Mamiya-Sekor C 70mm F2.8 E 修理記録

Mamiya-Sekor C 70mm F2.8 Eというモデルは、Mamiya 645という中盤一眼レフフイルムカメラ用交換レンズとして製造・販売されていました。普段から懇意にしている写真家の方に聞くと、このフイルムカメラは、使いやすさと高画角を兼ね備えた645判中判一眼レフカメラの先駆け的な存在だそうです。

そもそも中判カメラという機種は、昭和40年代頃から市場に台頭してきました。販売当初は67判や66判を中心とした大きくて重い、主にプロ向けとしてのカメラとして販売されました。そして一足遅れて登場したのが645判（セミ版）の中判カメラになり、その元祖がこのMamiyaのM645という位置付けになります。

67判よりはかなり小さく軽くなり、使い勝手も35mmカメラとそれほど違いがない操作性で、このM645の登場をきっかけに、ペンタックスの645や645N、ブロニカのETRなどの645判中判一眼レフカメラが次々に誕生しました。M645シリーズはその後645PROシリーズ、645AFシリーズへ発展して行きますが、AF化されるまでの機種ではレンズマウントが共通なので、ボディを買い替えてもそのままレンズが使えるというメリットがあります。

レンズ検査ご依頼までの流れ（経緯）

今回のご依頼はメールにて受け付けましたので、その内容を簡潔にまとめました。

こちらからのお返事

目視される症状の原因がカビ等光学系付着物であれば除去処置にて課題が解決するケースはございます。やはり、実際に該当個体を初見してみないとハッキリと明言するのは難しです。どうかご了承お願い申し上げます。いずれに致しましても○○様の大切な光学機器です。業者さんの選定等々充分にご検討下さい。

（一社）日本レンズ協会 代表理事 田斉健輔

今回お預かり致しました機種

順番に検査

今回の修理ご依頼内容は、ある特定ガラス部位表面に付着した拭きムラの除去処置でしたので、レンズフロント側からのアクセスにて、順番に検査していく事になります。

光学系付着物の状態＝処置前写真

上記写真のガラス部位に付着していた付着物を全て除去処置施しましたので、レンズ全体としての光学的なクリアー度も復元しました。何故この様な白濁現象に至ってしまったかに関しましては、その原因の特定はできませんが、過去にどなたかが、カビの除去をしようと思って、不適切な布等で拭き取ったものの、カビの除去ができずに、返ってガラス部位を汚してしまったのではないかと推測いたします。処置後付着物は全て除去できておりますが、点カビと一部菌糸状カビの除去後の腐食痕が残ります。

レンズが綺麗に蘇った分、この様な症状が顕になりますが、この点ご了承お願い申し上げます。Carl Zeiss Distagon T* 28mm F2.8 同様、レンズ鏡胴内部のカビの胞子全てを除去したわけではありませんので、再発防止の為に、なるべく頻繁に手に取って、フォーカス調整ダイヤル等を回して頂き、レンズ鏡胴内部に空気の流れを作ってあげて下さい。レンズの様な光学機器は未使用期間が長期化しますと、随所に支障をきたしてしまいますので、ご協力お願い申し上げます。

納品に関しまして

※お願い・・・銀行お振込み頂きましたら、その旨メールにてお知らせ頂けますと幸いでございます。確認後速やかに納品させて頂きます。

発送方法	クロネコ発払い便
送り状NO	別途メールにて報告
配送状況	お荷物追跡システム

ご決済に関しまして

整備費	8,000円（税込）
クロネコさん送料	片道づつ相互負担
決済方法	銀行振り込み
合計	8,000円
お願い	ご決済後メールにてお知らせ下さい

ご縁ございましたら、今後もお付き合い・ご指導宜しくお願い申し上げます。
（一社）日本レンズ協会 代表理事 田斉 健輔

ご依頼者様から頂いたメール

わざわざありがとうございます。励みになります。