Tokina AT-X AF 400mm F5.6 修理報告

Tokina AT-X AF 400mm F5.6

Tokina AT-X AF 400mm F5.6というレンズの様な望遠レンズは、例えば光学系付着物除去処置を施し、再組立をした際に無限遠に支障をきたす危惧を孕んでいます。当協会の経験値では未だ科学的な原因を掴んでいません。只、カメラ接点側のレンズユニット単体の複数枚の硝子に関しては処置後の再組立にこの問題はないので、今回は部位限定という了承のもと整備を施しました。望遠レンズはレンズ鏡胴内部に相当数の硝子玉が組み込まれていますので、整備に費やす時間もかなり長時間になります。その時間と費用と該当レンズの市場価格のバランスが取れないのも整備に至る実績数が少ない原因になっています。又、レンズユニット内に組み込まれている硝子玉の一部が合成レンズになっていますので、この部位の貼り合わせ面の白濁は致命的です。天然樹脂素材の流動性粘着物自体の劣化が進行している個体は、カビ等の付着物を除去してもクリアーな状態には復元しません。

レンズ検査ご依頼までの流れ(経緯)

今回のご依頼はメールにて受け付けましたので、その内容を簡潔にまとめました。

メールにてのお問い合わせ

後部レンズに汚れが有り、これをきれいにして頂けないかと思い連絡致しました。丁寧に対応して頂きありがとうございます。お電話にても指示してもらいましたが、後ろ玉関連の部位の整備だけで結構でございます。趣味でカワセミを撮影していますが、このレンズは望遠の割にはコンパクトで重宝しています。これからも大事に使っていきたいと思っております。可能な範囲で結構ですので、宜しくお願い申し上げます。

機種名

Tokina AT-X AF 400mm F5.6 付属品
Tokina AT-X AF 400mm F5.6 付属品
機種名Tokina AT-X AF 400mm F5.6
シリアルNO9100204
付属品前後キャップ
課題(所有者さん見解)後部レンズに汚れが有り、これをきれいにして
頂けないかと思い連絡致しました

修理報告

付着していたカビの種類は主に雲状カビと点カビでした。全て除去できていますのでレンズ全体としての光学的なクリアー度は復元しています。お電話にてもお伝え致しましたが、合成レンズ張り合わせ面にて天然樹脂素材流動性粘着物自体の劣化が進行しています。この症状は付着物ではないので除去できません。又、付着していたカビの一種が腐蝕カビで、除去後の腐蝕痕が残ります。この様な諸々の症状ご了承下さい。外観・駆動系共に状態の良い個体です。今まで同様大切にご所有下さい。お願い致します。整備工程にていくつかの光学的な付着物写真UPしておきますので併せてご参照下さい。

参考写真

Tokina AT-X AF 400mm F5.6 埃と点カビ
Tokina AT-X AF 400mm F5.6 埃と点カビ
Tokina AT-X AF 400mm F5.6 雲状カビ①
Tokina AT-X AF 400mm F5.6 雲状カビ①
Tokina AT-X AF 400mm F5.6 雲状カビ②
Tokina AT-X AF 400mm F5.6 雲状カビ②
Tokina AT-X AF 400mm F5.6 白濁
Tokina AT-X AF 400mm F5.6 白濁

納品に関しまして

※お願い・・・銀行お振込み頂きましたら、その旨メールにてお知らせ頂けますと幸いでございます。確認後速やかに納品させて頂きます。

発送方法クロネコ着払い便
送り状NO別途メールにて記載
配送状況お荷物追跡システム

ご決済に関しまして

整備費12,000円(税込)
決済方法銀行振り込み
お願いご決済後メールにてお知らせ下さい
お振込み先銀行

・みずほ銀行
・五香支店
・口座名義 一般社団法人 日本レンズ協会
・普通口座
・口座番号 1715154

山田 太郎の様にご記入下さい

ご縁ございましたら、今後もお付き合い・ご指導宜しくお願い申し上げます。
(一社)日本レンズ協会 代表理事 田斉 健輔

kensuke tasai と申します。 光学機器の修理を主たる業務としております。 関連コンテンツも並行して配信させて頂いておりますので、リクエストございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。