カメラ転売ビジネスの未来

既存モール型サイトへの依存度を下げる

インターネット上にはあらゆる業界で巨大なプラットフォームが台頭しています。プラットフォームとは、楽天市場やZOZOTOWNのようなインターネットショッピングモールの事を指します。プラットフォームが扱う商品は広範囲で、モノだけでなく、サービスやデータ商品も扱います。本稿では、プラットフォームに依存した販売スタイルに未来はない、という話と自社ECサイトの育成の重要性について解説します。

生徒さんが最短で稼げる為に私が支援するサービス

今までは、レンズの修理に関する知識・技術・経験をコツコツ学びながら、並行して集客できるホームページを作っていくという方針で講義を進めてきましたが、今年からは解説動画の様に、学びながら、作業しながら、同時に収益も稼いでもらえる仕組みに進化させて行こうと思っています。

このサポート内容を追加する事で、毎月の利益で満足してしまい、肝心の下ごしらえが疎かになってしまう危惧を孕んでいますので、毎月の収益にだけ満足しない様にして、将来ありたい自分像実現の為に、ホームページも少しづつ作り込んでいきましょう。最終的な目標は、何だかの分野で人様の悩みを解決できる情報発信者になって、個の力で経済界で生きていく事というゴールを忘れないようにして下さい。

ECモールサイトでの売り方①

ECモールサイトでの売り方②

ECサイトの定義

ECサイトとは、Eコマース=EC,E-Commerceのサービスを提供するWebサイトの通称です。Eコマースとはネットを通じて行われるモノやサービスの売買の総称です。端的に言うと、ECサイトとはネットを使ったモノやサービスの販売サイトの事になります。

ECサイトの種類

ECサイトはモール型と自社サイト型に二分されます。モール型とは楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピング、ebayなどのモールに出店するタイプです。モール型のECサイトはモールが提供するシステムを利用し、決済もモールが代行します。ショップのひな型や店舗管理システムが用意されているので、出展者はECサイトを自分で構築する必要がありません。

一方、自社サイト型は自分でECサイトを構築するタイプです。全く何もないところから立ち上げるケースや、ECサイト構築ツール・サービス、ショッピングカートサービスを使って作り上げるケース等様々です。自社サイト型は自由度が高い半面、決済システムやセキュリティシステムなどを自分で学習して作っていく必要が生じます。

Web集客が弱い業界ほどプラットフォームに依存している

  • 美容=ホットペッパービューティー
  • 飲食=ぐるなび・食べログ
  • アパレル=ZOZOTOWN
  • ホテル宿泊=じゃらん
  • 通販=楽天市場・Amazon
  • 求人=リクルート

上記はプラットフォームが台頭している代表的な業界の一部です。これを見てどんな事を思うでしょうか?ここに共通項を見出すなら、参入企業=お店がWeb集客に弱いという点です。リクルートが進出する分野はマーケティングが遅れている市場に特化しているとも言われますが、そうした分野でこそプラットフォームは影響力を持ち、コンテンツを生み出す側=コンテンツホルダーがそこに依存する関係が生まれやすいのです。

カメラ転売も同様です

当協会が監修している転売は、直して売る事を前提としていますので、レンズ修理販売ビジネスと呼んでいますが、一般的なセラーさん=カメラ転売ビジネスにおいても、その販売手段は、ヤフオク、メルカリ、ebayという巨大プラットフォームに依存している状態は同じです。カメラの○タム○さんの様な業者さんも出品していますが、殆どが副業スタイルの一個人なのも大きな特徴です。

出品者にとっては割高な集客手数料

販売や集客を請け負ってくれるプラットフォームの存在は、販売者側から見ると便利で魅力的な存在に映ります。実際にホットペッパービューティーがないと集客が立ち行かないというサロンも数多くあります。ZOZOTOWN一本で集客・販売しているアパレル会社も多いです。但し、そうした影響力の強い巨大プラットフォーム程、出店料や広告費が高額なのも事実です。

例えば、ZOZOTOWNの場合、実質的にかかる手数料は売上の約30%と言われています。30%も手数料を支払っていては利益は大幅に削られてしまいます。手数料率は実際の価値に見合う料率とは限りません。何故なら、料率に一番大きく影響する要因はプラットフォームとコンテンツホルダーの力関係だからです。プラットフォームの方が力関係が上なら料率も割高になる仕組みになっています。

ショッピング

では、プラットフォームから撤退すれば良いという話になるのですが、殆どの中小企業はできません。何故なら、選択肢が他にないからです。プラットフォームに出店しなければ商売が成立しない、あるいは経営が傾くといった状況であれば、手数料が高額だったとしても、その条件を受け入れるしか選択肢がないのです。かつていち早くZOZO離れしたオンワードHDやライトオン等は、自社ECサイトが好調だったので、巨大プラットフォームから脱却できた数少ない企業になります。

カメラ転売の場合は?

