Tokina AT-X AF 300mm F2.8 修理報告

Tokina AT-X AF 300mm F2.8レンズは望遠単焦点レンズの一種になります。修理の世界では、望遠レンズは修理して再組立を施すと、無限遠に支障をきたしてしまう事が稀にあります。望遠レンズとは焦点距離が80mm以上の機種を指しますが、特に300mm以上の機種は無限遠に支障をきたす可能性が高く、修理内容にもよりますが、それが理由で修理をお断りするケースがあります。今回ご依頼頂きましたTokina AT-X AF 300mm F2.8という機種は今までの経験上この支障は発生しないと判断しましたので修理を受ける事にしました。修理工程解説動画は、所有者さんと共に当協会の技術サポートを受けている生徒とも教材として共有させて頂きます。尚、望遠レンズにはドロッピングフイルターが装着されている機種が多いのですが、この部位の付着物だけでも除去すると明るいレンズに蘇ることもありますので、この部位は是非ご自身で整備して下さい。

レンズ検査ご依頼までの流れ（経緯）

今回のご依頼はメールにて受け付けましたので、その内容を簡潔にまとめました。

修理報告

先ず光学系付着物に関してですが、鏡胴内部全てのレンズ表面に付着していた埃・カビ除去致しました。レンズ全体としての光学的なクリアー度は復元しています。付着していたカビの種類は主に点カビと菌糸状カビでした。付着していた期間が長期化していたのが原因で、全てのカビが腐蝕カビで、カビそのものは除去できていますが、除去後の無数の腐蝕痕が随所に残ります。特にレンズ外周のカビの根が深いです。この点ご了承下さい。次に外れてしまった化粧フィルムに関してですが、鏡胴内部駆動系部位に挟まれてしまった際にフィルム形状が歪んでしまっています。平らな形状でないと元の位置に復元処置ができません。仮に無理にはめ込んだとしても、一時的な処置になってしまい、何かの震動で再度外れてしまう危惧を孕んでいますので、今回は除去処置が最善と判断致しました。除去したフィルム本体はフィルターと前玉の間に収納して納品させて頂きます。この部位はいくつかの固定木ネジを隠す役目を担っていますが、除去しても撮影には影響はありません。又、僭越ではございますが、時々で結構ですのでドロッピングフィルターはご自身にてメンテお願い申し上げます。この部位は汚れが付着しやすい傾向にありますので・・・。駆動系外観共に状態の良い個体です。今まで同様大切にご所有下さい。お願い致します。修理工程にて撮影した写真下記に掲載しておきますので、併せてご参照下さい。今後ご自身にて整備なさる際には解説補足動画も閲覧して頂ければ参考になると思いますが、動画で解説している小さなイモねじの取扱いには充分に気を付けて下さい。

修理工程写真

修理工程解説補足動画

納品に関しまして

※お願い・・・銀行お振込み頂きましたら、その旨メールにてお知らせ頂けますと幸いでございます。確認後速やかに納品させて頂きます。

発送方法	クロネコ着払い便
送り状NO	別途メールにて記載
配送状況	お荷物追跡システム

ご決済に関しまして

整備費	30,000円（税込）
決済方法	銀行振り込み
お願い	ご決済後メールにてお知らせ下さい

ご縁ございましたら、今後もお付き合い・ご指導宜しくお願い申し上げます。
（一社）日本レンズ協会 代表理事 田斉 健輔