今回は、レンズ×3本修理ご依頼を頂きました。結果と致しまして、それぞれの理由で、各個体が抱えている課題を解決する事ができませんでした事、冒頭にてお詫び申し上げます。それぞれの機種に関しましての、検査報告は各レンズごとに、下記報告させて頂きますので、ご一読お願い申し上げます。
レンズ検査ご依頼までの流れ(経緯)
今回のご依頼はメールにて受け付けましたので、その内容を簡潔にまとめました。
初めてご連絡させて頂きます。
1、ペンタックス SMC PENTAX−A 50mm F1.7
症状:後玉がほぼ全面スリガラス状に白く曇っています。
2、コニカ HEXANON AR 200mm F4
症状:前玉の裏側付近に曇ってる箇所があります。
3、シグマ SIGMA ZOOM−μ 28mm〜50mm F2.8〜3.5 症状:ヘリコイドがスカスカになってます。
Sigma Zoom-u Multi-Coated 28mm-50mm F2.8-3.5 検査報告
機種名 | Sigma Zoom-u Multi-Coated 28mm-50mm F2.8-3.5 |
シリアルNO | 控えるを忘れてしまいました。 |
付属品 | 前後キャップ、フード |
課題(所有者さん見解) | ヘリコイドがスカスカになってます。 |
お問い合わせ段階で、メールにてお返事致しましたが、フォーカス調整機構螺旋状部の金属同士の摩耗が激しく、その軌道に隙間が発生していました。再グリスUP処置で、このトルク感を補う事は難しいと診断しました。仮に、この処置を施した場合、その隙間からグリスが流れ落ち、絞り羽ユニット機構に付着して、その駆動に影響を及ぼしてしまう危惧を孕みますので、検査報告段階にて、現状のまま納品させて頂きます。この様な見解に至りました事、ご了承下さい。
参考写真
SMC Pentax 50mm F1.7 検査報告
機種名 | SMC Pentax 50mm F1.7 |
シリアルNO | 控えるを忘れてしまいました。 |
付属品 | 前後キャップ |
課題(所有者さん見解) | 後玉がほぼ全面スリガラス状に白く曇っています。 |
白濁の原因は、カビ等の光学系付着物ではなくて、合成レンズの貼り合わせ面にて起きています。二枚のレンズの貼り合わせ面に使用されている、天然樹脂素材粘着物自体の劣化が主な原因になります。この症状は付着物ではないので、除去できません。課題解決には、遜色のない同規格の部位交換が必要ですが、該当部位の入手がが困難なのが実情です。この様な背景ご了承お願い申し上げます。こちらの機種も、検査報告段階にて、現状のまま納品させて頂きます。この様な見解に至りました事、ご了承下さい。
参考写真
Konica Hexanon AR 200mm F4 検査報告
機種名 | Konica Hexanon AR 200mm F4 |
シリアルNO | 控えるを忘れてしまいました。 |
付属品 | 前後キャップ |
課題(所有者さん見解) | 前玉の裏側付近に曇ってる箇所があります。 |
曇っている様に目視できる主な原因はカビでした。点カビと菌糸状カビです。この事も、お問い合わせ段階のメールにてお話ししましたが、除去処置を施せば、課題は解決するのですが、付着物がある部位はコーテイング加工が施されていますので、付着物と一緒にコーテイングが剥がれてしまう危惧を孕んでいます。この様な背景ご了承お願い申し上げます。こちらの機種も、検査報告段階にて、現状のまま納品させて頂きます。この様な見解に至りました事、ご了承下さい。
参考写真
納品に関しまして
送料のみご負担お願い申し上げます。到着までもう少しお待ち下さい。
発送方法 | クロネコ着払い便 |
送り状NO | 4675-5252-8365 |
配送状況 | お荷物追跡システム |
今回は課題解決の為の具体的なお手伝いができずに、申し訳けございませんでした。お許し下さい。ご縁ございましたら、今後もお付き合い・ご指導宜しくお願い申し上げます。
(一社)日本レンズ協会 代表理事 田斉 健輔