Carl Zeiss Planar 50mm F2 修理報告

Planar（プラナー）とは平面」という意味合いで使われていて、Carl Zeiss Planar 50mm F2というレンズはその名のとおり、ある程度絞ると周辺減光がほぼなくなり、きちんと周辺まで解像する印象がある機種になります。懇意にしている写真家に聞くと、ボケ味を楽しむレンズではなく、ある程度絞ってスナップを撮るのに向いているというレンズになるそうです。元々は、マニュアルフォーカスのレンジファインダー用に作られているということもあり、コンパクトかつ軽量な点が持ち運びの際に便利だともいう。この機種の特徴として、カメラ接点側のレンズユニットにカビが付着している個体が多く、この部位の整備だけに限定すれば、付着物除去処置の所作はそんなに難しくないので、是非ご自宅で定期的に整備して頂き、良い状態を維持してもらえれば、今後何年も撮影の友として活躍してくれると思っています。

レンズ検査ご依頼までの流れ（経緯）

今回のご依頼はメールにて受け付けましたので、その内容を簡潔にまとめました。

最近、Carl Zeiss Planar 50mm F2というレンズを譲ってもらったのですが、何だか汚れている様なので、いい機会なので全体的に検査してもらって、オーバーオールをお願い致します。現状ではあまり撮影に影響はない様に見えますが、このレンズ本来の持ち味が出ていない様な気がします。整備して頂いた後は他のレンズと一緒に保管して大事に使っていきたいと思っています。

機種名	Carl Zeiss Planar 50mm F2
シリアルNO	2375295
付属品	ケース一体型リヤキャップ、フロントキャップ
課題（所有者さん見解）	いい機会なので全体的に検査してもらってオーバーオールをお願い致します。

修理報告

この個体は過去にどなたかが鏡胴内部にアクセスしています。絞り羽フィルム本体が除去されています。絞り羽収納BOXのみが存在しています。カビ等付着物は全て除去しました。前後玉表面に無数の擦れ傷があります。レンズが綺麗に復元した分、この傷が大変目立ちます。ご了承お願い致します。フォーカス調整機構固着に関してですが、動作復元しています。お電話にてもお伝えしましたが、絞り羽は解放状態限定でしか使用できない状態ですので、どうしてこの様な状態になったのかに関しましては、譲って頂いた方に聞いて下さい。マウントアダプターの中には、絞り羽濡ニット機構が組み込まれている物も販売されていますので、その様なものと組み合わせてみる事を推奨致します。所有者さんご自身でご判断お願い致します。又、今回の整備工程にて撮影した光学系付着物及びレンズ鏡胴内部の写真もご参照下さい。