このNokton=ノクトンというレンズ名は、ラテン語で夜を意味するNoctに由来していて、Voigtländer=フォクトレンダーの35mmフイルムカメラ Prominent=プロミネント用の大口径標準レンズとして1950年に開発されましたから、今から70年くらい昔のレンズという事になります。
レンズ全長が45mm程なのに、重量は220gもあり、組み込まれている金属部位や硝子素材の質にこだわっていた一品だと修理の世界に身をおく人間の一人としては、そう感じぜざるを得ません。この機種は頻繁に修理依頼がある機種ではないので、あまり多くを語れませんが、古き良き時代の一種である事は間違いないと感じています。
レンズ検査ご依頼までの流れ(経緯)
今回のご依頼はメールにて受け付けましたので、その内容を簡潔にまとめました。
Voigtländer Nokton 50mm F1.5というかなり古いレンズなのですが、困っているのはクモリだけですが、修理中問題が出たら、オーバーホールを宜しくお願いします。しばらくの期間押し入れにしまったままの状態で、久しぶりに整理していたら見つかりました。昔の様にこのレンズで撮影したいので、でき得る範囲で結構ですので修理してあげて下さい。納期は急ぎません。宜しくお願い致します。
機種名 | Voigtländer Nokton 50mm F1.5 |
シリアルNO | 3592991 |
付属品 | 専用皮ケース |
課題(所有者さん見解) | 困っているのはクモリだけですが、修理中問題が出たら オーバーホールを宜しくお願いします。 |
修理報告
下記写真の様に、鏡胴内部全てのレンズ表面に埃・カビの付着が確認できます。レンズ全体として白濁(曇り)してしまっている主な原因は、この様な付着物が原因です。想定以上に汚れていました。この付着物を除去致しましたので、レンズ全体としては光学的なクリアー度は復元しています。
只、付着しているカビが腐蝕カビで、カビそのものの除去後に、随所に腐蝕痕が残ります。又、レンズ表面に大きめの擦れ傷が2か所あります。レンズが綺麗になった分、この様なこの個体本来の姿が露わになります。この点ご了承お願い致します。
又、絞り羽ユニット機構に油染みがありますが、現状その動作に問題はありません。この駆動系部位まで処置を施しますと、整備費がその分高額になってしまいますので、今回は光学系付着物除去のみの処置に限定しました。
光学機器は、未使用期間が長期化すると随所に支障をきたします。外観等大変状態の良い個体です。今後も大切にご所有下さい。尚、整備工程にて撮影した数枚の写真も貼付しましたので、併せてご参照下さい。
参考写真
納品に関しまして
※お願い・・・銀行お振込み頂きましたら、その旨メールにてお知らせ頂けますと幸いでございます。確認後速やかに納品させて頂きます。
発送方法 | クロネコ発払い便 |
送り状NO | 別途メールにて報告 |
配送状況 | お荷物追跡システム |
ご決済に関しまして
整備費 | 15,000円(税込) |
クロネコさん送料 | 神奈川県(一律)=930円(税込) |
決済方法 | 銀行振り込み |
合計 | 15,930円 |
お願い | ご決済後メールにてお知らせ下さい |
お振込み先銀行
・みずほ銀行
・五香支店
・口座名義 一般社団法人 日本レンズ協会
・普通口座
・口座番号 1715154
ご縁ございましたら、今後もお付き合い・ご指導宜しくお願い申し上げます。
(一社)日本レンズ協会 代表理事 田斉 健輔