こちらのレンズも、こちらでの構造研究が終わったので、修理して出品する為のレンズになります。どなたかこの機種をお探しの写真愛好家の方に使って頂ければ幸いでございます。M42スクリュー規格のマウントですので、このマウント規格のアダプターを介せば、デジカメやミラーレスにて実写が可能になります。
ご自宅での整備
レンズの整備に関しては、このマウント規格のレンズに共通している構造なので、一度構造の理解と整備手順と、必要な治具・溶剤を揃えてしまえば、ご自宅で定期的な整備ができる様になると思います。比較的安価で入手出来て、結構性能もいい単焦点標準レンズだと思います。アクセス部位限定にはなりますが、リヤ側レンズユニットが簡単に外れます。この部位と絞り羽ユニット機構向こう側の硝子玉表面だけでも定期的にクリーニングすれば、綺麗な状態が維持できます。
![Pentax Super-Takumar 135mm F3.5 レンズユニット](https://i0.wp.com/japanlensassociation.com/wp-content/uploads/2021/06/305ccb1141d655d33c578556424823df.jpg?resize=720%2C482&ssl=1)
写真の様に、フイルター感覚でレンズ鏡胴リヤ部レンズユニットを外します。そうすると、後は順番にレンズユニット内部にアクセスできます。簡単な日常定期清掃くらいのレベルのクリ-ニングでしたら、とても簡単にできると思います。専用のクリーニング溶剤をお使い下さい。
![Pentax Super-Takumar 135mm F3.5 点カビ](https://i0.wp.com/japanlensassociation.com/wp-content/uploads/2021/06/991dc74c7c4ea636683d3624a3f34465.jpg?resize=720%2C482&ssl=1)
処置後=除去できています
今回出品に際して整備した個体は、上記写真の様な付着物がありました。綺麗に除去できたので、レンズ全体としての光学的なクリアーども復元しました。
絞り羽ユニット機構駆動系部位
以下の解説は、Pentax SMC Takumar 55mm F1.8 修理記録台帳のレポートでも解説していますが、一応このレポートでも同じ内容ですが、報告させて頂きます。
この機種の特徴として、絞り羽フイルム=板本体に動きを伝達する為の駆動系部位が、絞り羽調整ダイヤルの他に二つ組み込まれています。個人的には、調整ダイヤルだけで充分に機能的には足りていると感じていますが、その他の部位×2つが原因で、この機構が固着しやすくなっていると感じています。又、この伝達部位の名称・役割に関して時々お問い合わせを頂きますので、今回の出品を機に解説させて頂きます。動画の方が解りやすいと思ったので、下記UPしておきます。
Pentax SMC Takumar 55mm F1.8にて動画補足解説
【Auto】⇔【Man】 切替レバー
![【Auto】⇔【Man】 切替レバー](https://i0.wp.com/japanlensassociation.com/wp-content/uploads/2021/06/78cbd661ea65848adde72cb6c71427e3-1.jpg?resize=720%2C482&ssl=1)
カメラ装着時Auto有効ボタン
![カメラ装着時Auto有効ボタン](https://i0.wp.com/japanlensassociation.com/wp-content/uploads/2021/06/d5f17945545fd12334b97eeae853b261-1.jpg?resize=720%2C482&ssl=1)
尚、この機種には【Auto】⇔【Man】ロック解除ボタンは組み込まれていません。私は、光学機器の修理の世界に身を置く人間なので、この三つの機能が実写の際どの様に役立つのかについては正確な言及ができませんが、出品に際しこの機構を確認た所、この二つの伝達部位は問題なく機能しています。
ミラーレスカメラで撮影してみました
整備後に、お気に入りの場所で風景写真を撮影してみました。使用したカメラはSony αになります。シャッタースピード優先モードでマニュアルモードで撮影します。絞り値とシャッタースピードの関係さえ押さえておけば、後はピントを合わせるだけです。
![Pentax Super-Takumar 135mm F3.5+Sony α NEX5](https://i0.wp.com/japanlensassociation.com/wp-content/uploads/2021/06/e6759241b498b0cdffa52510471c5804.jpg?resize=720%2C482&ssl=1)
撮影場所は、当協会所在地から自転車で10分くらいで行ける、松戸市古民家文化財に登録されている旧斎藤邸敷地内で撮影しています。この空間は個人的にもとてもお気に入りで、まるで時が止まってしまった様な、静かでとても落ち着ける空間です。お弁当を持って、3時間位撮影していると何だか元気が湧いてきます。きっと、あなたの傍にも心を癒してくれる身近な自然風景があると思います。
![旧斎藤邸](https://i0.wp.com/japanlensassociation.com/wp-content/uploads/2021/06/010.jpg?resize=720%2C479&ssl=1)
詳細は、松戸市教育委員会広報公式サイトをご閲覧下さい。
撮影当日は生憎の雨天でしたが、レンズを濡らさない様に気を付けて、滴(しずく)をテーマに撮ってみました。望遠レンズですが、敢えて解放気味で接写して、背景がどうなるのか試してみました。このレンズは望遠ですので、鏡胴が長く重いので、ミラーレスの様な軽量級のカメラとの組み合わせだと、特にレンズの大きさを感じます。落下とかぶつけたりしない様に気を配る必要があります。
