Ernst Leitz GmbH Summaron 3.5cm F3.5というレンズは1954年(昭和29年)頃製造されたものなので、製造から半世紀以上経っているレンズになります。製造個体数が多かった様で、当協会にも毎月の様に修理依頼がある人気がある機種になります。絞り羽ユニット機構及びフォーカス調整機構の駆動系は比較的丈夫で、修理依頼内容の大半は光学系付着物除去になります。今回の修理依頼内容はフォーカス調整ダイヤルのトルク感が固くムラがあるという内容でしたが、当然長年整備が施されていない個体ですから、カビ等光学系付着物も確認できました。とてもコンパクトなレンズですので、レンズ鏡胴内部に組み込まれている各種部位もとても小さく、修理の分野からの所見ですと、その取扱いは難易度が高い部類に入ると思います。
レンズ検査ご依頼までの流れ(経緯)
今回のご依頼はメールにて受け付けましたので、その内容を簡潔にまとめました。
ヘリコイドの動きが一定でないスムーズに動かない感じです。そのため、点検、清掃、グリス交換と状態によっては、レンズも綺麗にして頂きたいと考えています。レンズはErnst Leitz GmbH Summaron 3.5cm F3.5という機種で、撮影時の難しさはあるのですが、お気に入りの1本なので、なるべくストレスなく今後も使っていきたいと思っております。他に気になる個所ありましたらそちらも整備して下さい。
機種名 | Ernst Leitz GmbH Summaron 3.5cm F3.5 |
シリアルNO | 1273232 |
付属品 | 前後キャップ |
課題(所有者さん見解) | ヘリコイドの動きが一定でないスムーズに動かない感じです |
修理報告
フォーカス調整機構螺旋状部の油分を含む汚れ除去処置施しました。併せて、この機種の適正グリス再UP処置も施しました。今回使用しましたグリスは【Lubricating Grease T1】になります。大きな特徴としまして、経年変化が少なく長期間の使用に耐えられ、ザラ、ゴリ、キシミ等に効果的でチョウ度=113の規格グリスになります。只、関連螺旋状部に傷と歪みがありますので、洗浄・再グリスUP処置ですべてをカバーする事はできません。この点ご了承お願い致します。光学系付着物に関しましては、お電話にても伝え致しましたが、絞り羽ユニット機構~対物側域の鏡胴内部レンズ表面の付着物は除去致しました。カビの種類は主に点カビでした。レンズ全体としての光学的なクリアー度は除去した分復元しています。修理の範疇で復元しましたトルク感は所有者様の嗜好の違いもまちまちです。また、光学系付着物除去処置は約半分の領域はアクセスできませんでした。諸々の点ご了承お願い致します。又、今回の整備工程にて撮影した光学系付着物及びレンズ鏡胴内部の写真もご参照下さい。
参考写真
納品に関しまして
※お願い・・・銀行お振込み頂きましたら、その旨メールにてお知らせ頂けますと幸いでございます。確認後速やかに納品させて頂きます。
発送方法 | クロネコ着払い便 |
送り状NO | 別途メールにて報告 |
配送状況 | お荷物追跡システム |
ご決済に関しまして
整備費 | 15,000円(税込) |
決済方法 | 銀行振り込み |
お願い | ご決済後メールにてお知らせ下さい |
お振込み先銀行
・みずほ銀行
・五香支店
・口座名義 一般社団法人 日本レンズ協会
・普通口座
・口座番号 1715154
ご縁ございましたら、今後もお付き合い・ご指導宜しくお願い申し上げます。
(一社)日本レンズ協会 代表理事 田斉 健輔