,000円もするレンズを仕入れるのは少し怖いかもしれませんが、修理して販売して、135,000円で売れるのなら最高です。利益額は80,000円で、利益率は60%と、申し分のないビジネスです。

ところがどっこい、それが中々上手くいきません。この様な思考回路は、講師の私自身が過去に色々実験してきましたが、レンズという商材で、54,000円で仕入れた個体が135,000円で売れた実績は一度もありませんでした。54,000円で仕入れたレンズでしたら、MAXで74,000円くらいで落札されるのが限界です。このケースの利益率=20,000円÷74,000円×100=27%になります。なので、やはり高価格帯ゾーンで勝負しようと思った場合は、利益額は高いのですが、どうしても利益率は低くなってしまいます。

先ずは、54,000円の仕入れ額から始めよう!

今までお話ししてきた様に、A)のゾーンでB)と同じ利益額を達成したい場合は、 2,000円×27=54,000円分の仕入れが必要になり、売上高は135,000円になります。利益額は81,000円で、27倍しても利益率は、当然ですが60%になる事を解説しました。話の流れ的にすんなり腑に落ちると思いますので、中途半端な54,000円という数値で話を続けます。

レンズ修理販売ビジネスに関心を持たれている読者さんからのお問い合わせの内容で、「いくら位の資金があればレンズ修理販売ビジネスを始められますか?」・・・という質問をいただく事があります。価格帯のゾーンの話とか、利益率の話をいきなりしても、中々理解してくれないと思うので、「今準備できるお金から無理なく始めて下さい。」・・・というお返事をするのですが、毎月の生活を維持するのに必要なお金以外に、余裕が少しあるのでしたら、先ずは54,000円から始めて下さい。そして、A)の様な低価格帯ゾーンで、レンズ修理販売ビジネスのスタートをきります。

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A)例えば2,000円くらいの低価格帯ゾーンの機種でレンズ修理販売をした場合、3,000円くらいの利益の確保は至って現実的です。要するに、5,000円くらいで落札する事はあり得ます。この場合、利益率=60%になります。一般的な企業では考えられない高利益率です。しかし、利益額だと3,000円です。

実際には営業利益基準で考える

しかし、このシュミレーションは、あくまでも粗利益率です。実際の経済活動(商売)には、原価=商品の仕入れ代金の他に様々な経費がかかります。レンズ修理販売ビジネスも例外ではありません。個人が自宅でレンズを仕入れたり、送付したり、ヤフオク等の販売プラットフォームを利用して、ビジネスをおこなう場合は、仕入れ費用以外に、送料落札システム利用料なるものが経費として取引きの度に必ずかかります。

尚、販売者ではなくて、購入者利用の場合は、この落札システム利用料は掛かりません。この様な現実的な経費の負担を考えると、低価格帯ゾーンでレンズ修理販売ビジネスに取り組む際は、出品者がレンズを送付する際の送料は購入者負担で設定した方が利益を圧迫しません。

この諸経費を無視してビジネスを考えてしまうと、粗利益率ベースで想定していた利益が殆どなくなってしまいます。レンズを1本売った際に得られる粗利益が3,000円くらいのゾーンで取り組む際に、この点を留意して下さい。

尚、レンズの仕入れは基本的にネットで行なう事を前提として考えます。又、初月で得た営業利益の半分を、翌月の仕入れ費用として補充していくルールにします。この様に設定しないと、いつまで経っても仕入れの為の準備金が54,000円のままで、ビジネスの拡大に繋がりません。

初月で得た営業利益の残りの半分は、販売者報酬とみなして、一応全て貯金するものとします。

この様な設定を財務上の基本ルールにしてシュミレーションしますが、レンズに必要な治具・溶剤の購入費やレンズ販売者の給与所得や水光熱費や家賃や借入金の返済等、今回は考慮していないので、かなりアバウトな利益算出式になっています。本業としてでも、副業としてでも、実際に取り組む場合は、正式な利益計算は会計士さんと相談して下さい。

この点を踏まえた上で、送料と落札システム利用料のみを下記の様に設定します。

  • 送料は片道(購入時)=1,000円(税込)で統一
  • 落札システム利用料=落札価格×10%で統一(実際は8.7%)

