Voigtländer S APO-LANTHAR 85mm F3.5 検査報告書

レンズ鏡胴を覗いた時白濁して見える主な原因

白濁の原因は主に二つあります。一つ目は光学系付着物です。点カビの集合体であったり、雲状が日があるレンズの全体に付着しているケースでは、人の目には白く濁って映ります。これが原因の場合は、付着物除去処置を施せば、課題は解決し、スカッと抜ける様な眩しいレンズに復元する事も珍しい事ではありません。でも、合成レンズの貼り合わせ面にておきている現象の場合は、付着物ではないので、除去する事ができません。

メールお問い合わせ履歴
頂いたメール

Voigtländer S APO-LANTHAR 85mm F3.5なのですが、ヤフオクで購入しました。後ろ玉の方が白く濁っていて撮影にも影響します。治らないものでしょうか?教えて下さい。

お返事メール

お問い合わせありがとうございます。一般社団法人 日本レンズ協会 代表理事 田斉健輔と申します。白濁の原因が、光学系付着物でしたら、除去処置にて、課題が解決するケースはあります。実際に個体を初見してみないと、これ以上の解説は難しいです。どうかご了承お願い致します。

頂いたメール

レンズ送付致しますので、実際に見て頂けますでしょうか?お願い致します。

お返事メール

○○様、承知致しました。ご都合の宜しい時に、こちらまでご送付下さい。到着しましたら、その旨メールにて連絡致します。

頂いたメール

田斉様

レンズ、ゆうパックで送付しました。宜しくお願い致します。

Voigtländer S APO-LANTHAR 85mm F3.5 付属品
Voigtländer S APO-LANTHAR 85mm F3.5 付属品
付属品前後キャップ
シリアルNO9310460
納期2日間
検査報告費一律2,000円

解説

検査致しました。以前のメールにても簡単にですが解説致しましたが、白濁の原因が光学系付着物ではなくて、合成レンズ貼り合わせ面にておきている現象です。二枚のレンズを貼り合わせる際に使用されている天然樹脂素材流動性粘着物自体が劣化して、白濁症状が進行しています。

これは、付着物ではないので、除去できません。二枚のレンズをはがして、クリーニングして、再度貼り合わせ処置を施せば、クリアー度が復元するケースもありますが、その際、光学的数値に支障をきたす危惧を孕んでいます。今回は検査報告段階にて現状のまま納品させて頂きます。この様な見解に至りました事ご了承お願い致します。

作業工程参考写真

Voigtländer S APO-LANTHAR 85mm F3.5 中玉合成レンズ
Voigtländer S APO-LANTHAR 85mm F3.5 中玉合成レンズ
Voigtländer S APO-LANTHAR 85mm F3.5 白濁
Voigtländer S APO-LANTHAR 85mm F3.5 白濁

処置後の所感

この機種に限らず、合成レンズ貼り合わせ面にて、天然樹脂素材流動性粘着物自体が劣化して、白濁現象が進行している機種が散見されます。粘着物自体の劣化は仕方ないとしても、同じ機種で白濁してしまう個体と、全く影響しないで、クリアーな状態を維持している個体もあります。この理由が現状科学的に解明できていません。

その合成レンズが製造された時に使用されていた粘着物の成分によるものなのか?そのレンズが今に至るまでの保管状態が原因なのか?当協会でも様々な機種の修理をしてきましたが、判明には至っていません。

又、修理を受け付ける際に、原因が特定できれば、所有者さんに送料や検査報告費の負担をかけることなく診断できるのですが、付着物による白濁なのか?貼り合わせ面にて起きている症状なのかが見極め難いのも、この症状の特徴です。

kensuke tasai と申します。 光学機器の修理を主たる業務としております。 関連コンテンツも並行して配信させて頂いておりますので、リクエストございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。

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