Carl Zeiss Jena Tessar 2.8cm F8という機種も時々修理依頼を頂く機種の仲間になりますが、以前からこの解放F値に関して素朴な疑問を抱いていました。同じ28mmの広角レンズなら他にももっと明るい機種が存在するのに、何故この機種が人気があるのだろう?・・・と。今回所有者の写真家の方にお聞きしてその疑問が解けた様な気がします。今までは、明るいレンズ=いいレンズという単純な認識しかなかったのですが、逆にF=8というレンズの魅力について教えて頂く事ができました。ありがとうございます。大変勉強になりました。Carl Zeiss Jena Tessar 2.8cm F8という機種は、構造的にはレンズ鏡胴内部に組み込まれているガラス玉及び各種部位がとても小さいのが大きな特徴です。駆動系に支障をきたす事は稀で、修理依頼の内容は光学系付着物除去が殆どなのもその特徴になります。カビ除去後の腐蝕痕が残るケースが多く、部位が小さいので復元状態が目視的にはあまり芳しくないと感じられてしまうのも事実です。
レンズ検査ご依頼までの流れ(経緯)
今回のご依頼はメールにて受け付けましたので、その内容を簡潔にまとめました。
レンズは、Carl Zeiss Jena Tessar 28mm F8(Contax C用)です。すごく酷いわけではないのですが、全体的にホコリ(カビ?)が気になるので、クリーニングをしていただきたいと考えています。ヘリコイドや絞りなどの機能には問題ないようなので、クリーニングのみで大丈夫かと思います。見積もりをいただけると嬉しいです。よろしくお願いします。
機種名 | Carl Zeiss Jena Tessar 2.8cm F8 |
シリアルNO | 1939412 |
付属品 | 前後キャップ |
課題(所有者さん見解) | 全体的にホコリ(カビ?)が気になる。 |
修理報告
レンズ鏡胴内部に組み込まれているガラス玉を含む全ての部位に付着していた埃・カビ全て除去しました。レンズ全体としての光学的なクリアー度は復元しています。付着していたカビの種類は主に点カビと菌糸状カビでした。お電話にてもお話ししましたが、カビ除去後の腐蝕痕が随所に残ります。付着物と腐蝕痕の見分けは難しく、レンズの表面積が小さいとこの見分けが更に難しくなるので、見た目的には処置前後において大きな改善を感じられないと思いますが、この点ご了承お願い致します。光束総量に関しましては、新品時の値を100としますと、処置前=55くらいの値でしたが、処置後は80くらいの状態にまで復元しています。外観及びフォーカス調整機構、絞り羽ユニット機構の駆動系も状態の良い個体です。やはり未試用期間が長期化しない様、今後も大切にご所有下さい。以下作業風景撮影しました。処置前カビの付着状態写真何枚も撮ったのですが、上手く撮れませんでした。文章にての解説と併せてご参照下さい。
納品に関しまして
※お願い・・・銀行お振込み頂きましたら、その旨メールにてお知らせ頂けますと幸いでございます。確認後速やかに納品させて頂きます。
発送方法 | クロネコ着払い便 |
送り状NO | 別途メールにて記載 |
配送状況 | お荷物追跡システム |
ご決済に関しまして
整備費 | 10,000円(税込) |
決済方法 | 銀行振り込み |
お願い | ご決済後メールにてお知らせ下さい |
お振込み先銀行
・みずほ銀行
・五香支店
・口座名義 一般社団法人 日本レンズ協会
・普通口座
・口座番号 1715154
ご縁ございましたら、今後もお付き合い・ご指導宜しくお願い申し上げます。
(一社)日本レンズ協会 代表理事 田斉 健輔