一方、カメラ転売の場合はどうでしょうか?そもそもカメラ転売の場合は、自分で管理するECサイトでレンズを販売するという概念そのものがありません。ちなみに、独自ECサイトとは、自社の商品やサービスを、インターネット上に置いた独自運営のウェブサイトで販売するサイトの事を指します。ECとは=electronic commerceの略です。 この独自ECサイトを構築・運営する事自体が少し大変なのも理由の一つなのだと思いますが、殆どのセラーさんは、出品はヤフオクかメルカリかebayの三択で販売しています。カメラ転売を始めた理由が、自宅でできて、誰でも簡単に儲かる・・・といった謳い文句で始めたからに他なりません。

ECサイトを取り巻く数値的な推移

ECサイトの数値的環境

経済産業省によると、平成30年の日本国内のBtoC-EC=消費者向け電子商取引市場規模は、18.0兆円=前年16.5兆円、前年比8.96%増に拡大している事がわかります。又、平成30年の日本国内のBtoB-EC=企業間電子商取引市場規模は344.2兆円で、前年318.2兆円、前年比8.1%増までに拡大しています。両方とも引き続き高い伸び率を示しています。消費者が楽天やAmazonなどを日常的に使うようになると共に、専門性の高いECサイトが市場の様々なセグメントのニーズに対応して市場規模を拡大させている事もグラフから見て取れます。

又、ECのオムニチャネル化の進行も市場規模拡大を後押ししています。オムニとは英語のomniで、全て=あらゆるという意味になります。つまり、オムニチャネルとは、商品の購入場所、受け取り場所共に、いつでも、どこでもできるようになるという事です。例えば、ECサイトで購入したものをコンビニで受け取れるサービスや、ECサイトと実店舗とのポイント共有化等がその一環です。ECのオムニチャネル化により、これまでECに馴染みのなかった層がECにどんどん流入しています。

実店舗からECへ進出する動きもどんどん加速しています。イトーヨーカドー、イオンなどの大手スーパーがこぞってネットスーパーに参入し、さながら戦国時代の様相を呈しています。スマートフォンの普及もECサイト市場に大きな影響を与えています。楽天市場の流通総額におけるモバイル比率はすでに70%を上回りました。

ECサイトはさらなるスマートフォン対応へと移行していくでしょう。更に、動画をECに活用する機運も高まっています。米国ではVコマース=Videoコマースという言葉も生まれてきており、動画は今後のECサイト運営に欠かせないものになっていく事でしょう。Amazonの出品を眺めてみても、この動画による商品説明手法は加速度的に普及し始めています。私も最近購入した商品は、動画解説があったものを、ついつい購入してしまいました。

Yoobao タブレットスタンド

この様にして、ECモールで出店している会社は、競合他社との差別化を図る為に、様々な努力をして創意工夫をしながら自社製品を宣伝・販売しています。 ebayも、このVコマースの流れに着目して、最近から出品ページに動画を組み込むサービスを開始しました。

低価格競争に巻き込まれる

モール型ECサイトだけに販売を依存していると、高額な手数料を支払って利益率が下がるだけではありません。次の三つの理由から低価格競争にも巻き込まれていく事になります。

  • 購入者にとって商品の比較検討が容易
  • 顧客が他に流れやすい
  • 割引イベントに参加しなくてはいけない

モール型ECサイト内で少しでも目立つためには、時にお得感を打ち出す必要もあります。低価格競争に引っ張られることがブランドイメージを毀損し、進化のスピードを遅らせている事に、コンテンツホルダー=出品者は気づかなければいけない時期に来ています。

プラットフォーム内での販売しか選択肢がないと、どうしてもライバルとの表面的スペックによる比較検討の場に晒されるので、価格競争から逃れることは難しいと言えるでしょう。カメラ転売の場合は、仕入れた価格よりも安い値段では販売したくない気持ちが優先するので、そうなるといつまで経っても売れないという循環に陥ります。この傾向は今後も加速していくと思います。

コアなリピーター作りは困難

更に、顧客がリピートしにくいという点があります。プラットフォーム上で来店した顧客は、自社の顧客ではなく、あくまでもプラットフォームの顧客だからです。理由はポイント還元や会員限定の特典などの仕組みが用意されているからです。ホットペッパービューティーの顧客はあなたの美容室の顧客ではなく、ホットペッパービューティーの顧客なのです。

