Minolta M-Rokkor 28mm F2.8というレンズは、1981年に発売されたレンジファンダーカメラ・ミノルタCLEの登場に合わせて販売された、ライカMマウントの広角レンズで、ミノルタ独自の開発で、ロッコールレンズの仲間になります。
レンジファインダー用の交換レンズは、広角になるほど相場価格が高くなる傾向にありますが、この機種は、何故か現在でも市場価格は、ライカMマウントの広角レンズとしては、そんなに高額ではない様に見受けられますので、比較的入手しやすい機種の一種の様です。
只、入手に際して注意してほしいのは、かなりの割合で、水滴の様なブツブツ現象が散見されるという事です。
今回お預かりした個体も、この写真の様にユニットレンズの部位で似た様な症状が起きていました。お問い合わせ段階で、この症状は修理の範疇では処置ができない事はお伝えしたのですが、2枚のレンズの貼り合わせ面という訳ではなくて、合成レンズのユニット=最小単位で構成されている部位で起きている現象なので、この硝子玉表面にアクセスできません。
只、この症状は、今までの修理経験上、実写に際しては影響はなく、それ以外の硝子玉表面に付着しているカビ等の付着物を除去すれば、スッキリとした映りの撮影が復元する事も、経験上判明しています。この様な特徴を持った個体なのだという背景を前提として、修理の受け付けを行っております。
レンズ検査ご依頼までの流れ(経緯)
今回のご依頼はメールにて受け付けましたので、その内容を簡潔にまとめました。
例のぶつぶつが出る問題のレンズでしょうか?よく解らないのですが。久しぶりに撮影してみると、何だかスッキリしない写真になってしまいます。ネットで調べると、この症状はこのレンズ特有の現象みたいなのですが、修理可能でしょうか?見た目ではなくて、撮影してみて、昔の様にもう少しスッキリした絵が撮れればそれで満足です。対応可能な様でしたら、是非お願い致します。
機種名 | Minolta M-Rokkor 28mm F2.8 |
シリアルNO | 1005793 |
付属品 | 前後キャップ |
課題(所有者さん見解) | 撮影してみて、昔の様にもう少しスッキリした絵が 撮れればそれで満足です。 |
修理報告
お電話でもお伝え致しましたが、この固体特有の傾向で、合成レンズユニット内側にて、目視的にブツブツの付着物が発生してしまう機種です。この付着物は、合成レンズ自体が最小単位の構造ですので、除去は不可能です。その他、鏡胴内部全てのレンズ表面の埃・カビ等の付着物除去はできています。駆動系、外観等状態の良い個体です。今まで同様大切にご所有下さい。お願い致します。
こちらで、実写しての処置前後における比較ができませんが、処置後の状態で、スッキリとした写真が撮影できるものと推測しておりますので、できましたら納品後、実写して頂きまして、その状態を教えて頂けますと幸いでございます。尚、今回の整備工程にて撮影したいくつかの写真もご参照下さい。
参考写真
納品に関しまして
※お願い・・・銀行お振込み頂きましたら、その旨メールにてお知らせ頂けますと幸いでございます。確認後速やかに納品させて頂きます。
発送方法 | クロネコ着払い便 |
送り状NO | 別途メールにて報告 |
配送状況 | お荷物追跡システム |
ご決済に関しまして
整備費 | 22,000円(税込) |
決済方法 | 銀行振り込み |
お願い | ご決済後メールにてお知らせ下さい |
お振込み先銀行
・みずほ銀行
・五香支店
・口座名義 一般社団法人 日本レンズ協会
・普通口座
・口座番号 1715154
ご縁ございましたら、今後もお付き合い・ご指導宜しくお願い申し上げます。
(一社)日本レンズ協会 代表理事 田斉 健輔