Leitz Wetzlar S-Angulon 21mm F3.4 修理報告

Leitz Wetzlar S-Angulon 21mm F3.4というレンズにもある共通点があります。それは、レンズ鏡胴内部に組み込まれている部位が白濁してしまうという現象です。でも、その原因が光学系付着物なので、除去処置を施せば、課題は解決するケースが殆どです。レンズ本体と鏡胴内部各部位が小さいので作業自体の難易度は上がります。駆動系、絞り羽ユニット機構及びフォーカス調整機構は比較的丈夫な機種ですので光学系付着物に留意して所有保管して下さい。

レンズ検査ご依頼までの流れ（経緯）

今回のご依頼はメールにて受け付けましたので、その内容を簡潔にまとめました。

大事にしているレンズなのですが、最近曇りが気になります。撮影にも影響が出始めたと感じています。カビなのかどうか解りませんがクリアーになるのでしたらお願いします。その他は問題ないと思いますが、そちらで検査して問題点があれば修理して下さい。予算は30,000円以内ですと助かります。比較的近くなので持ち込んでも大丈夫でしょうか？宜しくお願い致します。

機種名	Leitz Wetzlar S-Angulon 21mm F3.4
シリアルNO	2247243
付属品	リヤキャップ、フィルター
課題（所有者さん見解）	大事にしているレンズなのですが、最近曇りが気になります。

修理報告

鏡胴内部全てのレンズ表面に付着していた埃・カビ除去しました。レンズ全体としての光学的なクリアー度は復元しています。白濁の主な原因は雲状カビでした。只、付着していた点カビが腐蝕カビで、除去後の腐蝕痕が残ります。この点、ご了承下さい。駆動系・外観共に状態の良い個体です。今まで同様大切にご所有下さい。こちらにお越し頂いた際に解説しましたが、この機種はレンズ等が比較的小さい部位で構成されています。修理工程を動画で撮影しましたが、ご自身での整備は少し難易度が高いので、もし取り組まれるのであれば再度こちらにお越し頂き整備される事を推奨致します。今回の処置で付着物はない状態ですので、しばらくは問題なく撮影できると思います。レンズ整備工程で何枚か写真を撮りましたので併せてご参照下さい。