Auto Chinon Multi-Coated 55mm F1.4レンズに限らず、殆どのオールドレンズがレンズ鏡胴内部に絞り羽ユニット機構と、同じ駆動系のフォーカス調整機構が隣接して組み込まれています。こういう構造がレンズの特徴なのですが、フォーカス調整機構螺旋状には金属同士の摩耗防止の為にグリスが塗られています。この油分が絞り羽ユニット機構に流れ落ちて付着して、今回の修理依頼の様に絞り羽フイルム本体がユニットBOXに収納された状態で固着してしまいます。この支障はMamiya RB 67カメラに代表される中判カメラ用レンズでは起こらない症状です。そもそも、中判フイルムカメラ本体側でフォーカスは調整する機構なので、レンズにはフォーカス調整機構は組み込まれていないからです。この様なカメラとレンズの歴史を紐解くと、一概には現代の光学機器が優れているとは言えないと個人的には感じています。
レンズ検査ご依頼までの流れ(経緯)
今回のご依頼はメールにて受け付けましたので、その内容を簡潔にまとめました。
先日まで、動いていましたので、症状がわかりません。絞りが開いたままです。何故こうなってしまうのでしょうか?今後も頻繁に撮影していきたいレンズですので、何とか修理お願い致します。それと、自分でも修理できる様になりたいのですが可能でしょうか?動画等配信して頂けると聞いたのですがもし可能でしたら宜しくお願い致します。もう一つ絞り羽が動かなくなってしまったレンズがあります。財布と相談しつつ次回お願いしようと考えています。
機種名 | Auto Chinon Multi-Coated 55mm F1.4 |
シリアルNO | 146665 |
付属品 | 前後キャップ |
課題(所有者さん見解) | 先日まで、動いていましたので、症状がわかりません。 絞りが開いたままです |
修理報告
完全に固着していた絞り羽根ユニット機構、動作復元しています。この機種は絞り羽フィルムが6枚の【菊花型構造】になっていまして、この構造のフィルムは固着しやすい傾向にあります。今回施しました処置がどこまで状態的に長持ちするかは同機種にて計測したことがないので保障はできません。この点ご了承お願い致します。光学系、付着していた主に点カビ除去処置施してあります。年代の割には大変状態の良い個体です。今まで同様大切にご所有下さい。ご自宅整備できる様今回の修理工程を写真と動画で撮影収録しました。お電話にてもお話ししましたが、今回の収録は当協会生徒さんにも共有してもらいます。その許可ありがとうございます。その代りコンテンツ作成費用は今回はかかりませんので、この点もご了承お願い致します。
修理工程解説動画
納品に関しまして
※お願い・・・銀行お振込み頂きましたら、その旨メールにてお知らせ頂けますと幸いでございます。確認後速やかに納品させて頂きます。
発送方法 | クロネコ着払い便 |
送り状NO | 別途メールにて記載 |
配送状況 | お荷物追跡システム |
ご決済に関しまして
整備費 | 15,000円(税込) |
コンテンツ製作費 | 無料 |
決済方法 | 銀行振り込み |
お願い | ご決済後メールにてお知らせ下さい |
お振込み先銀行
・みずほ銀行
・五香支店
・口座名義 一般社団法人 日本レンズ協会
・普通口座
・口座番号 1715154
ご縁ございましたら、今後もお付き合い・ご指導宜しくお願い申し上げます。
(一社)日本レンズ協会 代表理事 田斉 健輔