Voigtländer Ultron 40mm F2 SL 検査報告書

ご自身で整備する際は、先ずは該当レンズの構造を把握して下さい

自己所有のレンズを、自宅で整備する場合、先ずはそのレンズの課題をハッキリ診断して下さい。闇雲にレンズをばらす行為は、整備ではなくて分解という所作に他なりません。よく頂くお問い合わせの内容も、「自分で分解したら、組立られなくなりました。」という内容が多く、「何故、ぞのネジを外したのですか?」と聞くと、「ネジが見えたから・・・」という様な答えを頂きます。

今回検査したレンズは、本来の目的は、レンズを綺麗にする事でした。点カビが付着している鏡胴内部のガラス玉を取り出して、クリーニングをしたかったのに、全く関係ない部位を分解してしまった為に、正常に動いていた絞り羽が壊れてしまいました。本来、自分で壊してしまったレンズの修理依頼は、お断りしております。その方が、どこをどんな風にいじったのかが、正確に把握するのが難しいからですが、わざわざ、協会までご来所頂きましたので、一緒に組立直してみました。

メールお問い合わせ履歴
頂いたメール

横浜に住んでいます○○と申します。実は、自分でレンズを綺麗にしようと思って、レンズを分解していたら、組立られなくなりました。一応形にはなったのですが、絞り羽が動かない状態です。結局カビも取れませんでした。レンズ送りますので、修理お願いします。

お返事メール

○○様おはようございます。一般社団法人 日本レンズ協会 代表理事 田斉と申します。

ご自身で分解したレンズの支障に関しましては、こちらでその工程がハッキリ把握できませんので、申し訳けございませんが、修理をお受けする事は遠慮させて頂いております。

どうか、ご了承お願い致します。

頂いたメール

田斉様 お返事ありがとうございました。何卒お引き受け頂きます様お願い申し上げます。レンズを持ってそちらまできますので、どうか教えて下さい。

お返事メール

お互いの都合を事前に擦りあわせて、ご来所頂けるのでしたら、初見(検査)だけはさせて頂きます。

只、レンズの現状がこちらで把握できていないので、もとの様に復元できるかどうかは確約できません。その場合も検査報告費は発生してしまいますので、ご了承の上、予定を調整しましょう。

Voigtländer Ultron 40mm F2 SL 付属品
Voigtländer Ultron 40mm F2 SL 付属品
付属品前後キャップ、ハードケース
シリアルNO922181
納期ご来所1時間
整備費用25,000円(指導料含む)

解説

今回は、所有者さんの熱意に共感するものがありましたので、こちらまでご来所頂き、ご持参頂いたレンズの復元処置を指導しながら行いました。幸いに、紛失している部位等もなく、無事再組立ができ、壊してしまった絞り羽ユニット機構の動きも正常に戻りました。

本来の目的だった、かびの除去処置は、こちらの治具溶剤を使って頂き、所有者さんご自身で行なって頂き、クリアーなレンズに仕上げる工程も学習して頂けたので、結果としては全て良かったという実感を持って頂き、お帰りになる事ができたので、こちらとしても一安心といったところです。

でも、やはり自分で分解して、その後何とかして欲しいというご依頼は度々頂きますが、もしもご自身で整備なさりたい場合は、分解して、わけが解らなくなってお問い合わせ頂くのではなくて、具体的な処置に入る前に、是非こちらにご連絡ください。

作業工程参考写真

Voigtländer Ultron 40mm F2 SL レンズユニット
Voigtländer Ultron 40mm F2 SL レンズユニット
Voigtländer Ultron 40mm F2 SL 絞った状態
【復元した絞り羽】Voigtländer Ultron 40mm F2 SL 絞った状態
Voigtländer Ultron 40mm F2 SL 開放状態
【復元した絞り羽】Voigtländer Ultron 40mm F2 SL 開放状態
Voigtländer Ultron 40mm F2 SL 無数の点カビ
Voigtländer Ultron 40mm F2 SL 無数の点カビ

処置後の所感

特に男性の場合は、ネジを発見すると、それを外してみたくなる傾向が強い事に最近気が付きました。殆どのレンズは、リヤ側マウント部に幾つかの木ネジ(+形状)があります。そのネジが気になるみたいで、ドライバーで外してしまいます。実はこの部位は絞り羽ユニット機構駆動伝達部位が組み込まれている構造の機種が多く、プロでも安易にこのエリアはアクセスしません。

レンズの修理に限らず、先ずは診断ありきです。医者に行っても、いきなり注射する医師はいません。先ずは問診して、症状を特定する筈です。レンズの場合も、この診断という行程がとても大切で、そのレンズの課題は何なのか?を見極める必要があります。

その上で、必要な処置を施していきますが、その為には該当レンズの構造や、各種部位の役割を理解しておく必要もあります。自己所有のレンズを、自分で整備する場合は、この様な事柄を念頭に置いて対峙して頂きます様お願い申し上げます。

kensuke tasai と申します。 光学機器の修理を主たる業務としております。 関連コンテンツも並行して配信させて頂いておりますので、リクエストございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。

3件のコメント

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