レンズ修理販売の1か月目シュミレーション

  • 仕入れ準備金=2,000円×27個のレンズを仕入れる=54,000円
  • 売り上げ高=135,000円=5,000円で完売×27個のレンズ
  • 粗利益額81,000円=135,000円ー54,000円
  • 粗利益率60%=81,000円÷135,000円×100
  • 送料=1,000円×27個=27,000円
  • 落札システム利用料=500円×27個=13,500円
  • 営業利益額40,500円=81,000円-27,000円-13,500円
  • 営業利益率30%=40,500円÷135,000円×100
  • 翌月仕入れ準備補充金=20,000円=40,500円÷2
  • 翌月の仕入れ準備金=54,000円+20,000円=74,000円
  • 好きに使えるお金(貯金)=20,500円=40,500円÷2

この経営数値は勿論1か月間の結果数値です。もっと簡単にシュミレーションすると、初月は54,000円の資金で、2,000円くらいのレンズを27個仕入れました。そして、レンズを修理して、1個あたり5,000円で出品したら、27個全部完売しました。その結果、初月の売り上げが135,000円になり、その内の営業利益が40,500円になりました。1ヶ月レンズ修理ビジネスに取り組んだ結果20,000円貯金する事ができました。・・・という物語になります。

54,000円を仕入れ資金としてスタートしましたが、初月に得た営業利益=40,500円の内、半分の20,000円は翌月の仕入れ資金として補充して下さい。そうなると、翌月は54,000円+20,000円=74,000円分の仕入れが可能になります。そして、同じ様な低価格帯ゾーンのレンズを仕入れます。それでは、レンズ修理販売の2か月目をシュミレーションしてみましょう。

レンズ修理販売の2か月目シュミレーション

  • 仕入れ準備金=2,000円×37個のレンズを仕入れる=74,000円
  • 売り上げ高=185,000円=5,000円で完売×37個のレンズ
  • 粗利益額111,000円=185,000円ー74,000円
  • 粗利益率60%=111,000円÷185,000円×100
  • 送料=37,000円=1,000円×37個
  • 落札システム利用料=18,500円=500円×37個
  • 営業利益額55,500円=111,000円-37,000円-18,500円
  • 営業利益率30%=55,500円÷185,000円
  • 翌月仕入れ準備補充金=28,000円=55,500円÷2
  • 翌月の仕入れ準備金=74,000円+28,000円=102,000円
  • 好きに使えるお金(貯金)=20,500円+27,500円=48,000円

こんな調子で、3か月目のシュミレーションもやってみます。

約束事は毎月同じにします。利益額の半分を、翌月の仕入れ資金に補充して、残りの半分は貯金する事にします。74,000円+28,000円=102,000円が翌月の仕入れ資金になります。

レンズ修理販売の3か月目シュミレーション

  • 仕入れ準備金=2,000円×51個のレンズを仕入れる≒102,000円
  • 売り上げ高=255,000円=5,000円で完売×51個のレンズ
  • 粗利益額153,000円=255,000円ー102,000円
  • 粗利益率60%=153,000円÷255,000円×100
  • 送料=51,000円=1,000円×51個
  • 落札システム利用料=25,500円=500円×51個
  • 営業利益額76,500円=153,000円-51,000円-25,500円
  • 営業利益率30%=76,500円÷255,000円
  • 翌月仕入れ準備補充金=38,000円=76,500円÷2
  • 翌月の仕入れ準備金=140,000円=102,000円+38,000円
  • 好きに使えるお金(貯金)=86,500円=48,000円+38,500円

続いて4か月目のシュミレーションもやってみます。

約束事は毎月同じにします。利益額の半分を、翌月の仕入れ資金に補充して、もう半分は貯金する事にします。140,000円=102,000円+38,000円が翌月の仕入れ資金になります。