勿論、サービスの満足度が高ければ再来店の可能性もありますが、プラットフォーム経由の成約が変わらない限りは、その顧客はいつでも業者を手軽に乗り換えられると思っておいた方が良いでしょう。カメラ転売も同様で、修理後に売るとか、修理した証拠を開示するとか、販売後の整備補償を付けるとかの付加価値を付けない限り、自社のファンになって頂き、再度購入してもらうというビジネス本来の目的は達成できません。

マーケテイングの祖父といわれているピータードラッガーは、企業の唯一の目的は、熱狂的なファンの創造だ!といっていますが、モール型ECサイトでの集客と販売は、企業が本来あるべき姿の実現は難しいのが現状だと考えています。こんな観点からも、集客と販売は自社ECサイトを活用する手段が最善と位置づけています。

shop

プラットフォーム依存症に陥る仕組み

プラットフォームに集客を任せれば、手っ取り早く売上が上がります。一方でコンテンツホルダーが顧客にとって魅力があればある程、モール型ECサイトは力をつけていきます。例えば、出店しているお店がプラットフォームに不満を持ち、クレームを入れたとします。それを受けて問題が改善されれば、モール型ECサイト自体の魅力は増していきます。

そうすると、またプラットフォームに依存する形になるので、そうこうしているうちに同時進行で自社集客のスキルが弱くなっていき、プラットフォームから離れられなくなるのです。いずれは自主独立の道筋を失っていきます。依存度を高めすぎると依存から抜けられないスパイラルに陥る事になっていきます。

カメラ転売の場合は、モール型ECサイト自体が、出品者側からのクレームを受け付けていないのが実情ですので、あまり利用規約の変更はない様ですが、あくまでも購入者は写真家であるというビジネスの基本を忘れている様な気がしてなりません。写真家自身がモール型ECサイトそのものに信用を置いていない傾向が強くなっていき、いずれはちゃんとした企業理念を持った自社ECサイト型の運営者から安心して購入する流れに移行していくと私は考えています。

勿論業種ごとにモール型ECサイトへの依存度は変わります

美容室の場合、予約の8割が独自集客のお店もあれば、逆に8割がホットペッパービューティーという店も実際あります。この差はどこから生まれるのか理由は明白です。自社ECサイトや予約サイトへの独自の集客を強化しているところは、自分たちで新規集客が出来るし、きちんとした施策が打てていないところは、モール型ECサイトへの依存度がいつまで経っても高いのです。

カメラ転売の場合は、購入したい写真家の方にとっては、都会圏でなければ、そもそも地元にオールドレンズを販売している店舗がありません。なので、モール型ECサイトに頼るしか方法がありません。でも、中を覗いてみると、信頼できそうな出品者が見当たらないと言うのが実情になってきています。

出品者にとっても、モール型ECサイトという出品場所の選択肢しかないので、この先に不安を感じながらも、自社ECサイト構築と管理方法がわからないので、仕方なく今まで通りの出品スタイルしか手段がないといった状況なのではないかと判断しています。

日本レンズ協会としての対応策

個人的には、私自身は現役のセラーではありません。仕事の軸が、写真愛好家からのご依頼で、所有されておられるレンズの修理が主なビジネスになっているからです。レンズの様な光学機器の修理に関する知識・技術に関する教育分野の仕事もさせて頂いておりますが、転売というビジネスにはあまり関心がないので、協会としても、個人としても定期的に、積極的にはこの分野のビジネスには参入していません。なので、当協会の公式企業Webサイトには、WooComerce等のプラグインを有効化して、ショッピング機能も組み込んでいません。

ヤフオク販売実績
ヤフオク販売実績

研究用のレンズが溜まってきてしまった時とか、写真家の方からのご依頼で特定機種を売って欲しい等のご依頼があった際に、販売者としても、購入者としても、時々モール型ECサイトに参入する程度です。販売者としてモール型ECサイトにお世話になる際は、いつも同じ売り方の姿勢を心がけています。昔の実績になりますが、実際にヤフオクで出品した際の風景を見て頂ければ、どんな事に留意しているのかが分かると思います。

出品時に販売者責任に於いて必ず留意している事柄

出品時に販売者責任に於いて必ず留意している事柄は、下記の様な内容になります。

  • 販売者としての身元を明らかに掲示する
  • 修理の範疇で整備してから販売する
  • 整備した工程を修理記録台帳として閲覧可能な状態にする
  • 整備後に風景写真を撮って、それも閲覧可能な状態で公開する
  • 出品時の商品説明欄はシンプルにして公式Webサイトが読める様にバナーを貼る
  • どんな理由であれ、返品は受け付ける
  • 完売、納品後の整備補償を約束する

結果としての特徴

出品時に販売者責任としての姿勢を留意していれば、結果として下記の様な結果が得られます。

  • いつも即決価格で落札される
  • 出品後4日後くらいの期間内で完売する
  • 購入者さんからWebサイト経由で何だかのお問い合せ=依頼を頂く
  • 企業Webサイトへのアクセスが増える

