Nikon Zoom-Nikkor 25-50mm F4 修理記録

Nikon Zoom-Nikkor 25-50mm F4

Nikon Zoom-Nikkor 25mm-50mm F4という機種は、28mm-45mmの販売直接の後継機種として、1979年に販売が開始されました。その1年後には、Nikon F3やNikon EMといったフイルムカメラが市場に登場し、フイルムカメラ用レンズとしても、広角ズームレンズの開発が盛んになり始めた時代背景があったものと思われます。

単焦点レンズであれば、設計仕様の焦点距離だけシミュレーション計算をすればいいのですが、広角ズームに限らず、ズームレンズの設計は、計算量の多さから商品化の困難さと戦っていたという話を聞いた事があります。

修理の世界からズームレンズを考えると、鏡胴内部に組み込まれている硝子部位の数や、そもそも製造段階で販売後の修理を前提としていない構造になっている事から、あまり積極的には依頼をお受けする事はありません。そして、修理費用が、市場販売価格より高額になってしまう逆転現象も中々修理の依頼に繋がらない要因だと感じています。

レンズ検査ご依頼までの流れ(経緯)

今回のご依頼はメールにて受け付けましたので、その内容を簡潔にまとめました。

メールにてのお問い合わせ

同じ写真倶楽部の友人から御社の事を聞いてメールさせて頂きます。広角のズームレンズなのですが、不覚にもカビを生やしてしまいました。どの業者も取り扱っていないとの返答しかもらえず困っていたところ、昔友人は同じ様な機種を綺麗にしてもらったと話していました。Nikon Zoom-Nikkor 25-50mm F4という機種なのですが、でき得る範囲で結構ですのでお願い申し上げます。

Nikon Zoom-Nikkor 25-50mm F4 付属品
Nikon Zoom-Nikkor 25-50mm F4 付属品
機種名Nikon Zoom-Nikkor 25-50mm F4
シリアルNO217373
付属品前後キャップ
課題(所有者さん見解)広角のズームレンズなのですが
不覚にもカビを生やしてしまいました。

修理報告

鏡胴内部全てのレンズ表面に付着していた埃・カビ除去しました。レンズ全体としての光学的なクリアー度は復元しています。付着していた点カビと雲状カビが腐食カビで、除去後の腐食痕が残ります。この点、ご了承お願い致します。

ズームレンズ、単焦点レンズに関わらず、やはりレンズの様な光学機器は未使用期間が長期化しますと、カビの付着等随所に支障をきたしてしまいます。未使用期間が長期化しない様に、今後はご配慮お願い申し上げます。処置前のカビの写真撮影しましたので、併せてご参照下さい。

参考写真

Nikon Zoom-Nikkor 25-50mm F4 レンズユニット
Nikon Zoom-Nikkor 25-50mm F4 レンズユニット
Nikon Zoom-Nikkor 25-50mm F4 レンズ鏡胴内部
Nikon Zoom-Nikkor 25-50mm F4 レンズ鏡胴内部
Nikon Zoom-Nikkor 25-50mm F4 菌糸状カビ
Nikon Zoom-Nikkor 25-50mm F4 菌糸状カビ
Nikon Zoom-Nikkor 25-50mm F4 点カビと埃
Nikon Zoom-Nikkor 25-50mm F4 点カビと埃

納品に関しまして

※お願い・・・銀行お振込み頂きましたら、その旨メールにてお知らせ頂けますと幸いでございます。確認後速やかに納品させて頂きます。

発送方法クロネコ着払い便
送り状NO別途メールにて報告
配送状況お荷物追跡システム

ご決済に関しまして

整備費20,000円(税込)
決済方法銀行振り込み
お願いご決済後メールにてお知らせ下さい
お振込み先銀行

・みずほ銀行
・五香支店
・口座名義 一般社団法人 日本レンズ協会
・普通口座
・口座番号 1715154

山田 太郎の様にご記入下さい

ご縁ございましたら、今後もお付き合い・ご指導宜しくお願い申し上げます。
(一社)日本レンズ協会 代表理事 田斉 健輔

kensuke tasai と申します。 光学機器の修理を主たる業務としております。 関連コンテンツも並行して配信させて頂いておりますので、リクエストございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。