レンズ修理販売の4か月目シュミレーション

  • 仕入れ準備金=2,000円×70個のレンズを仕入れる=140,000円
  • 売り上げ高=350,000円=5,000円で完売×70個のレンズ
  • 粗利益額210,000円=350,000円ー140,000円
  • 粗利益率60%=210,000円÷350,000円×100
  • 送料=1,000円×70個=70,000円
  • 落札システム利用料=500円×70個=35,000円
  • 営業利益額105,000円=210,000円-70,000円-35,000円
  • 営業利益率30%=105,000円÷350,000円
  • 翌月仕入れ準備補充金=52,000円=105,000円÷2
  • 翌月の仕入れ準備金=192,000円=140,000円+52,000円
  • 好きに使えるお金(貯金)=139,500円=86,500円+53,000円

もうちょっと頑張って、5か月目のシュミレーションまでやってみます。

約束事は毎月同じにします。利益額の半分を、翌月の仕入れ資金に補充して、もう半分は貯金する事にします。192,000円=140,000円+52,000円が翌月の仕入れ資金になります。

レンズ修理販売の5か月目シュミレーション

  • 仕入れ準備金=2,000円×96個のレンズを仕入れる≒192,000円
  • 売り上げ高=480,000円=5,000円で完売×96個のレンズ
  • 粗利益額288,000円=480,000円ー192,000円
  • 粗利益率60%=288,000円÷480,000円×100
  • 送料=1,000円×96個=96,000円
  • 落札システム利用料=500円×96個=48,000円
  • 営業利益額144,000円=288,000円-96,000円-48,000円
  • 営業利益率30%=144,000円÷480,000円×100
  • 翌月仕入れ準備補充金=72,000円=144,000円÷2
  • 翌月仕入れ準備金=264,000円=192,000円+72,000円
  • 好きに使えるお金(貯金)=211,500円=139,500円+72,000円

きりがいいので、もうちょっと頑張って、半年後のシュミレーションまでやってみます。

約束事は毎月同じにします。利益額の半分を、翌月の仕入れ資金に補充して、もう半分は貯金する事にします。264,000円=192,000円+72,000円が翌月の仕入れ資金になります。

レンズ修理販売の半年後のシュミレーション

  • 仕入れ準備金=2,000円×132個のレンズを仕入れる≒264,000円
  • 売り上げ高=660,000円=5,000円で完売×132個のレンズ
  • 粗利益額396,000円=660,000円ー264,000円
  • 粗利益率60%=396,000円÷660,000円×100
  • 送料=1,000円×132個=132,000円
  • 落札システム利用料=500円×132個=66,000円
  • 営業利益額198,000円=396,000円-132,000円-66,000円
  • 営業利益率30%=198,000円÷660,000円×100
  • 翌月仕入れ準備補充金=99,000円=198,000円÷2
  • 翌月仕入れ準備金=363,000円=264,000円+99,000円
  • 好きに使えるお金(貯金)=310,500円=211,500円+99,000円

半年後の姿

少し解説が長くなってしまいました。でも、仕入れ準備金を54,000円から初めて、半年後にはこの様な財務上の結果を実感できる様になると思います。人は今、それぞれの環境下で生活していますし、今まで辿ってきた道のりも違います。

当月の営業利益を丸まる翌月の仕入れ準備金に補充して、もっと弾みをつけたいと思う方もいれば、営業利益で旅行にいきたいと思う方もいるでしょう。あくまでも、当月の営業利益分の半分を翌月仕入れ準備金に補充して、仕入れられる個体数を少しづつ増やしてながら、半分を貯金するというモデルで考えてみました。

この想定物語を読みながら、レンズ修理販売ビジネスのモデルを連想してみて下さい。併せて、実際に私が最近実施した、13個体のレンズ修理販売ビジネスや、私が過去に初めて経験した、少し不思議なレンズ修理販売ビジネスの想い出も公開・解説しますので、合計三つの事例から多くの気付きがあると思います。

