Ernst Leitz GmbH Wetzlar Summicron 5cm F2 修理報告

Ernst Leitz GmbH Wetzlar Summicron 5cm F2レンズに限らず、絞り羽ユニット機構の調整ダイヤルトルク感が重いという症状は他の機種でも報告されています。原因が調整ダイヤル部位に付着した経年の汚れであれば、その付着物を除去する事で課題が解決するケースはあります。それ以外の原因の場合は多くの場合、原因となっている遜色のない同規格部位交換を要すケースが多いです。今回ご依頼のケースは調整ダイヤル周りに付着した汚れを除去する事で課題は解決しました。

レンズ検査ご依頼までの流れ（経緯）

今回のご依頼はメールにて受け付けましたので、その内容を簡潔にまとめました。

絞りリングが固く、強く回せばやっと回る。レンズに薄い曇り有り。クリーニングが必要か？こんな状態のレンズで機種はErnst Leitz GmbH Wetzlar Summicron 5cm F2です。あまりにも固く撮影していて困っています。もしも、この問題が解決できるのであれば修理して欲しい。沈胴部分に関しては問題はない。お返事頂ければ幸いである。可能であれば併せて費用を見積もって頂きたい。

*Ernst Leitz GmbH Wetzlar Summicron 5cm F2 付属品*

機種名	Ernst Leitz GmbH Wetzlar Summicron 5cm F2
シリアルNO	1281700
付属品	フロントキャップ
課題（所有者さん見解）	絞りリングが固く、強く回せばやっと回る。レンズに薄い曇り有り。

修理報告

固く固着していた絞り羽ユニット機構動作は復元しています。只、そのトルク感に関しましては、人により嗜好がございますので、どこまでお好みの感覚に仕上げられたかは不安が残ります。又、お電話にてお伝え致しましたが、関連機構部位（リング）が紛失しております。同時に関連ダイヤル部位位置関係がずれております。推測になりますが、この固体は過去にどなたかが弄った形跡が随所に残っています。この様な点ご了承下さい。今回の処置工程にて鏡胴内部全てのレンズ表面に付着していた埃・カビ除去致しました。レンズ全体としての光学的なクリアー度は復元しています。レンズ表面に無数の擦れ傷があります。レンズが綺麗になった分この様な症状が目立ちます。この点もご了承お願い致します。今回の整備の途中で写真をいくつか撮影しましたので、併せてご参照下さい。又、整備工程動画の当協会内での教育用としての配信許可頂きましてありがとうございました。感謝致します。