Olympus レンズ2本修理報告

お預かりしておりましたレンズ、修理の範疇にて整備致しましたので、報告致します。詳細は、各レンズ毎に記載させて頂きますが、レンズ鏡胴内部に組み込まれている全てのガラス玉表面に付着していた埃・カビ除去処置施しましたので、レンズ全体としての光学的なクリアー度は復元しています。

レンズ検査ご依頼までの流れ（経緯）

レンズ機種	Olympus OM H.Zuiko Auto-W 24mm F2.8
シリアルNO	111562
付属品	前後キャップ
課題（所有者さん見解）	分解清掃をお願いいたします

レンズ機種	Olympus OM Zuiko MC Auto-Macro 50mm F3.5
シリアルNO	141718
付属品	前後キャップ
課題（所有者さん見解）	分解清掃をお願いいたします

修理報告

両個体共に、レンズ鏡胴内部に組み込まれている全てのガラス玉表面に付着していた埃・カビ除去処置施しました。レンズ全体としての光学的なクリアー度は復元しています。レンズ対物側から入ってきた光がカメラ本体に届く、光束総量も改善されています。

付着していた点カビが腐蝕カビで、カビそのものは除去できていますが、除去後の腐蝕痕が随所に残ります。又、二つのレンズ共に、組み込まれているガラス玉が小さいので、処置前後における見え方に大きな差を感じられないと思います。この様な点、ご了承お願い致します。

Olympus OM Zuiko MC Auto-Macro 50mm F3.5に関しましては、レンズ鏡胴内部に合成レンズが組み込まれています。その合成レンズ貼り合わせ面にて白濁が進行しています。これは付着物ではないので除去できません。二つのレンズ共に、駆動系・外観とても状態が良い個体です。今まで同様大切にご所有下さい。

合成レンズ貼り合わせ面＝天然樹脂素材流動性粘着物劣化

オールドレンズには、合成レンズが組み込まれているケースがあります。2枚のレンズを天然樹脂素材流動性粘着物にて貼り合わせるのですが、この粘着物自体が劣化して、白濁してしまう個体が散見されます。この症状は、ある特定機種にておこる訳ではなくて、様々な種類のレンズに見られる症状になります。光学系付着物ではないので、除去はできません。

この合成レンズを75℃くらいのお湯に2分くらい浸けておいた後、流水にさらすと、2枚のレンズに分解できます。そして、その内側（張り合わせ面）をクリーニングして、再度貼り合わせると、クリアー度は復元しますが、光学的な数値に狂いが出てします危惧を孕んでいますので、現在当協会ではこの処置は施していません。併せてご了承お願い致します。

納品に関しまして

※お願い・・・銀行お振込み頂きましたら、その旨メールにてお知らせ頂けますと幸いでございます。確認後速やかに納品させて頂きます。

ご決済に関しまして

ご縁ございましたら、今後もお付き合い・ご指導宜しくお願い申し上げます。
（一社）日本レンズ協会 代表理事 田斉 健輔