Leitz Wetzlar Elmar-C 90mm F4という機種は、Leitz CL用のレンズとして、カメラ本体と同時に当時発売されました。CLはコンパクトライカの略なのですが、その為レンズ自体もコンパクトに設計されています。この機種の修理の分野での特徴としては、カメラ接点側レンズユニットに組み込まれている硝子玉が白濁し易い傾向にあります。その原因は点カビの付着ですので、光学系付着物を除去すればレンズ全体としてのクリアー度は復元します。構造がシンプルなので、同じ機種を所有している方は、ご自宅で定期的に整備して頂く事を推奨させて頂きます。
レンズ検査ご依頼までの流れ(経緯)
今回のご依頼はメールにて受け付けましたので、その内容を簡潔にまとめました。
後玉のカビ、前群の曇り、バルサム切れか?どうかは解りませんが、大切にしていたレンズを綺麗にして欲しくてメールしました。Leitz Wetzlar Elmar-C 90mm F4という表記があるレンズになります。絞り羽等の駆動系は問題ないと思います。ネットで調べると、カビの腐蝕痕が残るという記事もありましたが、修理の範疇で綺麗になればあまり細かな事は気にしませんので宜しくお願い致します。
機種名 | Leitz Wetzlar Elmar-C 90mm F4 |
シリアルNO | 2603849 |
付属品 | 前後キャップ |
課題(所有者さん見解) | 後玉のカビ、前群の曇り、バルサム切れか?どうかは解りません。 |
修理報告
鏡胴内部全てのレンズ表面に付着していた埃・カビ除去しました。レンズ全体としての光学的なクリアー度は復元しています。鏡胴内部を目視した時に白濁して見えていた主な原因は中玉レンズユニットに付着していた雲状カビでした。今回の処置にて、鏡胴内部を通過してカメラ本体に届く【光束】総量はかなり増加していますが、付着していた点カビが腐蝕カビで、除去後の腐蝕痕が随所に残ります。又、前玉レンズ表面に擦れ傷もございます。レンズが綺麗に復元した分、この様な症状が目立ちますが、この点ご了承お願い致します。外観・駆動系共に状態の良い個体です。未使用期間が長期化しない様に留意して頂き、今まで同様大切にご所有お願い致します。今回の整備工程にて撮影した光学系付着物及びレンズ鏡胴内部の写真もご参照下さい。
参考写真
納品に関しまして
※お願い・・・銀行お振込み頂きましたら、その旨メールにてお知らせ頂けますと幸いでございます。確認後速やかに納品させて頂きます。
発送方法 | クロネコ着払い便 |
送り状NO | 別途メールにて報告 |
配送状況 | お荷物追跡システム |
ご決済に関しまして
整備費 | 15,000円(税込) |
決済方法 | 銀行振り込み |
お願い | ご決済後メールにてお知らせ下さい |
お振込み先銀行
・みずほ銀行
・五香支店
・口座名義 一般社団法人 日本レンズ協会
・普通口座
・口座番号 1715154
納品後、依頼者様からお礼のメールを頂きました
2021年3月22日(月)
日本レンズ協会 田斉様
早速お手配頂きありがとうございました。本日、レンズがとても綺麗な状態になって戻ってきまして喜んでおります。今後はなるべく頻繁に使っていきたいと思います。又の機会がありましたら是非宜しくお願い致します。
こちらこそ、ご縁ございましたら今後もお付き合い・ご指導宜しくお願い申し上げます。
(一社)日本レンズ協会 代表理事 田斉 健輔