私は修理の世界に身を置く人間なので、撮影の細かい領域に関しては多くを語れませんが、Canon Macro FD 50mm F3.5という機種は、接写用のマクロレンズになります。Canon FDシリーズの愛好家は多く、Canon FD 50mm F1.4という機種と撮影シーンに合わせて使い分けている事がある様です。懇意にしている写真家の方に聞くと、たしかにF1.4のもつレンズの明るさによるアドバンテージは無いですが、23.2cm手前まで寄れるピント域と、逆にF32まで絞れる絞り値は実写の際には威力を発揮してくれるのだそうです。修理の角度からこの機種を診断すると、アラス玉を含む全ての部位が小さくて、その点が扱い難さという意味で、難易度が少し高くなるのは事実です。
レンズ検査ご依頼までの流れ(経緯)
今回のご依頼はメールにて受け付けましたので、その内容を簡潔にまとめました。
CANON FDレンズ修理依頼
1.NEW FD 50mm f1.4 レンズクリーニング 絞り、ピントリングはスムーズに動いています。レンズが汚れているのでクリーニングを希望します。
2.NEW FD50mmマクロf3.5 レンズクリーニング 絞り、ピントリングはスムーズに動いています。レンズが汚れているのでクリーニングを希望します。以前NIKKOR 28mmf3.5 2本を修理して頂きまして使用中です。
機種名 | Canon FD 50mm F3.5 付属品 |
シリアルNO | 40240 |
付属品 | 前後キャップ |
課題(所有者さん見解) | レンズが汚れているのでクリーニングを希望します。 |
修理報告
レンズ鏡胴内部全てのガラス玉表面に付着していた埃・カビ除去処置施しました。レンズ全体としての光学的なクリアー度は復元しています。付着していた主なカビの種類は、点カビと菌糸状カビでした。レンズが対物側から入ってきて、カメラ本体の素子に届く光の総量を新品時=100とすると、処置前はこの数値が40くらいでしたが、処置後は90くらいの数値までに復元しています。カビ除去後の腐蝕痕も比較的少なく、良い状態に復元したと感じています。只、検査段階でお電話にてもお話ししましたが、レンズの擦れ傷が随所に付いている為に、この傷と付着物の区別が全ての部位が小さいことも関係して、見た目的には処置前後の状態差が把握しにくいと思います。この点ご了承お願い致します。今後、ご自身でレンズ表面をクリーニングする機会がございましたら、対物側レンズ表面はかなり奥にありますので、木製トングの様な治具で専用クリーニングペーパーに溶剤を染みこませてクリーニングして頂きます様ご協力お願い致します。
アリ地獄の様な形状をしているマクロ仕様レンズは、どうしてもこの部位が汚れがちになります。外観・駆動系共に状態の良いレンズです。今まで同様今後も大切にごい所有下さい。
整備前レンズ付着物写真
納品に関しまして
※お願い・・・銀行お振込み頂きましたら、その旨メールにてお知らせ頂けますと幸いでございます。確認後速やかに納品させて頂きます。
発送方法 | クロネコ着払い便 |
送り状NO | 別途メールにて記載 |
配送状況 | お荷物追跡システム |
ご決済に関しまして
整備費 | 7,500円(税込) |
決済方法 | 銀行振り込み |
お願い | ご決済後メールにてお知らせ下さい |
お振込み先銀行
・みずほ銀行
・五香支店
・口座名義 一般社団法人 日本レンズ協会
・普通口座
・口座番号 1715154
ご縁ございましたら、今後もお付き合い・ご指導宜しくお願い申し上げます。
(一社)日本レンズ協会 代表理事 田斉 健輔