取扱い個体数132個大体、毎月100個体くらいがちょうどいいと思いますので、半年後の数値は標準です。毎月休まないで働くよりは、20日間は一生懸命やって、10日間は遊ぶ・・・といった生活の方がいいと思います。毎月20万円位の収入で満足であれば、かなり自由な時間が持てます。副業の場合は、勤務から帰宅後に、仕入れ活動をして、週末にレンズ修理をするといった、自分に合った行動スタイルを確立して下さい。
仕入れ準備金264,000円54,000円から開始したのに、ここまでの金額で仕入れられる様に成長しました。もしも、翌月の仕入れ準備金に補充しないのであれば、半年後の営業利益=198,000円の使い道は自由です。その場合、貯金残高は40万円位になります。仕入れに費やす資金を増やしていくのか?現状維持で満足なのか?ご自身で考えていって下さい。副業の場合は、このくらいの作業量が適正なのかなという印象があります。
貯金310,500円半年後には30万円台にまで増えました。もしも、このレベルで仕入れを増やしていかないのであれば、毎月198,000円の収入を得られる計算になります。約20万を毎月稼ぐ力が身に着きましたので、この20万円を毎月全部貯金すると、一年間で120万円づつ増えていきます。仕入れ額をキープしたまま、貯金を増やしていく考え方もありだと思います。副業の場合は、あまり作業は増やせないので、あるステージで拡大は止めて、無理のない範囲で継続していく事を推奨します。

講師の私が初めてレンズ修理販売を経験した時の話

レンズ修理販売ビジネスを、最初54,000円の資金で始めると、半年後にはどの様な状態になるのかを、財務的な見地から、シュミレーション形式で解説しましたが、講師の私が、初めてレンズ修理販売を経験した時の話しを、実話として聞いてもらったほうが、より財務的な理解が深まると思いますので、お話しします。

商材はインダスター(Industar)という機種になりますが、Industarって何?・・・という読者さんもいらっしゃると思いますので、この経験を解りやすく読んでもらう為に、前提知識として、旧ソ連製のロシアレンズに数多く存在するインダスター(Industar)レンズについて解説します。この機種を昔、偶然に仕入れた時の話になります。

Industar-61
Industar-61

Industarとは工業製品という意味で、レンズの名前はコード番号によって種類分けされています。たとえばIndustar61という機種は「工業製品61号」といった意味合いになります。何だか堅苦しくて、如何にも旧ソ連製のロシアレンズっぽくないですか?そのレンズ群の中でも、レンジファインダーカメラ用のレンズに限定して話を進めていきます。

レンズの歴史は古く、ドイツが発祥の地と言われていますが、Leitz社のレンズを他の国がこぞって真似をした時代があります。旧ソ連も同様で、L39マウント形状を真似して、多くのレンズを製造しました。その中でも、レンジファインダーカメラ用のレンズとして、膨大な数が生産されたレンズがこのIndustar61レンズになります。

長期間に渡って大量生産されたため、各種のレンジファインダー用レンズのなかでも、もっとも安価に購入できることでも知られている製品です。でも、安価なレンズとはいえ、けっして描写に劣っている訳ではなくて、このレンズの構成は、3群4枚の正調Tessarタイプで立派な構造をしています。

Carl ZeissのTessarは鷹の目と呼ばれたほどに切れ味がするどいことで知られていますが、Industar61レンズは、その性能を忠実に再現しているといわれています。そして、コーティングはマルチコートなので侮れない(あなどれない)機種になります。

このTessarとは、Zeissが命名したレンズ構成形式の名前なのですが、凸+凹+(凹/凸貼り合わせ)の3群4枚構成のレンズで、少ないレンズ枚数で効率的に各種収差を補正できるのが最大の特徴になります。加工精度の面からしても、レンズ枚数は少ないにこしたことはないのですが、レンズ枚数が少ない=反射面が少ない=フレアが出にくい=シャープな結像が期待できる・・・ので、コーティング技術がまだ発達していない時代には画期的な発明でした。ちなみに、あのLeitzのElmarもTessarタイプのレンズです。

前提知識の解説はこれ位にしておきましょう。レンズに関する呼び名には共通言語があるのですが、何か質問があれば、個人的にお問い合わせ下さい。そして、このIndustar61レンズのお話しの次に、どうしても解説しておかなければいけない話があります。それは、ジャンクレンズの大量出品についてです。こういう出品の仕方をしてる方々の真意は全く解らないのですが、ヤフオクとかで、レンズが大量にまとめて売られているのを見た事はありませんか?

