Carl Zeiss Distagon 28mm F2.8 修理報告

Carl Zeiss Distagon 28mm F2.8

今月は絞り羽の不具合に関する修理依頼が多かった印象があります。この症状は、同じ機種でも何の問題もおきない個体もあれば、絞り羽が解放のまま固着してしまう症状あ発生する個体もあり、ある機種だから起きるという訳でもない、少し不思議な症状になります。一般的なレンズは鏡胴内部に絞り羽ユニット機構とフォーカス調整機構が隣合わせで組み込まれている為、この様な症状の原因を誘発しますので、普段あまり気にしていない保管時の向きにも気を配って頂ければ、フォーカス調整機構螺旋状部からのグリスの流れが防止できると思います。

レンズ検査ご依頼までの流れ(経緯)

今回のご依頼はメールにて受け付けましたので、その内容を簡潔にまとめました。

メールにてのお問い合わせ

Carl Zeiss Distagon 28mm F2.8の絞が動かなくなりました。こうなる前によく見ると羽に油が染みていました。油が染みているのはイイのですが動かなくなると困ります。修理できるでしょうか?それと、レンズも汚れてきましたので併せてクリーニングしてもらいたいです。希望すれば修理の仕方を教えてくれると聞いたのですが可能でしょうか?気に入っている広角レンズですのでこれからも大切に使っていきたいです。

Carl Zeiss Distagon 28mm F2.8 付属品
Carl Zeiss Distagon 28mm F2.8 付属品

機種名Carl Zeiss Distagon 28mm F2.8
シリアルNO6934007
付属品前後キャップ、フィルター
課題(所有者さん見解)絞り羽根が動かなくなりました。

修理報告

絞り羽ユニット機構全てに付着していたフォーカス調整機構螺旋状部から流れ落ちた油分を含む汚れ除去しました。その動作は復元しています。只、この様な傾向になる個体は再び同じ様な症状になってしまう危惧を孕んでおります。又、絞り羽ユニット機構スプリングがかなり弱っています。この点ご了承下さい。併せて鏡胴内部全てのガラス玉表面に付着していたカビ・埃除去致しました。レンズ全体としての光学的なクリアー度は復元しています。点カビの一部が腐蝕カビで、除去後の腐蝕痕が若干ですが残ります。外観共に状態の良い個体です。今まで同様大切にご所有下さい。尚、別途ご案内致しました修理工程解説動画に関しましては、お時間ございます時に閲覧して頂きまして、ご質問等ございましたらいつでもお気軽にお問い合わせ下さい。又、ご自宅でできる簡易的な方法を動画で撮影しましたが、このコンテンツは当協会生徒さん教育用に配信させて頂きます。

Carl Zeiss Distagon 28mm F2.8 除去後
Carl Zeiss Distagon 28mm F2.8 除去後
Carl Zeiss Distagon 28mm F2.8 油分の付着
Carl Zeiss Distagon 28mm F2.8 油分の付着
Carl Zeiss Distagon 28mm F2.8 点カビ
Carl Zeiss Distagon 28mm F2.8 点カビ

自宅で可能な簡易的な処置

今後同じ様な症状になった場合の簡易的な処置方法

納品に関しまして

※お願い・・・銀行お振込み頂きましたら、その旨メールにてお知らせ頂けますと幸いでございます。確認後速やかに納品させて頂きます。

発送方法クロネコ着払い便
送り状NO別途メールにて記載
配送状況お荷物追跡システム

ご決済に関しまして

整備費15,000円(税込)
コンテンツ作成費15,000円(税込)
合計30,000円(税込)
決済方法銀行振り込み
お願いご決済後メールにてお知らせ下さい
お振込み先銀行

・みずほ銀行
・五香支店
・口座名義 一般社団法人 日本レンズ協会
・普通口座
・口座番号 1715154

山田 太郎の様にご記入下さい

ご縁ございましたら、今後もお付き合い・ご指導宜しくお願い申し上げます。
(一社)日本レンズ協会 代表理事 田斉 健輔

kensuke tasai と申します。 光学機器の修理を主たる業務としております。 関連コンテンツも並行して配信させて頂いておりますので、リクエストございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。