Canon 100mm F3.5というレンズは、今から約60年前の1958年に発売された、当時レンジファインダーフイルムカメラ・Canon VI(6)型と一緒に販売されました。個人的には、このレンズの構造が好きで、金属ローレットのメッキの良さと、黒ペイント部分も素晴らしく、工業製品としての造りの良さを随所に感じます。
発売当時の価格を今の通貨に換算すると、このレンズ1本で30万円以上していた事になり、当時の写真家はこんなに高価な買い物をしてまでもお気に入りの一枚を撮っていたのだナーと感慨深いものがあります。
Canon VI(6)型ではありませんが、こんな風にカメラにセットして、ビューファインダーと組み合わせたりしながら、写真を撮っていたのでしょう。修理の分野からの所見は、構造がとても丈夫でシンプルなので、この機種を所有されている方は、是非ご自身の手で、定期的に整備なさる事をお勧め致します。
レンズ検査ご依頼までの流れ(経緯)
今回のご依頼はメールにて受け付けましたので、その内容を簡潔にまとめました。
中玉(後玉?)に以前より多くカビが増えていました。またヘリコイドのグリスもだいぶ切れてきておるようです。撮影すると何だかベールをかぶった様な写真になります。Canon 100mm F3.5という相当に昔の望遠レンズですが、気に入っているレンズですので、可能な範囲で結構ですから、修理してやって下さい。決済は、いつもの様に銀行に振り込みますので宜しくお願い申し上げます。
機種名 | Canon 100mm F3.5 |
シリアルNO | 71408 |
付属品 | 前後キャップ |
課題(所有者さん見解) | オーバーホール |
修理報告
鏡胴内部全てのレンズ表面に埃・カビ等付着物がありました。付着物は全て除去できていますので、光学機器としてのクリアー度は復元しています。お電話にてもお伝え致しましたが、付着していた点カビが腐蝕カビで、除去後の腐蝕痕が随所に残ります。
又、レンズ表面に無数の擦れ傷がありますので、レンズが綺麗に復元した分、この様なこの個体本来の姿が露わに目視できます。この点、ご了承お願い致します。又、フォーカス調整機構螺旋状部、洗浄・再グリスUP処置施しましたが、螺旋状部の傷と歪みの影響で、そのトルク感にムラが残ります。
又、極力軽めのグリス使用しましたが、その感覚は少し硬めに仕上がっております。この点も、ご了承お願い致します。今まで同様、今後も大切にご所有下さい。お願い致します。尚、今回の整備工程にて撮影したいくつかの写真もご参照下さい。ご自身で整備可能な構造ですので、修理工程解説動画、ご希望でしたらその旨ご連絡下さい。
参考写真
納品に関しまして
※お願い・・・銀行お振込み頂きましたら、その旨メールにてお知らせ頂けますと幸いでございます。確認後速やかに納品させて頂きます。
発送方法 | クロネコ着払い便 |
送り状NO | 別途メールにて報告 |
配送状況 | お荷物追跡システム |
ご決済に関しまして
整備費 | 8,000円(税込) |
決済方法 | 銀行振り込み |
お願い | ご決済後メールにてお知らせ下さい |
お振込み先銀行
・みずほ銀行
・五香支店
・口座名義 一般社団法人 日本レンズ協会
・普通口座
・口座番号 1715154
ご縁ございましたら、今後もお付き合い・ご指導宜しくお願い申し上げます。
(一社)日本レンズ協会 代表理事 田斉 健輔