HFTとはHFTコーティングという意味合いの略語だと推測しますが、この処置は当時のドイツで施されていました。HFTシリーズの仲間機種として、Rollei 35 RF レンジファインダーフイルムカメラ専用レンズとして、Rollei Planar 80mm F2.8 HFT と共に販売されていました。細かな年度に関しては解りませんが、カメラ本体とRollei Germany Sonnar 40mm F2.8 HFTとRollei Planar 80mm F2.8 HFTをセットで購入されていたRollei愛好家の方々がいらっしゃったのだろうと想像しています。
レンズ2種もカメラ本体も現在でも中古市場では人気がある様ですが、当協会の修理記録台帳を紐解く限りでは、Rollei Germany Sonnar 40mm F2.8 HFTという機種に関してはあまり出回っていない様な気がします。オールドレンズの位置付けとしては、まだ20年くらいしか経過していないので、新しい部類のレンズに入ると思っています。定期的な整備を施せば、撮影の友として充分に活躍してくれる機種ですので今後も大切にご所有下さい。
レンズ検査ご依頼までの流れ(経緯)
今回のご依頼はメールにて受け付けましたので、その内容を簡潔にまとめました。
湿気の多い地域で保管したことがあり、それなりにホコリとカビが確認できます。何とか綺麗にできる様でしたらお願い致します。Rollei Germany Sonnar 40mm F2.8 HFTというレンズですが、Rollei 35RF レンジファインダーフイルムカメラ本体は近所のカメラ屋さんに直してもらいましたが、レンズは無理と言われてしまいました。他にも不具合がありましたら併せてお願い致します。
機種名 | Rollei Germany Sonnar 40mm F2.8 HFT |
シリアルNO | 9251273 |
付属品 | フィルター |
課題(所有者さん見解) | 湿気の多い地域で保管したことがあり、それなりに ホコリとカビが確認できます |
修理報告
お電話にてもお伝え致しましたが、この固体はコーテイングが施された硝子部位が組み込まれているので、鏡胴内部全てのレンズ表面の付着物除去処置を施せません。今回は修理の範疇にて可能な処置のみとなります事、ご了承お願い致します。付着していたカビの種類は主に点カビと菌糸状カビでした。除去できました分、レンズ全体としての光学的なクリアー度は復元しています。只、付着していたカビの大半が腐蝕カビで、除去後の無数の腐蝕痕が随所に残ります。併せて、その構造上処置できなかったレンズ表面の付着物が目視的には目立ちます。処置後の【光束】総量は増えていますので、このレンズ本来の機能は向上しています。とても希少なレンズです。未試用期間が長期化しない様に、今まで同様大切にご所有下さい。尚、付属品のフイルターは使用限度に来ていると判断します。今回の整備を機にご検討下さい。又、整備工程にていくつかの処置前のレンズ鏡胴内部硝子表面付着物写真をUPしておきますので併せてご参照下さい。
整備前参考写真
納品に関しまして
※お願い・・・銀行お振込み頂きましたら、その旨メールにてお知らせ頂けますと幸いでございます。確認後速やかに納品させて頂きます。
発送方法 | クロネコ着払い便 |
送り状NO | 別途メールにて記載 |
配送状況 | お荷物追跡システム |
ご決済に関しまして
整備費 | 18,000円(税込) |
決済方法 | 銀行振り込み |
お願い | ご決済後メールにてお知らせ下さい |
お振込み先銀行
・みずほ銀行
・五香支店
・口座名義 一般社団法人 日本レンズ協会
・普通口座
・口座番号 1715154
納品後ご依頼者さんからのお礼のメール
田斉様。先程レンズが届きました。確認しましたが、想像以上に綺麗になっており実用が難しいものから実用が可能な状態になっていると直感的に感じました。頼んで良かったと思っております。大切に使っていきたいと思っております。今後も機会ございましたら宜しくお願い申し上げます。
ご縁ございましたら、今後もお付き合い・ご指導宜しくお願い申し上げます。
(一社)日本レンズ協会 代表理事 田斉 健輔