この機種の様な便利なレンズ=Zoom機構で望遠でオートフォーカスは、メーカーさんが製造段階で、販売後の修理を前提としていないので、修理の依頼は基本的には受付けていない業者さんが多いと思います。当協会も、200mm以上の望遠レンズは、再組立後無限遠に支障をきたす危惧を孕んでいる関係上、あまり積極的にはお預かりしていないのが実情です。今回は懇意にしている写真家さんが、わざわざ持ち込んで頂きました事情上、お話しを聞きながらでき得る処置は施しました。
ご来所前に、お問い合わせ段階で、メールに添付して頂いた写真になりますが、この様な少し人工的な白く濁った症状は、過去にどなたかが、レンズ鏡胴内部にアクセスし、適切ではない処置を硝子玉に施したのではないか?という所見をお伝えしました。
レンズ検査ご依頼までの流れ(経緯)
今回のご依頼は電話にて受け付けましたので、その内容を簡潔にまとめました。
孫がオークションでレンズを購入したのですが、写真が白っぽくなるので、撮影の仕方を教えてくれと、久しぶりに里帰りしてきました。撮影の技術というか、それよりもレンズを覗くと明らかに白濁していて、何とかしてあげてくて、電話しました。販売者側は、返却を拒んでいるそうで、孫の為にできるだけ応援してあげたいので、近日中にそちらに持っていきますので、見てあげて下さい。宜しく頼みます。
機種名 | Tokina AT-X SD 80-200mm F2.8 |
シリアルNO | 8604047 |
付属品 | 前後キャップ |
課題(所有者さん見解) | レンズを覗くと明らかに白濁している。 |
修理報告
お合いした際にもお伝え致しましたが、この固体は通常の使用下では考えられない様な付着部の様な痕がレンズ前面を覆っております。推測になりますが、どなたかが、何らかの目的で鏡胴内部にアクセスを試みて、不適切な溶剤を使用したものと思われます。
鏡胴内部全てのレンズ表面に付着していた埃・カビ及び原因不明の付着物全て除去致しましたので、レンズ全体としての光学的なクリアー度は復元はしています。付着していた点カビが腐蝕カビで、除去後の腐蝕痕が随所に残ります。又、上記理由による不適切な溶剤使用の影響で、レンズ表面の一部が白濁しています。この様な症状ご了承下さい。
併せて駆動系各種検査しましたが、現状異常は認められません。念の為にこちらで2種類の焦点距離での試写もしてみました。無限遠及び光軸及びフォーカス等、光学機器としての機能特に問題ないと判断致します。又、今回の整備工程にて撮影した光学系付着物及びレンズ鏡胴内部の写真もご参照下さい。
納品に関しまして
※お願い・・・銀行お振込み頂きましたら、その旨メールにてお知らせ頂けますと幸いでございます。確認後速やかに納品させて頂きます。
発送方法 | クロネコ着払い便 |
送り状NO | 別途メールにて報告 |
配送状況 | お荷物追跡システム |
ご決済に関しまして
整備費 | 18,000円(税込) |
決済方法 | 銀行振り込み |
お願い | ご決済後メールにてお知らせ下さい |
お振込み先銀行
・みずほ銀行
・五香支店
・口座名義 一般社団法人 日本レンズ協会
・普通口座
・口座番号 1715154
ご縁ございましたら、今後もお付き合い・ご指導宜しくお願い申し上げます。
(一社)日本レンズ協会 代表理事 田斉 健輔