Canon 50mm F1.2 修理報告

Canon 50mm F1.2

修理ご依頼時にバルサムという言葉を聞きますが、全てのレンズが合成レンズを使用している訳ではありません。レンズ鏡胴内部を覗くと、白く濁って見える症状は、レンズ鏡胴内部に組み込まれているガラス玉表面の付着物が原因のケースも多いです。合成レンズ貼り合わせ面にておきている現象なのかどうかの区別は、一般の方には少し難しい判断になると思います。もしも、白濁の原因が合成レンズ貼り合わせ面にておきている場合は、その復元の為には遜色のない同規格部位交換が必要になります。天然樹脂素材流動性粘着物の劣化による白濁に関しましては、詳細科学的にまだ解明されていません。

レンズ検査ご依頼までの流れ(経緯)

今回のご依頼はメールにて受け付けましたので、その内容を簡潔にまとめました。

メールにてのお問い合わせ

バルサム切れのレンズ汚れとヘリコイドが重いです(一応回ります)。OH可能ですか?また金額はどのくらいかかりますか?古いレンズですが気に入っています。何とか綺麗にして下さい。バルサム切れのレンズは修理が難しいと聞きましたが、可能でしょうか?現状は白く白濁しているので、実写すると影響が出ている状態です。完全には綺麗にならなくても今よりも少しでも綺麗になればありがたいですのでお願い致します。

Canon 50mm F1.2 付属品
Canon 50mm F1.2 付属品
機種名Canon 50mm F1.2
シリアルNO29443
付属品前後キャップ 、アダプター
課題(所有者さん見解)バルサム切れのレンズ汚れとヘリコイドが重いです。

修理報告

鏡胴内部全てのレンズ表面に付着していた埃・カビ除去しました。レンズ全体としての光学的なクリアー度は復元しています。カビの種類は主に点カビ、雲状カビ、菌糸状カビでした。付着していた点カビが腐蝕カビで、除去後の腐蝕痕が残ります。ご了承下さい。復元状態はいいので、実写に際しての支障は大分緩和されると推測致します。絞り羽ユニット機構の駆動の重さに関しましては、関連動作伝達部位の一部に歪みが発生しています。この課題を解決するには、遜色のない同規格部位交換を要しますが、現在当協会にはその部位の在庫がございません。この点もご了承お願い致します。レンズ整備工程で何枚か写真を撮りましたので併せてご参照下さい。

Canon 50mm F1.2 順番に検査
Canon 50mm F1.2 順番に検査
Canon 50mm F1.2 点カビと埃
Canon 50mm F1.2 点カビと埃
Canon 50mm F1.2 点カビ
Canon 50mm F1.2 点カビ
Canon 50mm F1.2 白濁
Canon 50mm F1.2 白濁

納品に関しまして

※お願い・・・銀行お振込み頂きましたら、その旨メールにてお知らせ頂けますと幸いでございます。確認後速やかに納品させて頂きます。

発送方法クロネコ着払い便
送り状NO別途メールに記載
配送状況お荷物追跡システム

ご決済に関しまして

整備費15,000円(税込)
決済方法銀行振り込み
お願いご決済後メールにてお知らせ下さい
お振込み先銀行

・みずほ銀行
・五香支店
・口座名義 一般社団法人 日本レンズ協会
・普通口座
・口座番号 1715154

山田 太郎の様にご記入下さい

ご縁ございましたら、今後もお付き合い・ご指導宜しくお願い申し上げます。
(一社)日本レンズ協会 代表理事 田斉 健輔

kensuke tasai と申します。 光学機器の修理を主たる業務としております。 関連コンテンツも並行して配信させて頂いておりますので、リクエストございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。