1945年、第二次世界大戦終結によって日本光学工業(現株式会社ニコン)は、それまで携わってきた軍需産業から民需産業へ、180度の方向転換を図ることになります。同年、双眼鏡やメガネレンズと共に、写真用レンズの生産が決定され、ライカ用マウント形状規格で
- 5cm F3.5=1945年
- 5cm F2=1946年
- 13.5cm F4=1947年
- 8.5cm F2=1948年
- 3.5cm F3.5=1948年
- 5cm F1.5=1949年
というモデルのレンズを、次々にライカ用交換レンズとして開発していきました。いずれのモデルも当協会では過去に整備させて頂いた経緯がございます。この様な歴史的背景のもと生産された、Nippon Kogaku Nikkor-H.C 5cm F2というモデルを今回は整備させて頂く事になりました。
第三十四夜 NIKKOR-H・C 5cm F2>>>NIkon公式サイト
レンズ検査ご依頼までの流れ(経緯)
今回のご依頼はメールにて受け付けましたので、その内容を簡潔にまとめました。
ご依頼者様から頂いたメール
Nikkor H.C 5cm f2=チリ、埃、小さな点カビのようなものがあるので清掃してもらいたい。G.Zuiko auto-s 50mm f1.4=レンズ内に拭きムラのような跡があるので、綺麗にしてもらいたい。以上をお願いした場合の見積もりをお願いします。よろしくお願いいたします。
こちらからのお返事
カビの様な光学系付着物に関しましてはその除去処置に必要なレンズ鏡胴内部へのアクセスが順調に進めば課題が解決するケースはございます。整備費用に関しましては過去の修理記録台帳を紐解きますと同機種にてそれぞれ12,000円(税込)くらいかかっております。いずれに致しましても依頼者様の大切な光学機器です。業者さんの選定等々充分にご検討下さい。
今回お預かり致しました機種
機種名 | Nippon Kogaku Nikkor-H.C 5cm F2 |
シリアルNO | 716263 |
付属品 | フロントキャップ、アダプター、アダプターキャップ |
課題(所有者さん見解) | 光学系付着物除去 |
ご希望ご予算 | 特になし |
整備報告
光学系付着物除去に関しまして、レンズ鏡胴内部に組み込まれている、全ての硝子部位表面に付着していた埃・カビ除去処置施しましたので、光学的なクリアー度は復元しております。付着していたカビの種類は主に点カビと一部菌糸状カビでした。点カビに関しましては、除去後の腐食痕も少なく、復元状態は良好と判断致します。一方、糸屑の様に目視できる菌糸状カビですが、カビそのものは除去できておりますが、除去後の腐食痕がくっきりと残ります。レンズが綺麗に蘇った分、この様な症状が目立つと思いますが、この点ご了承下さい。外観及び駆動系共にとても状態の良いレンズです。今後も大切にご所有下さい。
付着物除去前写真一例
納品に関しまして
※お願い・・・銀行お振込み頂きましたら、その旨メールにてお知らせ頂けますと幸いでございます。確認後速やかに納品させて頂きます。
発送方法 | クロネコ着払い便 |
送り状NO | 別途メールにて報告 |
配送状況 | お荷物追跡システム |
ご決済に関しまして
整備費 | 12,000円(税込) |
クロネコさん送料 | 着払い扱い |
決済方法 | 銀行振り込み |
合計 | 12,000円 |
お願い | ご決済後メールにてお知らせ下さい |
お振込み先銀行
・みずほ銀行
・五香支店
・口座名義 一般社団法人 日本レンズ協会
・普通口座
・口座番号 1715154
ご縁ございましたら、今後もお付き合い・ご指導宜しくお願い申し上げます。
(一社)日本レンズ協会 代表理事 田斉 健輔