Canon FDレンズとしては、Canon FD 50mm F1.4という機種も人気がありますが、このCanon Macro FD 50mm F3.5 という機種は同じ50mmでありながら接写が可能なレンズになります。私は光学機器の修理の分野に身を置く人間ですので、撮影に関しては詳しい知識はありませんが、この様なクローズアップレンズは時として必要になるケースがあります。懇意にしている写真愛好家の専門家に聞くと、FDマウントの他社製レンズとは一味違う色再現力と解像度を感じ、ピント・絞り環の節度感も良好で、透明感のある描写でF3.5ながらもボケ味も良いレンズだそうです。そして、23.2cm手前まで寄れるピント域と、逆にF32まで絞れる絞り値は物撮りの際には威力を発揮してくれる機種だそうです。
レンズ検査ご依頼までの流れ(経緯)
今回のご依頼はメールにて受け付けましたので、その内容を簡潔にまとめました。
Canon New Macro FD 50mm F3.5というレンズをヤフオクで購入したのですが、レンズ内部にカビがあり、除去したいと思っております・・・という趣旨のお問い合わせを頂きましたが、Macroという機種でFDマウントレンズの場合は修理が少し難易度が高く、15,000円というお見積もり額にて承知して頂いた形になります。ご無理を言いまして大変申し訳けございませんでした。ここに再度お詫びとお礼を申し上げます。
機種名 | Canon FD Macro 50mm F3.5 |
シリアルNO | 102166 |
付属品 | 前後キャップ |
課題(所有者さん見解) | レンズ内部にカビがあり、除去したいと思っております |
修理報告
レンズ鏡胴内部全てのガラス玉表面に付着していた埃・カビ全て除去しました。レンズ全体としての光学的なクリアー度は復元しています。処置前の光束総量を30とすると、処置後状態が復元した値は95くらいまで明るく復元しています。光束総量とは、レンズ対物側から入ってきた光がカメラ本体素子に届く量の事を指します。解放F値3.5という規格のレンズですが、この固体特有の持ち味が再現できる状態になったと感じています。付着していたカビの種類は、主に点カビと菌糸状カビでした。現状全て除去できていますが、カビの一部が腐蝕カビで、除去後の腐蝕痕が随所に残ります。お電話ににてもお伝えしましたが、レンズが綺麗になった分、この様な症状が目立ちます。この点改めてご了承お願い申し上げます。絞り羽ユニット機構及びフォーカス調整機構の駆動系問題ありません。今後も大切にご所有下さい。今回の処置で付着物はない状態ですので、しばらくは問題なく撮影できると思います。レンズ整備工程で何枚か写真を撮りましたので併せてご参照下さい。
納品に関しまして
クロネコさんコレクト=代引きシステムにてご決済ご希望という事ですので、発送準備でき次第速やかに発払いにて発送させて頂きます。
発送方法 | クロネコ発払い便 |
送り状NO | 3795-8764-3444 |
配送状況 | お荷物追跡システム |
ご決済に関しまして
整備費 | 15,000円(税込) |
決済方法 | 代引き |
コレクト手数料 | 330円(内消費税30円) |
送料 | 片道づつ相互負担 |
合計金額 | 15,330円 |
ご縁ございましたら、今後もお付き合い・ご指導宜しくお願い申し上げます。
(一社)日本レンズ協会 代表理事 田斉 健輔