光や放射線がつくる像や影を固定する為に使用される材料全般の事を、写真感材というのですが、1934年に、この写真感材(Paper, Film, Chemical)の製造会社として発足したのが、FUJIFILMというメーカーでした。その後、光学硝子からレンズ・カメラの一貫製造に取り組み、数々の時代の銘レンズを生み出してきたFUJINONとして、今でも写真家の間で愛用されています。
光をつかまえるレンズ・カメラ、そしてレンズ・カメラのつかまえた光を受け止めるFILM。この二つの光学機器と科学を研究し続けてきた企業といえるのだと思います。こういう歴史的背景を持つFujinonは富士Filmのレンズブランドになります。今でも、デジタルカメラや双眼鏡、車載用レンズなど、様々な商品にFUJINONレンズが採用されています。特に、普段あまり馴染みのない世界ですが、テレビ制作の現場で使われている放送用レンズは、FUJINONレンズが大活躍しています。
レンズ検査ご依頼までの流れ(経緯)
今回のご依頼はメールにて受け付けましたので、その内容を簡潔にまとめました。
ご依頼者様から頂いたメール
Fujinon 55mm F2.2というレンズの整備をお願い致します。状態は、レンズがくすんできたのと、絞り羽がスムースに動かないのと、ピントリングが固くて撮影しにくくなってきた点です。レンズを修理にだすのは初めてですので、費用の相場感がわかりませんが、友人に聞いたところ、1万円はかかるんじゃないのといわれました。可能でしたらそれくらいで引き受けてもらえると助かります。大丈夫な様でしたらすぐにでも送付致します。宜しくお願い申し上げます。
今回お預かり致しました機種
機種名 | Fuji Photo Film Fujinon 55mm F2.2 |
シリアルNO | 560551 |
付属品 | フロントキャップ、フイルター |
課題(所有者さん見解) | 光学系付着物と駆動系検査 |
ご希望予算 | 10,000円くらい |
整備報告
先ず光学系付着物に関してですが、全てのレンズ表面に付着していた埃・カビ除去しました。レンズ全体としての光学的なクリアー度は復元しています。付着していた点カビと菌糸状カビが腐食カビで、除去後の無数の腐食痕が随所に残ります。特に後玉がその材質により非常に腐食痕が残り易く除去後の状態が見た目あまり状態が良くない復元状態となっています。レンズが綺麗に復元した分、この様な症状が目立ちます。ご了承下さい。又、フイルターはその品質上限界と判断致します。前玉保護用として御使い下さい。
次に駆動系部位に関してですが、フォーカス調整機構螺旋状部グリスが、少しづつですが流れ落ちてきています。汚れを巻き込んで、絞り羽ユニットBOXに付着していますので、念の為に除去処置施しておきました。しばらくは、快適に駆動すると思います。フォーカス調整機構に関しましては、関連螺旋状部が汚れていた状態で、使用していた為、螺旋状部に歪みが発生してしまっています。この金属の歪みは修理の範疇では復元できません。でき得る処置は施しましたが、トルク感にムラを感じると思います。今まで同様、今後も未試用期間が長期化しない様留意して、大切にご所有下さい。
納品に関しまして
※お願い・・・銀行お振込み頂きましたら、その旨メールにてお知らせ頂けますと幸いでございます。確認後速やかに納品させて頂きます。
発送方法 | クロネコ発払い便 |
送り状NO | 別途メールにて報告 |
配送状況 | お荷物追跡システム |
ご決済に関しまして
整備費 | 10,000円(税込) |
クロネコさん送料 | 和歌山県(一律)=1,040円(税込) |
決済方法 | 銀行振り込み |
合計 | 11,040円 |
お願い | ご決済後メールにてお知らせ下さい |
お振込み先銀行
・みずほ銀行
・五香支店
・口座名義 一般社団法人 日本レンズ協会
・普通口座
・口座番号 1715154
ご縁ございましたら、今後もお付き合い・ご指導宜しくお願い申し上げます。
(一社)日本レンズ協会 代表理事 田斉 健輔