この機種の様に、Canonのレンズにはマウント形状がFLというタイプがあります。その後FDマウントに移行するのですが、このマウントタイプは、バヨネット式マウントとスピゴット式マウントに分類されます。この点が少しややこしく感じる要素なのでしょう。
そして、絞り羽調整ダイヤルにも特徴があって、前玉側に2段付いていて、銀色の部分が一般的な普通のクリック型絞りリングで、その下の白いドットが有る絞りリングがフリー型プリセット絞りと呼ばれる機構になってます。
今回の修理ご依頼内容は、光学系付着物とフォーカス調整機構と絞り羽ユニット機構全ての復元でしたが、修理の範疇ででき得る処置は全て施しました。二つの駆動系の現状は、手遅れ感が否めない末期症状でしたが、光学系付着物はそれと比べると、比較的きれいな状態でした。
レンズ検査ご依頼までの流れ(経緯)
今回のご依頼はメールにて受け付けましたので、その内容を簡潔にまとめました。
絞り羽根に油膜あり、動作が粘っています。ヘリコイドは重くて上手くピントが合いません。何れも正常ではないと思います。光学もそれなりに汚れ等があると思います。市場価格的には、安く入手できるのですが、思い入れのあるレンズで、今まで放置していた事を後悔しています。10,000円くらいで整備できる様でしたら、今後も使える状態にして下さい。仕上がり具合に関しては、決して完璧を求めませんので、宜しくお願いします。
機種名 | Canon FL 35mm F2.5 付属品 |
シリアルNO | 16098 |
付属品 | 前後キャップ |
課題(所有者さん見解) | 絞り羽根に油膜あり、動作が粘っています。 ヘリコイドは重くて上手くピントが合いません。 |
修理報告
先ず、絞り羽ユニット機構に関してですが、付着していた油分を含む汚れ除去できています。処置後の現状、問題なく動作作動しております。只、関連スプリングが使用限界を超えていたり、油が付着しやすい個体の原因が完全には解明されておりませんので、復元した動作がいつまで保てるかに関しましては保障できません。
次に、フォーカス調整機構トルク感に関してですが、関連螺旋状部に付着していた汚れの除去及び再グリスUP処置施しました。絞り羽ユニット機構との関連性も考慮したグリスの種類になります。復元したトルク感は人により嗜好が違いますので、どこまでお好みの感覚に仕上がったかは難しい課題です。
最後に、光学系付着物についてですが、鏡胴内部全てのレンズ表面に付着していた埃・カビ除去しました。レンズ全体としての光学的なクリアー度は復元していますが、レンズが綺麗になった分、除去後の腐蝕痕跡及びもとから付いてしまっていた無数の擦れ傷等が目立ちます。以上、諸々の症状ご了承お願い致します。外観共に状態の良い個体です。今まで同様大切にご所有下さい。又、今回の整備工程にて撮影した光学系付着物及びレンズ鏡胴内部の写真もご参照下さい。
参考写真
納品に関しまして
※お願い・・・銀行お振込み頂きましたら、その旨メールにてお知らせ頂けますと幸いでございます。確認後速やかに納品させて頂きます。
発送方法 | クロネコ発払い便 |
送り状NO | 別途メールにて報告 |
配送状況 | お荷物追跡システム |
ご決済に関しまして
整備費 | 15,000円(税込) |
クロネコさん送料 | 神奈川県(一律)=930円(税込) |
決済方法 | 銀行振り込み |
合計 | 15,930円 |
お願い | ご決済後メールにてお知らせ下さい |
お振込み先銀行
・みずほ銀行
・五香支店
・口座名義 一般社団法人 日本レンズ協会
・普通口座
・口座番号 1715154
ご縁ございましたら、今後もお付き合い・ご指導宜しくお願い申し上げます。
(一社)日本レンズ協会 代表理事 田斉 健輔