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今回の投稿と類似した内容の記事がありますので、宜しければご参照下さい。

モール型ECサイトと自社サイトを紐付けながら販売する

上記の様な経験から、ヤフオク等のモール型ECサイトで販売する場合は、只単に高値で売れればいいという姿勢ではなくて、整備した際の記録も閲覧できる様に導線を張って、自社Webサイトと紐付けながら販売する姿勢が、購入者さんにとって安心できる販売スタイルなのではないかという見解に至っています。

教育者・コンテンツホルダーとしてのあるべき姿勢

この様な内容の事柄を、当協会の技術サポートを受講している生徒さん達には講義しているのですが、最近本当にこれでいいのだろうか?という疑問が湧くようになってきました。何故かというと、そもそも生徒さん達の共通の願いとして潜在的にある

  • 自宅で
  • なるべく簡単に
  • すぐにでも稼ぎたい

という三点の願望を満たしてあげられていないからです。こんな願望に対して、そんな虫のいい話あるわけないでしょう!という姿勢で今まで接してきましたが、人が解決したいと願っている悩みを解決できる商品・サービスを作って販売するのが、本来の企業の使命=存在意義であるならば、指導者の私が、「そんなのある訳ない」の一言で片付けていいものかどうか?

自分自身の教育者・情報発信者としての姿勢・考え方に疑問を持ち始めました。生徒さんが三つの願いがあるのであれば、その実現の為に役立つ内容のコンテンツ・サービスをもっと真剣に考えるべきだ!という見解に至りました。

答え

確かに、何だかの分野で人様の悩みを解決できる情報発信者になるには、様々な知識習得の為の学習と、その知識を踏まえた上での実践と、その結果の獲得というスキルを身に付けていく必要があります。それには相応の時間を要します。でも、それまでの期間、収入がゼロでは困ってしまいます。先ずはこの点を解決できる商品・サービスを考えて、提案・提供してあげるべきだと考えました。それが、下記KeyNoteのボード内容になります。

ECサイトへの誘導
この独自ECサイトは生徒さんではなくて講師の私が立ち上げて管理・運営します

生徒さんが、ある機種のレンズの構造の知識を理解して、修理の手順をマスターしたら、そのレンズを整備後にすぐに販売します。販売ECサイトは、ヤフオクやebayといった巨大モール型ECサイトで構いません。その際、販売するレンズの修理に関する詳細記事を、独自ECサイトでコンテンツ化しておいて、同時にこの独自ECサイトでも同じレンズを販売する様にします。

その独自ECサイト内には、予め販売するレンズの修理記録の記事も、ブログ扱いで作成・公開しておいて、ヤフオクの様なモール型ECサイト内の出品ページに、この修理記録記事へのバナーを貼っておいて、独自ECサイト内の記事で販売するレンズに関して詳しく解説します。

そして、この独自ECサイトでも同じレンズを購入できる仕組みにしておきます。そうすれば、購入検討者さんは、整備したレンズを安心して購入できます。どちらの販売サイトから購入するかは、読者さんにお任せします。できれば独自ECサイトから購入して頂き、我々のファンになってもらって何度もこの独自ECサイトから購入してもらいたいので、独自ECサイトから購入して頂く特典として、販売後の整備補償を付けるのがいいのかなと思っています。

この独自ECサイトの構築と運営管理は講師の私が担当します。なので、生徒さん達はレンズの修理知識と技術の習得だけに先ずは専念してもらいます。このサービスが実現できれば、サポートを受け始めた翌月から、出品数に応じた収入が得られるはずです。なので、ポイントは、この独自ECサイトは、講師の私自身が構築・管理していく点にあります。この様に、毎月の収入も確保してもらいながら、生徒さんご自身のWebサイトは構築して頂きます。そうする事で、生徒さん達が潜在的に願っている三つの願望は実現しやすくなるのではないかと考えています。

一言でいうと、ヤフオクやメルカリやebayの様なモール型ECサイトを、生徒さんだけが出品できるという限定条件で、独自ECサイトの形式で私が作っていくという事になります。日本レンズ協会の様な光学機器の整備組織が、独自ECサイトを立ち上げて、そのサイトで、整備後のレンズを販売するという試みはまだ誰も実施していません。これから、生徒さん一人ひとりに、このサービス案を聞いて頂いて、その内容に賛同頂ける様でしたら、スタート前にもっと細かな役割分担等を決めて実際に運用していこうと考えています。

kensuke tasai と申します。 光学機器の修理を主たる業務としております。 関連コンテンツも並行して配信させて頂いておりますので、リクエストございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。