この機種は、レンズ鏡胴部が二つのパーツに簡単に分かれます。フォーカス調整機構のみが組み込まれてるパーツ＝Aと、硝子玉の光学部位と絞り羽ユニット機構からなるパーツ＝Ｂです。今回の修理依頼内容はフォーカス調整機構が固くてピント合わせができない・・・というお問い合わせでしたので、パーツ＝Ａの処置を施しましたが、併せて気になる光学系付着物も除去しました。
この機種の特徴として、レンズ全体がとても長く、135mmもあります。又、絞り羽フイルムが15枚もあり、L39マウント規格のレンズとしては、絞り値がどの指標でも、限りなく円型をキープさせようとするメーカーさんの意図を感じる事ができます。とてもシンプルな構造なので、光学系付着物除去であれば、ご自身で整備して頂くのが理想的だと思います。又、パーツ＝Ａには、内面反射防止の為の黒色リングが幾重にも配置されていて、とても丁寧な構造になっています。
レンズ検査ご依頼までの流れ（経緯）
今回のご依頼はメールにて受け付けましたので、その内容を簡潔にまとめました。
最近購入したレンズなのですが、ヘリコイドリングが固着して撮影できません。その事は承知の上で購入したので、何とかお願いします。Ernst Leitz GmbH Wetzlar Hektor 135cm F4.5という機種で、初めて使うレンズなので楽しみです。チェックして頂き、他に気になるところがありましたら、併せて修理お願いします。外観は綺麗なので、大切にしたいと思っております。
| 機種名 | Ernst Leitz GmbH Wetzlar Hektor 135cm F4.5 |
| シリアルNO | 1240781 |
| 付属品 | リヤキャップ |
| 課題（所有者さん見解） | ヘリコイドリングが固着して撮影できません |
修理報告
お電話にてもお伝え致しましたが、この機種のフォーカス調整機構トルク感は本来軽い感覚で、それに近いトルク感を目安に整備致しました。関連螺旋状部全体にこびり付いていた油分を含む汚れが原因ですが、洗浄及び軽めのグリスUP処置施しております。この機種は該当螺旋状部が少し特殊な形状をしています。未試用期間が長引きますと再び固着しやすい傾向がありますので、実写まではしなくとも時々手に取っていじってあげて下さい。
今回、課題には挙がっておりませんでしたが、光学系付着物もカビ等ありましたので除去してあります。レンズが綺麗に復元した分、前後玉表面の擦れ傷が大変目立ちますが、この点ご了承お願い致します。外観共に状態の良い個体です。大切にご所有下さい。お願い致します。又、今回の整備工程にて撮影した光学系付着物及びレンズ鏡胴内部の写真もご参照下さい。
参考写真
納品に関しまして
※お願い・・・銀行お振込み頂きましたら、その旨メールにてお知らせ頂けますと幸いでございます。確認後速やかに納品させて頂きます。
| 発送方法 | クロネコ着払い便 |
| 送り状NO | 別途メールにて報告 |
| 配送状況 | お荷物追跡システム |
ご決済に関しまして
| 整備費 | 12,000円（税込） |
| 決済方法 | 銀行振り込み |
| お願い | ご決済後メールにてお知らせ下さい |
お振込み先銀行
・みずほ銀行
・五香支店
・口座名義 一般社団法人 日本レンズ協会
・普通口座
・口座番号 1715154
ご縁ございましたら、今後もお付き合い・ご指導宜しくお願い申し上げます。
（一社）日本レンズ協会 代表理事 田斉 健輔
