旭光学さんのレンズは、機種的に沢山の種類が存在しますが、修理依頼を受ける機会はとても少ないです。お問い合わせ時の、当協会の整備費用の見積もり額の高さがその原因の一つなのかな?と反省していますが、焦点距離・解放F値の違いで様々な機種があっても、中古市場において、一万円前後で入手できるので、購入費と修理費を比較すると、手持ちの個体を修理するのか?新たに購入するのか?を比較・検討するのが一般的だからだと思っています。
なので、このメーカーさんの機種を5,000円(税込)以下で整備している業者さんは、その整備費用の適正さを理解されているのだと思います。そんなレンズ群の中で、今回お預かり致しました、Super-Multi-Coated Takumar 85mm F1.8というモデルは、旭光学さんのレンズ群の中では、高価な価格帯で取引きされている様です。
当協会の過去の修理記録台帳を紐解きますと、Takumar 83mm F1.9、Super-Takumar 85mm F1.9等の記事記録が残っていますので、中望遠レンズもいくつか種類がある様です。第1次世界大戦終結の年である1919年=大正8年に福岡県出身の創業者・梶原熊雄氏により開設された旭光学工業合資会社を前身とする、旭光学さんの歴史の歩みが生んだ賜物だと、私自身はその歴史の長さに感銘を受けています。
レンズ検査ご依頼までの流れ(経緯)
今回のご依頼はメールにて受け付けましたので、その内容を簡潔にまとめました。
Pentax Super-Multi-Coated Takumar 85mm F1.8という長い間探していたレンズをやっと手に入れる事が出来ました。レンズを覗くと素人目にもカビだらけなのがわかります。絞りやピントの機能は解らないので、そちらで見てもらって、直しておいた方がいい個所もお願い致します。2万円くらいでお願いできれば助かります。週明けにでもそちらに郵送しますので宜しくお願い致します。
今回お預かり致しました機種
機種名 | Pentax Super-Multi-Coated Takumar 85mm F1.8 |
シリアルNO | 5692520 |
付属品 | 前後キャップ、フイルター |
課題(所有者さん見解) | 付着物除去・駆動系検査 |
希望整備価格 | 20,000円(税込) |
整備報告
鏡胴内部全てのレンズ表面に付着していた埃・カビ除去しました。処置前の現状ですと、付着していたカビの影響で、レンズ全体が雲っていて、この固体本来の【光束】量がかなり少ない状態でした。処置後のレンズ全体としての光学的なクリアー度は復元しています。
メールでのご所見ですと、【カビは一面~二面】との内容報告でしたが、鏡胴内部全てのレンズ表面に付着が確認できました。カビの付着期間が相当に長期化していたのが原因で、付着していた点カビと菌糸状カビが腐食カビしたので、無数の除去後の腐食痕が随所に残ります。この点、ご了承お願い致します。特に、大きな菌糸状カビの除去後の腐食痕がとても目立ちます。
レンズが綺麗になった分、この様な腐食痕が気になってしまいますが、部位交換をする事無く、修理の範疇で対応できる、限界ですのでご了承下さい。又、付属品のフイルターは使用限界を迎えています。前玉保護の目的では使用可能ですが、今回の整備を機にご検討下さい。レンズ等光学機器は、未試用期間が長期化すると、随所に支障をきたします。今まで同様今後も大切にご所有下さい。整備工程にて撮影したいくつかの写真UPしておきますので、併せてご参照下さい。
参考写真
納品に関しまして
※お願い・・・銀行お振込み頂きましたら、その旨メールにてお知らせ頂けますと幸いでございます。確認後速やかに納品させて頂きます。
発送方法 | クロネコ着払い便 |
送り状NO | 別途メールにて報告 |
配送状況 | お荷物追跡システム |
ご決済に関しまして
整備費 | 18,000円(税込) |
クロネコさん送料 | 依頼者さんご負担 |
決済方法 | 銀行振り込み |
合計 | 18,000円 |
お願い | ご決済後メールにてお知らせ下さい |
お振込み先銀行
・みずほ銀行
・五香支店
・口座名義 一般社団法人 日本レンズ協会
・普通口座
・口座番号 1715154
ご縁ございましたら、今後もお付き合い・ご指導宜しくお願い申し上げます。
(一社)日本レンズ協会 代表理事 田斉 健輔