Minolta RF Rokkor 250mm F5.6 修理報告

Minolta RF Rokkor 250mm F5.6というレンズは望遠でありながらとてもコンパクトなのが一番の特徴です。私は写真家ではないので撮影の領域に関しては専門的には語れませんが、愛好家の方に聞くと、通常の望遠レンズの大きさに困っている写真家の間では、そのコンパクトさが人気だそうで250mmなのに標準レンズと大きさは殆ど変りません。どの位小さいかというとこの写真の様にとても持ち運びが簡単なサイズになっています。

勿論、定期的な整備を施さないと他のレンズ同様ガラス面及び反射鏡面にカビが付着してしまいます。特に反射鏡面の鏡面剥がれが起きてしまうと付着物ではないので、遜色のない同規格部位交換が必要になってしまうので、付着物や鏡面の異変に気づいたら早めの処置が必要です。

レンズ検査ご依頼までの流れ（経緯）

今回のご依頼はメールにて受け付けましたので、その内容を簡潔にまとめました。

長らくカメラケースにしまい込んでいた物ですが、開けてみるとカビだらけになっていました。昔の仲間とまたカワセミを撮りに行きたいのですが、今のままだと気持ちも悪いので綺麗になるものなら修理をお願いしたいです。思い出せば結構いい値段がしたレンズですので、今後は大切に使用したいと思っています。急ぎませんが値段は30,000円くらいと助かります。我儘いってスイマセンが宜しくお願い致します。

機種名	Minolta RF Rokkor 250mm F5.6
シリアルNO	1011228
付属品	前後キャップ、フード
課題（所有者さん見解）	長らくカメラケースにしまい込んでいた物ですが開けてみるとカビだらけになっていました。

修理報告

この機種特有の症状なのですが、フロント側のレンズ表面に無数の点カビが付着していて、鏡胴内部反射鏡面表面には菌糸状カビが付着していました。下記参考写真上手く撮影できていませんでした。申し訳けございません。全ての付着物除去処置施しましたので、レンズ全体としての光学的なクリアー度は復元しております。フォーカス調整機構駆動系も問題ありません。外観共にとても状態の良い個体です。大切にご所有下さい。今回の経験で納得されたと思いますが、レンズは未試用期間が長引くとカビが付着したり、時には駆動系にも支障をきたします。今後はなるべく出番を増やして頂き、ケースに仕舞いっぱなしという保管状態は回避して下さい。尚、修理工程解説動画配信ご希望との事でしたので、この報告ページ中ほどに掲載させて頂きます。この動画は当協会生徒さんとも共有させて下さい。