ジャンクレンズ

例えば、こんな感じです。そうなんです。昔、Industar61レンズが、一人の販売者から大量に出品されていたのです。しかも同じレンズが82本もです。このIndustar61レンズ大量出品との出会で、レンズ修理販売のビジネスとしての可能性を発見する事ができました。

レンズ修理販売というビジネスモデルは、私自身も当時は考えていませんでし、世の中でも光学機器を商材として転売している方もあまりいませんでした。当協会の主たる業務も、全国の写真愛好家の方のレンズを修理するという業務と、自己所有のレンズを、自分の手で整備できる様になりたいという、写真家の技術指導が主な内容でした。

cityscape

<Industar61レンズとの出会い>
そんなある日、Planarの構造研究をする為に、ヤフオクで該当レンズを探していると、Zeissレンズとは全く関係のないレンズなのですが、旧ソ連のウクライナ地方で大量に製造されていた単焦点レンズが、82本もまとめて出品されていたのを偶然見つけました。入札開始価格は8,000円でした。

「変わった業者さんがいるもんだな!」・・・と、全く買う気はなかったのですが、ぽちっとボタンを押して、その後はレンズの事はすっかり忘れていました。

Industar61レンズの様な安価で入手できるコピーレンズは、レンズの修理費用が、市場価格よりも高くなってしまうので、修理依頼が発生しにくく、この機種の構造を研究した事がなかった事もあって、前々から少し気になっていたのです。

数日後、メールが届きました。そのレンズが最高価格入札者として落札されました。・・・というメールでした。調べてみると、入札数は【1】で、私しか入札していなかったのです。当時はまだ、光学機器をビジネスとして転売している人も少なく、旧ソ連の同型単焦点レンズを82本も買う人なんて、当然いなかったのです。「参ったなー」・・・というのが素直な感想でした。でも潔く決済し、数日後に同じレンズが大量に運ばれ込まれました。

<レンズに罪はない>
段ボールの中の大量のレンズを目のあたりにして、私は思いました。「レンズに罪はない。綺麗にしてあげよう!」と思い、最初の1本は構造研究しながら、その工程で気になった不具合を修理しながら、合計10本をとりあえず、ささっと修理して、所有していてもしょうがないので、試しにヤフオクに出品してみました。このレンズはコピーレンズですから、構造はコピー元の機種と同じだという事が勉強できました。

思っていた通り、カビだらけの個体や、絞り羽が動かない個体、フォーカス調整機構が固い個体・・・と、同機種なのですが、抱えている課題はまちまちでした。82本もまとめて出品されていたIndustar61というレンズが、私にとってのオークション出品という初めての経験になりました。

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出品に関する詳しいルールがよくわからないまま、その事自体も忘れていました。綺麗になったレンズを、欲しがっている方が買ってくれればいいや!・・・くらいにしか思っていなかったのです。そして、数日が経った頃、出品していたレンズ10本がすべて完売していたのです。落札価格は4,000円くらいから5,000円の範囲内でした。

ジャンクというタイトで、82本を8,000円で販売されていたレンズが、1本につき3,000円~4,000円で完売していたのです。少し驚きました。レンズに対して失礼な表現ですが、私にとって、Industar61はおもちゃみたいなものです。まさか、こんなコピーレンズを欲しがっている人がこんなにいるなんて・・・これが私の正直な感想でした。

<残りの72本のレンズ>
幼少期から、人様のレンズの修理を祖父の身近で見て育った私は、レンズの修理そのものは、嫌いではなかったのですが、特におもちゃの様な機種に興味はありませんでしたが、どんなレンズでも綺麗な状態に復元すると気持ちが良いものです。高価だからいいレンズという訳ではないのですが、やはり、高価なレンズは造りが違います。

レンズ鏡胴内部に組み込まれている硝子素材も特別です。完全な手作りレンズは、鏡胴内部の一部の金属プレートに職人のサインが彫られています。滅多にある事ではないのですが、私の祖父のサインと遭遇した時は思わず息をのみます。

こんな信条で、日々写真家の方から依頼されたレンズを修理する日々でしたので、Industarの残りのレンズを、引き続き自分の手で積極的に修理する気持ちにはなれませんでした。かといって、大量のレンズを持っていても仕方ないし、壊れた状態で売る気持ちにもなれません。その扱いに悩んでいました。私にとって、残りの72本で稼ぐという概念はそもそもありませんでした。

