AGFA Solagon 50mm F2というレンズ名は、ラテン語で太陽を表すSolaとギリシャ語で角を意味するgonの合成造語。ドイツのAGFA社(アグファ社)がレンジファインダーカメラのKarat 36(1951年登場の後期モデル)と後継機Karat IV(1955年登場)に搭載したガウス型レンズです。
AGFA社と言えばカラーフィルムと現像液のパイオニアとして名高いドイツ発祥の化学薬品メーカーです。Kodak社が世界初のカラーポジフィルムを発売した翌年の1936年には、AGFA社もポジフィルムのagfacolor neu(アグファカラー・ノイ)を発売しています。この時に発色現像を1回で完結させることのできる、画期的な現像処理法を実用化し、この技術が現在の世界標準となりました。
元々、バックフォーカスが短いのが原因で、デジカメ時代長らく日の目をみない地味な存在でしたが、ミラーレス・フルサイズ機のSony α7シリーズが登場したことにより、このレンズにも活躍のステージが準備された様です。それでも、この機種はそんなに修理依頼を受ける事がありませんので、機種としては珍しい部類に入るのかと感じています。
レンズ検査ご依頼までの流れ(経緯)
今回のご依頼はメールにて受け付けましたので、その内容を簡潔にまとめました。
つい最近ネットで購入。状態を詳しく検査していません。古いレンズですので、ゴミの混入やカビもあるかもしれません。そちらに送りますので、いつもの様に検査して頂き、何か問題があれば処置お願い致します。前から欲しかったレンズですので、ライカ系とは違った良さを楽しみたいと思っています。そちらで見てもらえれば安心ですので、宜しくお願い申し上げます。
機種名 | AGFA Solagon 50mm F2 |
シリアルNO | P16923 |
付属品 | 前後キャップ |
課題(所有者さん見解) | 古いレンズですので、ゴミの混入やカビもあるかもしれません。 |
修理報告
鏡胴内部全てのレンズ表面に埃・カビの付着物がありました。全て除去できています。レンズ全体としての光学的なクリアー度は復元しています。只、付着していたカビが腐蝕カビで、除去後の腐蝕痕が随所に残ります。
又、前玉表面に3か所程大き目の擦れ傷があります。レンズが綺麗に復元した分、この固体本来の姿が露わに目視できます。この様な症状ご了承お願い致します。外観、駆動系共に状態の良いレンズです。今まで同様大切にご所有下さい。お願い致します。尚、今回の整備工程にて撮影したいくつかの写真もご参照下さい。
参考写真
納品に関しまして
※お願い・・・銀行お振込み頂きましたら、その旨メールにてお知らせ頂けますと幸いでございます。確認後速やかに納品させて頂きます。
発送方法 | クロネコ着払い便 |
送り状NO | 別途メールにて報告 |
配送状況 | お荷物追跡システム |
ご決済に関しまして
整備費 | 20,000円(税込) |
決済方法 | 銀行振り込み |
お願い | ご決済後メールにてお知らせ下さい |
お振込み先銀行
・みずほ銀行
・五香支店
・口座名義 一般社団法人 日本レンズ協会
・普通口座
・口座番号 1715154
納品後、お礼のメールありがとうございました
ご縁ございましたら、今後もお付き合い・ご指導宜しくお願い申し上げます。
(一社)日本レンズ協会 代表理事 田斉 健輔