今回お預かり致しましたMinolta RF Rokkor 250mm F5.6という反射望遠レンズは、そのコンパクトさと、解放F値の明るさで、他の機種と比較すると際立って特殊な機種になります。通常の 反射望遠レンズは解放F値=8.0というスペック機種が殆どです。現在は、Minolta社とKonica corporationが合弁し、Konica Minolta となっていますが、前身のMinolta社時代の反射望遠レンズになります。どれくらいコンパクトかというと、Sony αに装着してみても、Carl Zeiss 85mm F1.4というレンズと一緒くらいの感覚の大きさです。
この機種は、マウント部にオリジナル形式=39mmネジ式フィルターが組み込まれています。新品販売時は、標準装着用のNORMALフィルターと、ND4フィルターが附属していました。このマウントフイルターは、主にレンズ鏡胴内部への埃の混入防止なのですが、そういう構造なので、数か月に一度くらいは、所有者さんご自身でこの硝子部位はクリーニングする必要があります。その際使用する、専用脱着プレートも付属していたのですが、今ではそのプレートを見かける事は殆どなくなりました。
所有上の留意点
この専用プレートがなくても、径が同じゴム治具で充分に対応可能です。マウントフイルターはギザギザの金属部位に組み込まれていますので、見ればすぐにわかると思いますので、定期的に整備してあげて下さい。
対物側レンズ表面の整備
レンズ鏡胴先端には、専用フードがネジ式で組み込まれていますので、対物側レンズ表面を整備する際は、このフードを取り外してから行うとやりやすいと思います。勿論、硝子部位専用クリーナーと専用ペーパーを使って下さい。タオルやハンカチは使わない方が無難です。
その他留意点
この機種は、構造上レンズ鏡胴内部に絞り羽ユニット機構が組み込まれていません。なので、駆動系機構はフォーカス調整機構のみになります。このフォーカス調整機構に不具合がある個体は見た事がありませんので、光学系カビの付着だけに留意してもらえれば大丈夫です。レンズ鏡胴内部には、5群6枚の硝子部位構成なのですが、硝子部位の他に反射鏡が組み込まれています。
この反射鏡にカビが付着すると、この機種特有の解放F値=5.6という本来の明るさが発揮できなくなってしまいます。レンズ鏡胴内部のこの様な部位の整備は少し難しいかもしれませんが、前後硝子部位表面くらいは、定期的にご自身で整備する様にして下さい。
今回お預かり致しました機種
機種名 | Minolta RF Rokkor 250mm F5.6 |
シリアルNO | 1006127 |
付属品 | 前後キャップ、専用フード |
課題(所有者さん見解) | カビ等光学系付着物除去 |
お問い合わせ時お見積もり | 25,000円(税込) |
整備報告
レンズ鏡胴内部に組み見込まれている全ての硝子部位表面及び反射鏡に付着していたカビ除去処置施しました。処置後、付着物はございません。レンズ全体としての光学的なクリアー度はかなり復元しています。反射鏡表面に付着してカビの種類は主に菌糸状カビでした。撮影が下手でスイマセン。
この鏡面以外にもあと2か所反射鏡があるのですが、その部位表面にも沢山のカビが付着していましたが、全て綺麗に除去できています。硝子部位には、主に点カビと雲状カビが付着していました。
スカッと抜ける様な個体に復元しておりますが、雲状カビの一部が腐蝕カビで、カビそのものは除去できているのですが、除去後の腐蝕痕が硝子部位外周と、鏡面部位の貼り合わせ境界線上に一部残ります。この点ご了承下さい。
納品に関しまして
※お願い・・・銀行お振込み頂きましたら、その旨メールにてお知らせ頂けますと幸いでございます。確認後速やかに納品させて頂きます。
発送方法 | クロネコ発払い便 |
送り状NO | 別途メールにて報告 |
配送状況 | お荷物追跡システム |
ご決済に関しまして
整備費 | 15,000円(税込) |
クロネコさん送料 | 神奈川県(一律)=930円(税込) |
決済方法 | 銀行振り込み |
合計 | 15,930円 |
お願い | ご決済後メールにてお知らせ下さい |
お振込み先銀行
・みずほ銀行
・五香支店
・口座名義 一般社団法人 日本レンズ協会
・普通口座
・口座番号 1715154
ご縁ございましたら、今後もお付き合い・ご指導宜しくお願い申し上げます。
(一社)日本レンズ協会 代表理事 田斉 健輔