レンズのどこかしらがガタついてきて最後には鏡胴が二つにバラバラになってしまう事が時々あります。そもそもレンズは普通に扱っていればそう簡単にはガタがくるものではありません。一番良くない管理の習慣として、移動中にレンズをカメラに付けたままで持ち運ぶ習慣です。自転車でも車でも同じなのですが小さな震動の積み重ねが、レンズのどこかの部位に少しづつ負担をかけます。そして、一番負荷がかかった部位に木ねじの様なものがあると、そこが少しずつ緩んでいきます。今回の修理依頼内容も原因はまさしくその様な背景がありました。
レンズ検査ご依頼までの流れ(経緯)
今回のご依頼はメールにて受け付けましたので、その内容を簡潔にまとめました。
ちょっとがたつくな、と思っていたところ、ある日急に内部が見えるほどガタツキがひどくなり、ねじが内側で外れ転がっている音が聞こえ始めました。きっとネジが外れたのだろうと思っていたら、フィルターと前玉の間にそのねじが出てきたのを見て、そのまま放置した次第です。なお、はずれないフィルターは破壊しても構いません。鏡胴が二つに分離寸前状態です。ここまで何もしなかったことを悔やんでいますがもし直るのであればお願い致します。
機種名 | Minolta MC W.Rokkor-SG 28mm F3.5 |
シリアルNO | 1224862 |
付属品 | フィルタ―(鏡胴本体から強制的に剥がす処置施しました) |
課題(所有者さん見解) | 鏡胴が二つに分離寸前状態 |
修理報告
結果と致しましては、鏡胴本体と先端筒部位の固定は復元しています。歪んで固着していたフィルター本体全部を剥がす処置を施し、課題解決の為の鏡胴内部へアクセスし、外れてしまっていた固定木ねじ×2本を締め直し、生きていたもう1本の木ねじの締め直し処置を施しました。その処置工程にて鏡胴本体先端部やや傷が付いております。又、フィルター自体が汚れていたので、初見段階では気が付きませんでしたが、フィルターとレンズ前玉の隙間で浮遊していた木ねじが付けたと思われる大き目の傷がレンズ中央にあり目立ちます。実写にはそれ程影響はないと判断致しますが、この点ご了承下さい。尚、今回の処置工程にて光学系付着物除去施しております。現状付着物はありません。お電話にてもお伝えしましたが、この様になってしまった主な原因は普段の何気ないレンズとカメラに対する習慣です。今後は光学機器の特徴を捉えて取扱いにもご留意下さい。木ねじは回転しながら緩んでくるのではなくて、軌道を壊して直線的に頭が出てくるので、その工程でネジ凹凸がつぶれてしまいますので、新たに締め直すにはネジ溝を新たに加工しなければいけないケースもあります。今回の処置でレンズとしてまた使用可能になりました。少し極端なケースでしたので、今回の整備工程は協会技術サポートとして共有させて頂きます。
修理工程解説動画
納品に関しまして
※お願い・・・銀行お振込み頂きましたら、その旨メールにてお知らせ頂けますと幸いでございます。確認後速やかに納品させて頂きます。
発送方法 | クロネコ着払い便 |
送り状NO | 別途メールにて記載 |
配送状況 | お荷物追跡システム |
ご決済に関しまして
整備費 | 20,000円(税込) |
決済方法 | 銀行振り込み |
お願い | ご決済後メールにてお知らせ下さい |
お振込み先銀行
・みずほ銀行
・五香支店
・口座名義 一般社団法人 日本レンズ協会
・普通口座
・口座番号 1715154
ご縁ございましたら、今後もお付き合い・ご指導宜しくお願い申し上げます。
(一社)日本レンズ協会 代表理事 田斉 健輔