<生徒さんに譲る>
しばらく、放置状態が続きましたが、ある日スクールの生徒さんが登校しました。大量に残っているレンズを発見した生徒さんは言いました。「先生、このレンズ譲って下さい。」私は、幾つでもいいよ!持っていって・・・と生徒さんにレンズを数本差し上げました。そのままの状態では、撮影に支障をきたしますので、勿論、その修理の仕方も当日の講義で教えました。

そして、同じ機種のレンズ10本が、単体で4,000円~5,000円くらいで売れた話もしました。その頃、修理販売という考えそのものが、私が教えるスクールにはなかったので、その生徒さんの希望もあって、販売の仕方も併せて教えました。とはいっても、私自身、販売実績経験は、数日前のIndustar61×10本しかありません。

その生徒さんは、受け取ったレンズの内1本を所有する事にして、残りの数本は出品することにしました。この経験が、日本レンズ協会の生徒さんの手による、レンズ修理販売第一号になったのです。未だ残っていた沢山のレンズも、他の生徒さん達に話しかけて、修理して、自己所有にしてもらったり、販売してもらって、それぞれの生徒さんのチョットしたお小遣いにして頂きました。

これで、インダスター物語は終わりなのですが、レンズの様な光学機器を修理して販売するという仕事を、ビジネスとして扱う事がなかった時代もあったという事を知っ欲しくて、こんな昔の話をしました。こんな経緯で今に至るのですが、こんな昔の時代と比較すると、今では個人の方が、光学機器の転売というビジネスに参入している事に、時代の流れを感じます。

そこには、やはりインターネットの普及による影響と恩恵を感じずにはいられません。同時に、コロナの様な働き方そのものを考えさせられる出来事も、今後ないとは言い切れません。個人の力で経済界で生きていく事の重要性も、今後更に考えていかないといけない時代になっていく様な予感がします。

Industar61レンズ×82本の修理販売実績

実際は、Industar61レンズ×82本は全部修理販売の商材として販売した訳ではないのですが、数人の生徒さんから、自分も修理して売ってみたいとお願いされたので、幸いな事に、作業場から大量のIndustar61レンズは無事幸せな形で、姿を消してくれました。レンズ修理販売というビジネスモデルを考える時、この物語は実例としてとても参考になると思っています。

レンズ1本当たりの市場価値=価格が低ければ、修理販売結果の財務上の粗利益率は高くなる・・・という算数的な説明がつくからです。逆に、レンズ1本当たりの市場価値=価格が高いレンズを仕入れると、修理販売結果の財務上の粗利益率は低くなります。

この単純な原理が解りやすく理解できるからです。それでは、Industar61レンズ×82本の修理販売実績を財務指標の角度から分析してみましょう。

市場価値が4,000円くらいのレンズを修理販売するとどうなるのか

当時たまたま購入したIndustar61レンズは82本で8,000円でした。端数がでると解り難いので、80本で8,000円とすると、1本当たり100円計算になります。今、こいう事例は稀だと思いますが、まとめ売りしている販売者さんは大勢いらっしゃるので、時々チェックしてみるのも面白いと思います。

只、1本=100円だとあまりにも現実味がないので、1本=1,000円単価で仕入れた事にしましょう。そして売れた価格は低めの4,000円にします。大きな段ボールで届いたので、購入時送料は2,000円に設定しましょう。販売時送料は以前にシュミレーションした際同様に購入者さん負担とします。落札システム利用料は1本につき10%にします。そうすると、財務上の修理販売結果数値は下記の様になります。

・仕入れ金額:1,000円×80本=80,000円

・完売価格:4,000円×80本=320,000円

・粗利益額:320,000円-80,000円=240,000円

・粗利益率:240,000円÷320,000円×100=75%

・購入時送料:2,000円(まとめ買いだと安いです)

・落札システム利用料:320,000円×10%=32,000円

営業利益額:240,000円-2,000円-32,000円=206,000円

営業利益率:206,000円÷320,000円×100=64.4%

上々の結果です。レンズ修理販売ビジネスモデルの低価格帯ゾーン実施例として参考にして下さい。この様に、低価格ゾーンでレンズ修理販売ビジネスを実施する場合、得られる営業利益額が当然少ないので、レンズを仕入れる際にかかる送料が馬鹿になりません。

