単焦点レンズの場合、レンズ鏡胴内部には駆動系部位として、絞り羽ユニット機構とフォーカス調整機構の二つの駆動系部位が組み込まれています。絞り羽ユニット機構は完全に乾いた状態がベストで、フォーカス調整機構は反対に、螺旋状部がグリスで濡れている状態を好みます。この相反した状態の機構が隣接して組み込まれている為、螺旋状部のグリスが、鏡胴内壁を伝わって絞り羽ユニット機構に流れ落ちてくる症状の個体が散見されます。
この様な症状のレンズは、一度油分を含んだ汚れを除去すれば動きは復縁しますが、この様な傾向が再発しやすい傾向を持っています。なので、修理後に納品した後に、再発した場合は、ご自宅でできる簡易的な方法でその都度整備して頂く必要があります。尚、絞り羽の固着は、スプリングに常時引っ張られている方向の解放状態で必ず固着してしまいます。
レンズ検査ご依頼までの流れ(経緯)
頂いたメール
日本レンズ協会様よろしくお願いいたします。CARL ZEISS JENA FLEKTOGON auto 2.4/35 MC絞り羽根が開放のまま絞りリングを回しても動きません。10年ほど前にも同じ症状で地元修理屋さんに直してもらったことがありました。
お返事メール
○○様、お問い合わせありがとうございます。この様な症状になるレンズは、こちらで処置しても、再度同じ症状になってしまう傾向があります。ご自宅でできる簡易的な整備をご協力できる様でしたら、一度初見させて頂きます。
(一社)日本レンズ協会 代表理事 田斉 健輔
頂いたメール
田斉様、是非一度見て下さい。明日にでも送ります。
お返事メール
レンズ送付の件、承知致しました。到着致しましたらその旨メールにてご報告致します。
(一社)日本レンズ協会 代表理事 田斉 健輔
機種名 | Carl Zeiss Jena DDR Flektogon auto 35mm F2.4 MC |
シリアルNO | 80788 |
付属品 | 前後キャップ |
課題(所有者さん見解) | 絞り羽根が開放のまま絞りリングを回しても動きません。 |
修理報告
お電話にてもお伝え致しましたが、この固体は絞り羽根ユニット機構駆動伝達部位が微妙にかみ合っていない為、その動作に斑(ムラ)が生じています。特に絞り羽調整ダイヤル【8】~【11】付近の位置が不安定な状態です。お問い合わせ段階の返信メールでも解説致しましたが、こちらと所有者さんで、その都度連絡を取り合って、状態維持を保っていくのが最善と判断致します。その際の、こちらからの指導は勿論無料ですので、所有者さんのご協力お願い致します。
今後、何かの拍子に必ず動作が緩慢になります。その際は、下記解説動画の様に、後ろ玉をユニット毎取り外して、絞り羽調整ダイヤル及び、【A】⇔【M】切り替えスイッチ等を弄って下さい。一時的にですが動作が復元します。その際、必要であればお近くのホームセンター等で、椅子の足に使う【ゴム治具】を入手して下さい。
特にCarl Zeiss Jena DDRの機種は、絞り羽ユニット機構周りの伝達部位が多すぎる為、良く起こる症状でございます。この様なレンズですので、宜しくお願い致します。尚、保管時のレンズの向きに関しましては、絞り羽ユニット機構が上にくる向きで保管をお願い致します。
解説補足動画
納品に関しまして
※お願い・・・銀行お振込み頂きましたら、その旨メールにてお知らせ頂けますと幸いでございます。確認後速やかに納品させて頂きます。
発送方法 | クロネコ着払い便 |
送り状NO | 4675-5252-8133 |
配送状況 | お荷物追跡システム |
ご決済に関しまして
整備費 | 13,000円(税込) |
決済方法 | 銀行振り込み |
お願い | ご決済後メールにてお知らせ下さい |
お振込み先銀行
・みずほ銀行
・五香支店
・口座名義 一般社団法人 日本レンズ協会
・普通口座
・口座番号 1715154
ご縁ございましたら、今後もお付き合い・ご指導宜しくお願い申し上げます。
(一社)日本レンズ協会 代表理事 田斉 健輔