![静かな午後](https://i0.wp.com/japanlensassociation.com/wp-content/uploads/2021/06/130.jpg?resize=720%2C479&ssl=1)
![濡れた土](https://i0.wp.com/japanlensassociation.com/wp-content/uploads/2021/06/109.jpg?resize=720%2C479&ssl=1)
![木の葉](https://i0.wp.com/japanlensassociation.com/wp-content/uploads/2021/06/105.jpg?resize=720%2C479&ssl=1)
私は撮影の専門家ではありませんので、下手くそな写真ばかりですが、50枚ほど実写しましたのでご参照下さい。勿論、このレンズの持ち味は発揮できていないとは思いますが、スライドショーにしてみました。
出品するレンズ機種
![Pentax Super-Takumar 135mm F3.5](https://i0.wp.com/japanlensassociation.com/wp-content/uploads/2021/06/Pentax-Super-Takumar-135mm-F3.5.jpg?resize=720%2C482&ssl=1)
機種名 | Pentax Super-Takumar 135mm F3.5 |
シリアルNO | 3133584 |
付属品 | 前後キャップ |
出品先 | ヤフオク |
整備後に出品
外観及びフォーカス調整機構の駆動系は全く問題ありません。絞り羽ユニット機構は、絞り羽フイルム=板本体の一部が錆びています。この症状だけが唯一マイナス点です。この錆は除去可能なのですが、錆の厚さ分該当部位の厚みが薄くなってしまうと、その隙間から光源が漏れてしまう危惧を孕んでいますので、今回は現状のまま出品します。
尚、この錆は実写には全く影響しませんし、この症状が進行(悪化)することもないと診断します。ご購入後、この症状が原因で絞り羽が解放のまま固着してしまうという様な症状に、万が一なってしまった場合は、往復の送料のみご負担頂ければこちらで無料にて整備させて頂きます。
![Pentax Super-Takumar 135mm F3.5 絞り羽①](https://i0.wp.com/japanlensassociation.com/wp-content/uploads/2021/06/9674e974d16af5442ebfe523d728a5b9-rotated-e1622929672114-1024x685.jpg?resize=720%2C482&ssl=1)
![Pentax Super-Takumar 135mm F3.5 絞り羽②](https://i0.wp.com/japanlensassociation.com/wp-content/uploads/2021/06/c5966e725a1497b303ea85c2faaad690-rotated-e1622929762427-1024x685.jpg?resize=720%2C482&ssl=1)
この様な症状をご理解頂ける方はご検討下さい。カビ等の光学系付着物が確認できましたので、レンズ鏡胴内部に組み込まれている全ての硝子部位表面に付着していた埃・カビ全て除去しました。レンズ全体としてのクリアー度は復元しています。スカッと抜ける様なレンズに復元しました。
このレンズの出品時の状態
駆動系及び光学系及び外観に関して、それぞれ出品に際しての状態を解説します。
落下等による凹みはありません。経年使用下のすれも殆どなく、気になる傷もありません。この年代の個体としては、かなり綺麗な方なのではないかと思います。ヤフオクの出品写真をご参照下さい。この個体の入手経緯は不確かですが、かなり大切に所有・保管されてきたものと推測致します。
出品に際し、レンズ鏡胴内部に組み込まれている全ての硝子玉表面に付着していた埃・カビ除去処置施しましたので、出品時付着物はございません。スカッと抜ける様な眩しいレンズに蘇りました。カビ除去後の腐蝕痕も殆ど残らないで、復元状態は上々と判断します。実際に撮影した風景写真からもご確認下さい。
至近距離指標から無限遠指標まで、全領域でスムースに駆動しています。そのトルク感も丁度良い感じと診断します。
解放値F3.5~絞り値F22まで全領域で、調整ダイヤルそのものはスムースに駆動しています。そのクリック感も丁度いいと感じます。又、【Auto】⇔【Man】 切替レバーと、カメラ装着時Auto有効ボタンも問題なく機能しています。上記解説致しました様に、絞り羽ユニット機構は、絞り羽フイルム=板本体の一部が錆びています。実写には全く影響ありませんでした。見た目重視の方は入札をご遠慮下さい。
このレンズは、スクリュータイプマウントの単焦点レンズですので、そのマウントはM42規格のマウントになります。下記写真の様なマウントを介してデジカメ等でお使い下さい。
![Pentax Super-Multi-Coated Takumar 200mm F4 アダプター](https://i0.wp.com/japanlensassociation.com/wp-content/uploads/2021/06/d67ebf88c0516ab010bd7fc596dee2a8.jpg?resize=720%2C482&ssl=1)
この様な状態のレンズになります。この機種をお探しの写真家の方がいらっしゃいましたら、上記解説をお読みになった上でご検討下さいます様お願い申し上げます。