82個もまとめて仕入れられるケースの場合は、1回の送料で済みますから、今回の昔の体験みたいに、営業利益率が64%にもなりました。高価格帯ゾーンであれば、ある程度利益幅が大きいので、そこまで送料を気にしないで、早めの完売に焦点を当てた方がいいと思いますが、低価格帯ゾーンでの活動は、経費に関しては細かい数値分析をしながら実施している生徒さんが、毎月望む結果を出しています。

大分話がそれてしまいましたが、レンズ修理販売ビジネスを実施する上で、とても大事な事なので長々と解説してしまいました。このビジネスを行う際は、

財務上の数値の基本的な特徴

価格帯ゾーンの棲み分け

最初に始めた際の半年後の風景

という三点のポイントを理解しておいて下さい。そうすれば、このビジネスの全体像がイメージできると思います。

それでは、最近私自身が実施した、レンズ修理販売ビジネス実践×13事例の続きに話を戻します。

Ernst Leitz Wetzlar Elmar 9cm F4
Ernst Leitz Wetzlar Elmar 9cm F4

①落札額9,320円(販売=ヤフオク)
②仕入れ額3,888円(仕入れ=ヤフオク)
③落札システム利用料750円
④送料販売時=800円、仕入れ時=0円
純利益=①-②-③-④3,882円=時給単価:累計=85,849円

この機種は、④Ernst Leitz Wetzlar Elmar 9cm F4で詳しく解説したレンズと同機種=仲間に属します。レンズ鏡胴のカラーと金属の材質が異なる以外は構造は一緒です。Leiz社のレンズが好きな写真家の間では人気がある機種の様で、当協会にも修理依頼が時々来ます。レンズの構造もとてもシンプルで、駆動系はとても丈夫なレンズです。

整備内容は主にカビの除去になりますので、修理時間も10分程度です。レンズ表面に擦れ気がある個体が殆どですが、この機種を探している写真家の方は、この症状は納得していますので、外観が綺麗な個体があったら入手してみてください。まさしく、低価格帯ゾーンに該当する機種ですので、レンズ修理販売ビジネスの経験値が浅い方向けの機種だと思います。

Mamiya SEKOR Z 110mm F2.8W
Mamiya SEKOR Z 110mm F2.8W

①落札額62,200円(販売=ヤフオク)
②仕入れ額50,500円(仕入れ=ヤフオク)
③落札システム利用料5,403円
④送料販売時=800円、仕入れ時=850円
純利益=①-②-③-④4,647円=時給単価:累計=90,496円

いよいよ、実例最後のレンズの解説になります。Mamiya RB 67という中判カメラ用の交換レンズの望遠機種に属します。高価格帯ゾーンの機種ですが、その割には利益が4,647円と、利益だけをとらえれば、あまり旨味のある結果ではありません。出品期間を1ヶ月位に設定しておけば、もう少し高値が付いたのかもしれませんし、仕入れ値がそもそも高かったのかもしれません。

でも、このレンズを購入者してくれた方から、自己所有のレンズの修理依頼を頂きました。偶然といえば偶然ですが、1本のレンズで得られる利益ばかりに一喜一憂しないで、1ヶ月間のグロスで結果を振り返る姿勢が必要です。また、修理販売を切っ掛けにした偶然の出会いと仕事依頼という、人様との出会いを楽しみにする姿勢も大事だと私は思っています。

今でも中判カメラで撮影なさっている写真家の方は沢山いらっしゃいます。当協会にも修理依頼は多い方の機種になります。マミヤのレンズはとても丈夫で、カビ等の光学系付着部除去が主な修理内容です。カメラ自体が少し特殊なので、レンズの構造と併せて学習しておくと、カメラ本体の役割とレンズ自体の構造の意味が理解できると思います。

