カメラ業界はミラーレス機の時代になりましたが、昔のオールドレンズとの組み合わせで撮影を楽しむ写真家の方も増えてきました。マウントアダプターのお蔭で、オールドレンズを手軽に使える様になりました。昔はNikonユーザーは不変のFマウント=プラチカルマウントでオールドニッコールを使用していましたが、Nikon以外のミラーレスユーザーも様々な組み合わせで、オールドNikkorレンズをを手軽に使える様になりました。NIKKOR 50mm F1.4は1962年から現在まで59年間も販売が続く大人気レンズの一種で、マウントの変更もなくそれだけ長い間販売されてきましたが、このレンズには多くの種類が存在し、その区別に関しては、かなり紛らわしいのが実情です。あまりにも種類が多いのですが、大きな変更(モデルチェンジ)のあったのは9種類で、実際には細かい変更(マイナーチェンジ)を含めると全部で約20種類も存在します。修理の分野からの見解ですが、沢山ある種類でも、レンズの基本的な構造に大きな変化はない様に感じられます。
レンズ検査ご依頼までの流れ(経緯)
今回のご依頼はメールにて受け付けましたので、その内容を簡潔にまとめました。
かなり酷いカビ?曇りなどもあって早めに対処したいので本日出荷します。レンズはNippon Kogaku Nikkor-S Auto 50mm F1.4です。久しぶりに使おうと思ったら、こんな有様で、絞り羽も動かない様です。反省しています。修理の範囲で復元させてあげて下さい。検査して直る個所は全てお願い致します。思い入れのあるレンズですので、費用はいくらかかっても構いませんので宜しくお願い致します。
機種名 | Nippon Kogaku Nikkor-S Auto 50mm F1.4 |
シリアルNO | 825511 |
付属品 | 前後キャップ |
課題(所有者さん見解) | かなり酷いカビ?曇りなどもあって早めに対処したい。 |
修理報告
光学系付着物に関しましては、鏡胴内部全てのレンズ表面に沢山のカビが付着していました。カビの種類は主に点カビと菌糸状カビでした。全て除去できていますので、レンズ全体としての光学的なクリアー度は復元しています。お電話にてもお話致しましたが、カビの付着期間が相当に長かったと推測致しますが、除去後の無数の腐蝕痕が随所に残ってしまいます。点カビは点の形で、菌糸状カビは菌糸状の姿で目視できます。鏡胴を覗いた際、この様な一種の傷が目視できますが、この点ご了承下さい。鏡胴内部を通過してカメラ本体に届く【光束】総量は処置前≒20としますと、処置後≒80位の数値には復元しています。【見た目】的にはカビ本体そのものと、除去後の腐蝕痕の見分けはつき難いと思いますが、実写に際してのレンズ本来の機能は復元しております。駆動系、絞り羽ユニット機構も修理の範疇で整備しました。フォーカス調整機構に関しましては関連螺旋状部が使用限界を超えていますので、今後の使用に際しましては、この点ご配慮頂きまして、大切にご所有お願い致します。初見時は手遅れ感が否めな状態でしたが、何とか実写には耐えうる状態までには復元したと感じております。又、今回の整備工程にて撮影した光学系付着物及びレンズ鏡胴内部の写真もご参照下さい。又、今回の整備工程にて撮影した光学系付着物及びレンズ鏡胴内部の写真もご参照下さい。
参考写真
納品に関しまして
※お願い・・・銀行お振込み頂きましたら、その旨メールにてお知らせ頂けますと幸いでございます。確認後速やかに納品させて頂きます。
発送方法 | クロネコ着払い便 |
送り状NO | 別途メールにて報告 |
配送状況 | お荷物追跡システム |
ご決済に関しまして
整備費 | 12,000円(税込) |
決済方法 | 銀行振り込み |
お願い | ご決済後メールにてお知らせ下さい |
お振込み先銀行
・みずほ銀行
・五香支店
・口座名義 一般社団法人 日本レンズ協会
・普通口座
・口座番号 1715154
ご縁ございましたら、今後もお付き合い・ご指導宜しくお願い申し上げます。
(一社)日本レンズ協会 代表理事 田斉 健輔