当協会では、焦点距離が80mmからを望遠と位置付けておりますが、Nikonのレンズでこの仲間で修理依頼が多いのが、NIKKOR-Q Auto 135mm F2.8、NIKKOR-P Auto 105mm F2.5とAutoレンズ群になります。どの機種にも共通しているのが、やはりカビの付着です。この機種の仲間は似た様な構造をしていますし、整備(付着物除去)自体はそんなに難しくないので、是非所有者さんご自身がご自宅で整備できる様になる事を推奨致します。尚、絞り羽フイルム=板が解放状態で固着してしまっている症状に関しましては、関連部位に付着している油分を含む汚れを除去すれば、その駆動は復元するケースが多いのですが、復元後再度似た様な症状になってしまう傾向が強いのも特徴の一つになります。そういう場合は、再度汚れを除去するという、整備の繰り返しで所有していって下さい。2度目からの整備は簡易的な処置で大丈夫なケースが多いです。
レンズ検査ご依頼までの流れ(経緯)
今回のご依頼はメールにて受け付けましたので、その内容を簡潔にまとめました。
絞り羽根不具合(動くのですが、撮影時開放状態から戻らない場合が多くあります)前面レンズに小さいですがカビらしきもの。マウント側レンズ内側にゴミも見られます。友人がネットで調べれば自分で修理できるといっていましたが、怖いので宜しくお願い致します。レンズはNippon Kogaku Nikkor-H Auto 85mm F1.8という昔のレンズです。今後の保管の方法も教えて下さい。
機種名 | Nippon Kogaku Nikkor-H Auto 85mm F1.8 |
シリアルNO | 191574 |
付属品 | 前後キャップ |
課題(所有者さん見解) | 絞り羽根不具合とカビ |
修理報告
先ず、駆動系の課題に関してですが、絞り羽ユニット機構に付着していた油分を含む汚れ除去致しました。100回程ですがその動きのチェックしましたが、処置後の現状その動作は復元しています。お電話にてもお伝え致しましたが、フォーカス調整機構螺旋状部のグリスが落ちやすい個体は、再度同じ様な症状になってしまいます。今回の処置後解放のまま固着してしまったりした場合は、ご都合に合わせていつでもこちらにご送付下さい。無償にてその都度整備させて頂きます。この様にこの課題の完全解決は難しいので、こちらと所有者様との二人三脚にて状態を維持していくしか方法がありません。ご協力お願い致します。次に、光学系付着物に関してですが、鏡胴内部全てのレンズ表面に付着していた埃・カビ除去しました。レンズ全体としての光学的なクリアー度は復元しています。只、付着していたカビの一種が腐蝕カビで、除去後の腐蝕痕が残ります。この点もご了承お願い致します。フォーカス調整機構トルク感ややムラ、引っ掛かりを感じる時がありますが全体としては状態の良い個体です。今後も大切にご所有下さい。宜しくお願い致します。又、今回の整備工程にて撮影した光学系付着物及びレンズ鏡胴内部の写真もご参照下さい。又、今回の整備工程にて撮影した光学系付着物及びレンズ鏡胴内部の写真もご参照下さい。
参考写真
納品に関しまして
※お願い・・・銀行お振込み頂きましたら、その旨メールにてお知らせ頂けますと幸いでございます。確認後速やかに納品させて頂きます。
発送方法 | クロネコ着払い便 |
送り状NO | 別途メールにて報告 |
配送状況 | お荷物追跡システム |
ご決済に関しまして
整備費 | 15,000円(税込) |
決済方法 | 銀行振り込み |
お願い | ご決済後メールにてお知らせ下さい |
お振込み先銀行
・みずほ銀行
・五香支店
・口座名義 一般社団法人 日本レンズ協会
・普通口座
・口座番号 1715154
ご縁ございましたら、今後もお付き合い・ご指導宜しくお願い申し上げます。
(一社)日本レンズ協会 代表理事 田斉 健輔