Dallmeyer Serrac 10inch F4.5 修理報告

Dallmeyer Serrac 10inch F4.5レンズに限らず、光学機器は落下や水没はその一瞬で致命傷に至るケースが殆どです。今回ご依頼頂きましたレンズは、レンズ鏡胴先端部外周の大きな凹みの修復が順調に進みましたので何とかレンズ鏡胴内部にアクセスする事ができ、全てのレンズ表面に付着していたカビの除去処置が順調に施せました。レンズをカメラ本体に装着したまま、三脚ごと転倒させてしまうケースもありますので、実写時や移動時のレンズの取扱いには充分に留意して下さい。

レンズ検査ご依頼までの流れ（経緯）

今回のご依頼はメールにて受け付けましたので、その内容を簡潔にまとめました。

古いレンズの曇り除去クリーニングを是非お願いします。レンズはDallmeyer Serrac 10inch F4.5という機種になります。昔三脚ごと転倒せてしまった時に、レンズに大きな凹みを作ってしまいましたが、愛着があって今でも愛用しています。もしも可能でしたら、この凹みも何とか修復してもらえると助かります。又、絞り羽に油の様な染みが目立ってきましたので、この箇所も綺麗にして下さい。宜しくお願い致します。

機種名	Dallmeyer Serrac 10inch F4.5
シリアルNO	366436
付属品	前後キャップ
課題（所有者さん見解）	古いレンズの曇り除去クリーニングを是非お願いします

修理報告

鏡胴内部全てのレンズ表面に付着していた埃・カビ除去処置施しました。レンズ全体としての光学的なクリアー度は復元しています。只、レンズ表面に無数の擦れ傷があります。レンズが綺麗になった分、この擦れ傷が目立ちます。現在付着物はありませんが、未使用期間が長期化するとカビ等付着物が再発する可能性が高くなりますので、ご留意お願い致します。転倒によるレンズ先端部外周の大きな凹みに関しましては、該当箇所を叩く処置にて形状復元していますが、厳密には完全な円形ではありません。又、絞り羽ユニット機構に付着していた油分を含む汚れの除去処置も施しましたので、現状該当部位には付着物はありません。重量が重いレンズですので、今後は落下等には充分にご留意お願い致します。整備工程で何枚か写真を撮りましたので併せてご参照下さい。