Mamiya RB 67 レンズ装填
Mamiya RB 67 レンズ装填時写真

Mamiya RB 67に関しては、専用解説ページで、基本的な取扱いをいくつもの動画で解説していますので、興味がある方はそちらで勉強して下さい。

13個のレンズをレンズ修理販売ビジネスモデルで実践してみた感想

仕入れから、修理、出品、落札、納品・・・という転売ビジネスの基本的な一連の流れを生徒さんと一緒に約5日間かけて実践してみました。講師の私自身は、定期的に積極性を持って、レンズ修理販売ビジネスモデルを実践する事はないのですが、このビジネスモデルの実態を久しぶりに体感する事ができたいい機会だと感じています。仕入れから、修理、出品、落札、納品・・・という流れを1個のレンズにつき所要時間=約1時間で計算しましたが、実際にかかった時間は1個のレンズあたり30分くらいだったと思います。数値的に分析すると

  • 正味労働日数=5日間
  • 取扱い個体数=13個
  • 一日当たりの取扱い個体数=約2.6固体
  • 合計純利益=90,496円
  • レンズ1個当たりの平均純利益=6,961円
  • 平均時給単価=13,923円(レンズ1個に費やした作業時間≒30分計算の場合)

正味5日間の実践結果ですので、もしこの作業を20日間実践したと想定すると、純利益=90,496円×4倍=361,984円の収入に相当すると計算できると思います。算数上の理屈なので、数値には誤差が出ると思いますが、大体こんな感じで毎月の収入はある程度一定して推移するビジネスになります。一か月の内正味20日間働いて、52個体のレンズを仕入れて、修理して、販売して、納品するという仕事量をこなすと想定した計算ですから、一日当たりのレンズのレンズ本数平均は2.6個体になります。生徒さんの動きを観ていても、大体日々3個平均で仕事をすれば概ねこの様な収入に落ち着きます。

レンズ1本につき、少し多めに1時間を要したと想定しても、日々の作業時間は約3時間しか働いていない計算になります。一日3時間働いて、20日間稼動で、収入が約36万円ですから、結構贅沢な仕事だと判断します。残りの10日間は全く好きな(自由な)自分の時間ですから、結構色々な事が休日にできると思います。本業のサラリーマンをしながら、この収入を目指す事も、無理な話ではありません。本業を今まで通り頑張りながら、どこかの時間で、日々3時間時間を捻出している生徒さんは毎月結果を残しています。週末に集中して仕事をするスタンスもありです。

講師の私は、このレンズ修理販売ビジネスを実践しなくても、修理依頼品が日々届くので、レンズ修理販売ビジネスではなくて、レンズ修理ビジネスだけでも勿論生活は成り立ちます。2019年度の平均時給単価を税理士さんに算出してもらったのですが、17,500円くらいでした。

もし、必要性があって30日間フル稼働したとすると、純利益=90,496円×6倍の計算になりますから、一か月間の収入は542,976円になります。という事は、毎日レンズを3本仕入れて、修理して、出品して、落札したら納品するという仕事を、飽きずにコツコツ実践すれば、平均的なサラリーマンの月間収入と比べても遜色がない事に気が付くと思います。

しかも、通勤する必要はなく、自宅で日々3時間集中して頑張ればいいのです。働き方は自分で自由に変えられますので、毎日5本のレンズを販売するスタンスだと、仕事をすると決めた日は約11日でいい事になります。やると決めた日に数をこなして集中してもいいし、平均的な作業量で毎月過ごしても構いません。

今回実践してみた感想としては、そんなにメチャクチャ儲かるビジネスモデルではありませんが、逆にそんなにがむしゃらに頑張らなくても、結構楽しく在宅生活ができるビジネスモデルなんだなーと感じました。

生徒さんの声

2021年度になってから入学された生徒さんに関しましては、生徒さんと個別に専用通信サイトを活用して連絡を取り合っておりまして、何人かの生徒さんとのやり取りをご覧頂ければ、どんなやり取りをしながら受講を進めているのか、その様子がイメージできるのではないか・・・というお話は、このページの最初で解説しましたが、かなり以前から入学されていて、レンズ修理販売を実践されている、何人かの生徒さんの声のコメントを頂いておりますので、宜しければご参照下さい。皆さん、住んでいるところも、年齢も、職業もまちまちですが、今このサイトをお読みになっている読者さんと、似た様な環境下で学習・実践されている生徒さんがいらっしゃるかもしれません。

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