Ernst Leitz Wetzlar Summitar 5cm F2 修理記録

Ernst Leitz W Summitar 5cm F2

今回お預かり致しました機種は、Leitzの中でもSummitar=ズミタールというモデルですが、Summar=ズマールの後に製造され、Summicron=ズミクロンとして受け継がれていくシリーズモデルになります。終戦前後に人気のあったLeitzのロングセラーモデルの一種です。

Leitz Summar 50mm F2
Leitz Summar 50mm F2
Leica Summicron 5cm F2
Leica Summicron 5cm F2

Leitz愛好家以外の方は、パッと見ではすぐに見分けがつかないと思いますが、Summはラテン語のSumma=ズンマからきている様で、訳すと最高のという意味になります。 Leitzレンズの銘柄刻印表示はその文字に意味が込められていて、人の名前・製造場所・F値の差等で分類区別されています。当協会ではLeitzレンズはよくお預かりしますので、過去の修理記事に少し詳しく解説しております。下記 Icon BOXをクリックすると別ウインドーで該当記事ページが閲覧できます。

修理依頼が比較的多い50mmモデル

過去の修理記録台帳を丹念に紐解けば、他にもまだまだあるのですが、記憶に残っているモデルですと、下記5機種が個人的には想い出深い機種になります。

Summar 50mm F2.0
Summar 50mm F2.0
Summicron 50mm F2.0
Summicron 50mm F2.0
Hektor 50mm F2.5
Hektor 50mm F2.5
Planar 50mm F2
Planar 50mm F2
Heliar 50mm F2
Heliar 50mm F2

Ernst Leitz Wetzlar Summitar 5cm F2 の特徴

今回は、依頼者様からこのモデルに関する知識面のリクエストもありましたので、実写に際しての解説は、普段から懇意にしているLeitzレンズに造詣の深い写真家の方に聞きました。私は写真家ではないので、下記記述受け売りになりますが、まとめてみましたので、宜しければご参照下さい。

描写性能悪い○○○○良い
使い勝手悪い○○○○良い
デザイン悪い○○○○良い
価格帯悪い○○○良い

開放では特徴的なぐるぐるボケがあり、絞ると端正な描写となる二面性のあるレンズだそうで、階調豊かな写りでモノクロで真価を発揮するのも特徴だそうです。50mmとしては持っておきたい機種の一種になるそうです。階調豊かで解像しつつ柔らかい描写があり、価格的には入手しやすい反面、逆光に非常に弱く、Summicronほどしっかり写らず、どこか甘い雰囲気が残るのも大きな特徴のレンズになります。

レンズ検査ご依頼までの流れ(経緯)

今回のご依頼はメールにて受け付けましたので、その内容を簡潔にまとめました。

ご依頼者様から頂いたメール

初めまして。写真仲間から紹介してもらいました。時間的に少し余裕がでてきましたので、以前から興味があったLeitzレンズを少しづつ揃えていこうと思っております。手始めにSummitar 5cm F2という機種を買ってみました。素人で、レンズの事はよくわかりません。見て頂き、直しておいたほうがイイところありましたら整備して下さい。また、今回お願いしたいレンズと、Leitzレンズ全般に関しましてどんな内容の事でもいいので、知識面を教えて頂けますと嬉しいです。予算は20,000円くらいを想定していますが如何でしょうか?宜しくお願い致します。

今回お預かり致しました機種

Ernst Leitz W Summitar 5cm F2 付属品
Ernst Leitz W Summitar 5cm F2 付属品
機種名Ernst Leitz W Summitar 5cm F2
シリアルNO911475
付属品フロントキャップ、フィルター
課題(所有者さん見解)全体的な検査
ご希望予算20,000円くらい

整備報告

先ず、絞り羽調整機構の固着ですが、調整ダイヤル機構に汚れの付着と錆が出ておりました。いずれの付着物も、でき得る範囲では除去致しました。錆に関しましては、一度の処置では完全な除去はできません。今後のご使用の過程にて、残ったカビの破片が浮き出てきます。その際、再びそのトルク感が重くなります。その時は、簡易的な処置になりますが、光学機器専用クリーナーをしかるべき個所に注入してあげて下さい。動作は復元します。この点、ご協力お願い致します。ご自宅でできる簡易的な処置方法は、Zoomでお伝え致しました手順でお願い致します。わからない事がありましたらいつでもご連絡ください。

Ernst Leitz W Summitar 5cm F2 簡易的な処置
Ernst Leitz W Summitar 5cm F2 簡易的な処置

次に、光学系付着物に関してですが、鏡胴内部全てのレンズ表面に付着していた埃・カビ除去しました。レンズ全体としての、光学的なクリアー度は復元しています。カビの種類は点カビと雲状カビでした。只、リヤ側中玉が合成レンズで、その張りあわせ面にて天然樹脂素材流動性粘着物自体の劣化がやや進行しています。これは付着物ではないので除去できません。今の状況ですと実写には影響はないと診断致しますが、この点もご了承お願い致します。フォーカス調整機構問題ありません。外観・駆動系共に状態の良いレンズです。今後も、大切にご所有下さい。

絞り羽ユニット機構

調整ダイヤル以外のこの機構は汚れを洗浄しましたので、今後しばらくは快適に使えると思います。

Ernst Leitz W Summitar 5cm F2 解放時
Ernst Leitz W Summitar 5cm F2 解放時
Ernst Leitz W Summitar 5cm F2 絞り時
Ernst Leitz W Summitar 5cm F2 絞り時

光学系付着物=除去前写真

Ernst Leitz W Summitar 5cm F2 点カビと雲状カビ
Ernst Leitz W Summitar 5cm F2 点カビと雲状カビ=除去前
Ernst Leitz W Summitar 5cm F2 点カビと雲状カビ②
Ernst Leitz W Summitar 5cm F2 点カビと雲状カビ=除去前

納品に関しまして

※お願い・・・銀行お振込み頂きましたら、その旨メールにてお知らせ頂けますと幸いでございます。確認後速やかに納品させて頂きます。

発送方法クロネコ発払い便
送り状NO別途メールにて報告
配送状況お荷物追跡システム

ご決済に関しまして

整備費18,000円(税込)
クロネコさん送料志賀県(一律)=1,040円(税込)
決済方法銀行振り込み
合計19,040円
お願いご決済後メールにてお知らせ下さい
お振込み先銀行

・みずほ銀行
・五香支店
・口座名義 一般社団法人 日本レンズ協会
・普通口座
・口座番号 1715154

山田 太郎の様にご記入下さい

ご縁ございましたら、今後もお付き合い・ご指導宜しくお願い申し上げます。
(一社)日本レンズ協会 代表理事 田斉 健輔

 

kensuke tasai と申します。 光学機器の修理を主たる業務としております。 関連コンテンツも並行して配信させて頂いておりますので、リクエストございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。