ご所有のレンズは、ご自身で整備できる様になるのが理想的です。最低限必要な治具溶剤についても解説します。

レンズを整備していて日々感じる事

全国の写真愛好家の方々のレンズを日々整備していて感じる事があります。それは、送られてきたレンズを見れば、そのレンズがどういう環境で今に至ったかという経緯に似た様なものです。私たちはレンズを整備するのが仕事なので、依頼があったレンズは修理の範疇で勿論綺麗にして納品します。でも、レンズはあくまでも撮影の為の道具です。世にある道具はレンズに限らず必ず整備が必要です。そして、その整備はできれば定期的に施すのが望ましいと思います。

レンズ鏡胴の外側はご自身で整備できます

例えば、レンズフイルターを検査用光源に翳した(かざした)時、明らかにカビが付着しているケースもあります。レンズフイルターこそ、修理専門業者などに依頼しなくても、所有者さんがご自身で整備できる筈です。これは、所有者さんの事を揶揄(やゆ)している訳ではなくて、それくらいの管理は、ご自宅で時々ご自身でやって頂きたい・・・というお願いの想いです。

神経質にもならず、かと言って無頓着も困ります

反対に、とても状態が良いレンズと対峙するケースも稀にあります。極々微細な付着物の除去を依頼されるケースや、ほんの少しだけ軽いトルク感の調整等です。この様なケースの時は、依頼者さんにお電話でその旨お伝えします。「とても状態が良いレンズです。大切に所有されてこられたのですね!」・・・と。そして、この状態だと全く問題はないので、あまり神経質に感じる必要はないと思います。ともお伝えします。写真愛好家の方は、知らないうちに沢山のレンズを所有している方と、数本のレンズを大切にしている方がいらっしゃいます。どちらにしても、ご自身で持っているレンズに関しては、あまり神経質にもならず、かと言って無頓着な姿勢も困るなという個人的に感じているお話です。

これだけあればレンズの整備は大丈夫です

ご自宅でレンズを整備する際、この治具・溶剤さえ揃えて頂ければOKというものを紹介いたします。それは、レンズのクリーニングに必要なものです。外で長時間撮影した後とか、暇な時間があった時にでも、楽しみながらレンズのガラス球外側を綺麗にして欲しいと思います。

レンズをご自宅で整備する際に必要な治具溶剤
これだけあればOKです

ご自宅で揃えてもらいたい治具・溶剤

左手前から

・ハンドラップ(プッシュした分だけクリーナー溶液が出て便利です)

・木製トング(少し奥まった後玉レンズ表面清掃に使います)

・ダスパー(一枚を八等分にはさみでカットして使います)

・ブロアー(決して自分の息でレンズを吹かないで下さい)

・レンズクリーナー(レンズ専用クリーナーです)

いずれもネットで購入できますので、是非大切なレンズをご自身でも整備してみて下さい。もっと具体的な手順等お知りになりたい方は、お気軽にお問い合わせ下さい。Zoom通信アプリも活用して無料で受講可能です。

kensuke tasai と申します。 光学機器の修理を主たる業務としております。 関連コンテンツも並行して配信させて頂いておりますので、リクエストございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。