今回修理ご依頼のあったCarl Zeiss Planar 50mm F1.4というレンズに限らず、全ての光学機器は落下等の衝撃で一瞬で光学機器としての機能が失われるケースがあります。水没も然りなのですが、壊れてしまった機能を修理の範疇で復元するのは限界があります。完全復元を目指すのであればやはり該当部位の交換を要しますが、遜色のない同規格部位の入手が困難なのも実情で、それが可能になったとしても修理費用が高額になってしまいます。普段からの光学機器の保管や持ち運びの際に留意してほしい事柄をサイト最後に動画で解説しましたので参考にして下さい。
レンズ検査ご依頼までの流れ(経緯)
今回のご依頼は電話にて受け付けましたので、その内容を簡潔にまとめました。
レンズを落としてしまい、絞りが変わらなくなってしまいました。絞りのダイヤルは動くのですが、ずーっと絞った状態です。ダイヤルを1.4にあわせても16にあわせても後ろのボケ方が変りません。本当にうかつでした。とても大事にしているレンズなので何とか修理できないでしょうか?あまり予算はかけられませんがズーット愛用してきたレンズなので諦められないでいます。宜しくお願い致します。
機種名 | Carl Zeiss Planar 50mm F1.4 |
シリアルNO | 6877155 |
付属品 | 前後キャップ、アダプター |
課題(所有者さん見解) | レンズを落としてしまい、絞りが変わらなくなってしまいました |
修理報告
先日はお電話にてのやりとりありがとうございました。その際の説明と内容は一緒になりますが、落下の衝撃はその一瞬で致命傷に至るケースが殆どです。その衝撃の大きさにもよりますが、今回の個体も駆動系2か所が壊れてしまっています。何とか絞り羽フィルム本体に動きが伝達するレベルには復元できていますが、駆動の安定感は全く望めません。フォーカス調整機構も壊れてしまっていますので、焦点距離によってその都度絞り羽調整機構にズレが生じてしまいます。一見動いている様に見える絞り羽がフォーカス調整ダイヤルを回すと駆動しなくなります。被写体に合わせてその都度調整し直す必要があります。又、一見動いているこのユニットはいつか絞り羽フィルムがバラバラになる危惧を孕んでいます。その時はユニット機構からフィルムを全て撤去する処置が必要です。その場合この個体は【開放状態】のみの仕様になります。その際は、絞り羽ユニット機構が組み込まれた特別なアダプターを入手して頂き、絞りはそのアダプター側で調整する仕様にして実写して頂きます様ご提案させて頂きたいと思います。その時は無償で絞り羽フイルム本体を全て取り除きます。今後も落下・水没等には充分にご注意ください。
落下による問題を起こさない様にする為に
納品に関しまして
※お願い・・・銀行お振込み頂きましたら、その旨メールにてお知らせ頂けますと幸いでございます。確認後速やかに納品させて頂きます。
発送方法 | クロネコ着払い便 |
送り状NO | 別途メールにて記載 |
配送状況 | お荷物追跡システム |
ご決済に関しまして
整備費 | 18,000円(税込) |
決済方法 | 銀行振り込み |
お願い | ご決済後メールにてお知らせ下さい |
お振込み先銀行
・みずほ銀行
・五香支店
・口座名義 一般社団法人 日本レンズ協会
・普通口座
・口座番号 1715154
ご縁ございましたら、今後もお付き合い・ご指導宜しくお願い申し上げます。
(一社)日本レンズ協会 代表理事 田斉 健輔