Canon Serenar 50mm F1.8 修理記録

Canon Serenar 50mm F1.8

Canon Serenar 50mm F1.8というレンズは、1940年台ころから製造されたCanonバルナック型フォーカルプレーンシャッター式距離計連動フイルムカメラ用として世にデビューしている。マウント形状はL39で、ライカ社のフイルムカメラにも勿論装填して撮影を楽しむ事ができる。この機種は幾度となく修理してきたが、構造がとてもよくできていて、絞り羽に油分を含む汚れが付着する傾向はあるが、フォーカス調整機構も丈夫で、個人的にはしっかりした機種だと思う。ライカのレンズが値段的に高いと感じている写真愛好家の方で、先ずはこの機種で実写してみようと思ってラインナップに加えている方が多い様だ。レンズ鏡胴内部にアクセスする手順がL39マウントレンズに共通しているが、その構造を知っていれば比較的簡単に自宅で整備可能な機種に属する。

Canon ⅡD改(2D改)型 フォーカルプレーン式カメラ
Canon ⅡD改(2D改)型 フォーカルプレーン式カメラ

レンズ検査ご依頼までの流れ(経緯)

今回のご依頼はメールにて受け付けましたので、その内容を簡潔にまとめました。

メールにてのお問い合わせ

クモリ(特に中玉)などがあり、フレアが出ます。絞り環も固く感じますが、こちらは他の個体を触ったことがないので、不具合によるものかどうかは不明です。憧れのライカのカメラを購入し、レンズも本当はライカのものを使いたいのですが、予算的にL39マウントのこのレンズを購入しました。総合的に見て頂き必要な整備をお願いします。予算は10,000円くらいなので、最低限綺麗になれば嬉しいです。

Canon Serenar 50mm F1.8 付属品
Canon Serenar 50mm F1.8 付属品
機種名Canon Serenar 50mm F1.8
シリアルNO69056
付属品前後キャップ
課題(所有者さん見解)クモリ(特に中玉)などがあり、フレアが出ます。
絞り環も固く感じます。

修理報告

鏡胴内部全てのレンズ表面に付着していた埃・カビ除去致しました。カビの種類は主に点カビと雲状カビでした。レンズ全体としての光学的なクリアー度は復元しています。只、今回施しました処置が【フレア】軽減に対しての効果はこちらでは計測できません。又、付着していたカビが腐蝕カビで、除去後の腐蝕痕が残ります。又、レンズが綺麗に復元した分レンズ表面の無数の擦れ傷が大変目立ちます。この様な症状ご了承お願い致します。絞り羽ユニット機構に付着していた油分を含む汚れ除去致しましたが、トルク感に大きな変化はありません。規格内の重さと判断致します。外観共に大変状態の良い個体です。今まで同様大切にご所有下さい。整備工程にていくつかの写真UPしておきますので併せてご参照下さい。

参考写真

Canon Serenar 50mm F1.8 白濁(カビ)
Canon Serenar 50mm F1.8 白濁(カビ)
Canon Serenar 50mm F1.8 点カビと雲状カビ
Canon Serenar 50mm F1.8 点カビと雲状カビ
Canon Serenar 50mm F1.8 傷と雲状カビ
Canon Serenar 50mm F1.8 傷と雲状カビ
Canon Serenar 50mm F1.8 絞り時
Canon Serenar 50mm F1.8 絞り時
Canon Serenar 50mm F1.8 解放時
Canon Serenar 50mm F1.8 解放時

納品に関しまして

※お願い・・・銀行お振込み頂きましたら、その旨メールにてお知らせ頂けますと幸いでございます。確認後速やかに納品させて頂きます。

発送方法クロネコ着払い便
送り状NO別途メールにて記載
配送状況お荷物追跡システム

ご決済に関しまして

整備費10,000円(税込)
決済方法銀行振り込み
お願いご決済後メールにてお知らせ下さい
お振込み先銀行

・みずほ銀行
・五香支店
・口座名義 一般社団法人 日本レンズ協会
・普通口座
・口座番号 1715154

山田 太郎の様にご記入下さい

ご縁ございましたら、今後もお付き合い・ご指導宜しくお願い申し上げます。
(一社)日本レンズ協会 代表理事 田斉 健輔

kensuke tasai と申します。 光学機器の修理を主たる業務としております。 関連コンテンツも並行して配信させて頂いておりますので、リクエストございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。