Carl Zeiss Tessar T* 45mm F2.8 修理記録

Carl Zeiss Tessar T* 45mm F2.8という機種は、写真家の間では鷹の目レンズとして親しまれている、とてもコンパクトなレンズ＝パンケーキレンズになります。私は写真家ではないので、映りに関しましては何一つ言及できませんが、その重さ＝90g、レンズ鏡胴の厚み＝18mmですから、気軽な携帯性も魅力の一つなのだと思います。レンズの構造的には、硝子部位の多層膜コーティング技術が生かされている機種で、その証としてT*という刻印が銘柄版に表記されています。

従来のコーティング技術を施したZeissレンズがＴマークで識別されていましたが、多層膜を施した新しい規格として、Ｔマークに＊を付けてＴスターという称号をもつ様になりました。＊の意味は進化するという意味と、レンズが星のように輝いて欲しいという願いが込められているといいます。

当協会に時々修理依頼がある、同じ機種の2002年に限定生産された記念モデルレンズもあります。Carl Zeiss社のTessarタイプレンズが誕生してから100周年を迎えるのを記念して製造されたモデルになります。構造的には大きな違いはありませんが、外観ですぐに見分けがつきます。

二つを並べてみても、そのコンパクトさがよくわかります。

今回はこの様な特徴をもつレンズをお預かりする事になりました。今まで整備してきた同機種の共通点なのですが、白濁して目視できる原因の殆どが、絞り羽ユニット機構のリヤ側の小さな硝子部位表面に付着したカビが主な原因になります。なので、この硝子部位表面の付着物だけでも除去できれば、相当にクリアー度は復元できますので、ご自宅で充分に整備可能です。

レンズ検査ご依頼までの流れ（経緯）

今回のご依頼はメールにて受け付けましたので、その内容を簡潔にまとめました。

今回お預かり致しました機種

整備報告

レンズ鏡胴内部に組み込まれている、全てのガラス部位表面に付着していた埃・カビ除去しました。レンズ全体としての光学的なクリアー度はかなり復元しています。お電話にてもお話し致しましたが、この機種は、リヤ側硝子部位の絞り羽ユニット方向の片側表面に付着物が付きやすいという特徴があります。

Zoomでも解説しました様に、汚れが気になり始めましたら、お伝え致しました手順で、ご自宅にても整備できますので、納品後の所有に関しまして、ご検討下さい。不明点ございましたら、その都度お気軽にお問い合わせ下さい。この硝子部位のクリーニングだけでも相当にクリアー度は復元すると思います。

絞り羽ユニット機構に関しましては、フォーカス調整機構螺旋状部グリスが汚れを巻き込みながら付着していましたので、除去処置施しております。その駆動は滑らかに復元しております。レンズ鏡胴外観・駆動系・光学系共にとても状態の良い個体に蘇りました。今まで同様。今後も大切にご所有下さい。

納品に関しまして

※お願い・・・銀行お振込み頂きましたら、その旨メールにてお知らせ頂けますと幸いでございます。確認後速やかに納品させて頂きます。

発送方法	クロネコ発払い便
送り状NO	別途メールにて報告
配送状況	お荷物追跡システム

ご決済に関しまして

整備費	15,000円（税込）
クロネコさん送料	群馬県（一律）＝930円（税込）
決済方法	銀行振り込み
合計	15,930円
お願い	ご決済後メールにてお知らせ下さい

ご縁ございましたら、今後もお付き合い・ご指導宜しくお願い申し上げます。
（一社）日本レンズ協会 代表理事 田斉 健輔