Zenza Bronica 用交換レンズ×2本 修理記録

Nikkor-PC 200mm F4+Nikkor-P 200mm F4

いつもの様に、購入されたレンズをこちらに預けて頂きまして、誠にありがとうございます。Zenza Bronica 用交換レンズ×2本ひとつづつ整備致しましたので、報告させて頂きます。この機種は、2本共にフォーカス調整機構が、レンズには組み込まれていません。駆動系としては、絞り羽ユニット機構だけが組み込まれています。

ZENZA BRONICA EC-TL
Zenza Bronica EC-TL

ピントを合わせる為には、専用のヘリコイド機能付きマウントアダプターが必要になるレンズ機種です。絞り羽ユニット機構が単独で組み込まれているので、一般的なレンズと違って、フォーカス調整機構螺旋状部のグリス落ちによる被害が発生しません。今回お預かりした機種も、整備内容は光学系付着物除去処置になります。それでは、一個体づつ解説させて頂きます。

レンズ検査ご依頼までの流れ(経緯)

今回のご依頼はメールにて受け付けましたので、その内容を簡潔にまとめました。

メールにてのお問い合わせ

いつもお世話になります。又、レンズを買ったので、そちらに送ります。いつもの様に、全体的に見て頂き、修理の範疇で復元できる個所の修理をお願い致します。Zenza Bronicaの電子パックが、海外から届くのが今年の秋以降になる予定ですので、それまでは、今回お願いするレンズも使えませんので、そんなに急がなくても大丈夫です。宜しくお願い申し上げます。

Nikon Nikkor-PC 200mm F4

Nikon Nikkor-PC 200mm F4
Nikon Nikkor-PC 200mm F4
Nikon Nikkor-PC 200mm F4 リヤ側
Nikon Nikkor-PC 200mm F4 リヤ側
機種名Nikon Nikkor-PC 200mm F4
シリアルNO78297
付属品特にナシ
課題(所有者さん見解)全体的な検査

この機種の大まかな整備手順

大きな部位の塊を先ずは二つに分解します。そうすると、写真右の様な最初から組み込まれているフードが外れます。その後、写真左の塊と、中央の部位をそれぞれ内部にアクセスしていきます。

Nikon Nikkor-PC 200mm F4 大まかに3分割
Nikon Nikkor-PC 200mm F4 大まかに3分割

この塊には、絞り羽ユニット機構と硝子部位が組み込まれています。絞り羽ユニット機構は全く問題がなかったので、硝子部位に付着した光学系付着物を除去します。物凄く汚れている機種が多いです。

Nikon Nikkor-PC 200mm F4 絞り羽ユニット機構とリヤ側硝子が組み込まれている部位
Nikon Nikkor-PC 200mm F4 絞り羽ユニット機構とリヤ側硝子が組み込まれている部位

この様に、絞り羽自体はとても綺麗な状態で、その駆動にも全く問題はありません。絞り羽フイルム向こう側の硝子玉表面に付着しているカビを除去します。

Nikon Nikkor-PC 200mm F4 解放時
Nikon Nikkor-PC 200mm F4 解放時
Nikon Nikkor-PC 200mm F4 絞り時
Nikon Nikkor-PC 200mm F4 絞り時

この塊には、硝子玉部位が4枚組み込まれています。同じ様に、その部位に付着しているカビを除去します。この機種の特徴として、前玉が薄く白濁している個体が散見されますが、原因が付着物ではなくて、硝子素材そのものの劣化ですので、その現象は復元できません。

Nikon Nikkor-PC 200mm F4 硝子部位のみが組み込まれてる部位
Nikon Nikkor-PC 200mm F4 硝子部位のみが組み込まれてる部位

カビの付着状態

下記写真の様な状態でしたが、処置後はかなり綺麗なレンズに復元しました。只、カビの付着期間が相当に長かったと推測されますので、除去後の腐蝕痕が随所に残ります。この点ご了承お願い申し上げます。

Nikon Nikkor-PC 200mm F4 膨大な菌糸状カビ
Nikon Nikkor-PC 200mm F4 膨大な菌糸状カビ(除去前の写真)
処置後=全て除去できていますが腐蝕痕が残ります

Nikon Nikkor-PC 200mm F4 埃と点カビ
Nikon Nikkor-PC 200mm F4 埃と点カビ(除去前の写真)
処置後=全て除去できていますが腐蝕痕が残ります

Nikon Nikkor-P 200mm F4

Nikkor-P 200mm F4
Nikkor-P 200mm F4
Nikkor-P 200mm F4 マウント
Nikon Nikkor-P 200mm F4 マウント
機種名Nikon Nikkor-P 200mm F4
シリアルNO62007
付属品特にナシ
課題(所有者さん見解)全体的な検査

この機種の大まかな整備手順

Nikon Nikkor-PC 200mm F4同様の解説になりますが、大きな部位の塊を先ずは二つに分解します。そうすると、写真中央の様な最初から組み込まれているフードが外れます。その後、写真左の塊と、右の部位をそれぞれ内部にアクセスしていきます。

Nikkor-P 200mm F4 大まかに3分割
Nikkor-P 200mm F4 大まかに3分割

更にアクセスすると下記写真の様になります。

Nikkor-P 200mm F4 順番に検査
Nikkor-P 200mm F4 順番に検査

この塊には、絞り羽ユニット機構と硝子部位が組み込まれています。絞り羽ユニット機構は全く問題がなかったので、硝子部位に付着した光学系付着物を除去します。物凄く汚れている機種が多いです。

Nikkor-P 200mm F4 絞り羽ユニット機構と硝子玉が組み込まれている部位
Nikkor-P 200mm F4 絞り羽ユニット機構と硝子玉が組み込まれている部位

この様に、絞り羽自体はとても綺麗な状態で、その駆動にも全く問題はありません。絞り羽フイルム向こう側の硝子玉表面に付着しているカビを除去します。

Nikon Nikkor-P 200mm F4 解放時
Nikon Nikkor-P 200mm F4 解放時
Nikon Nikkor-P 200mm F4 絞り時
Nikon Nikkor-P 200mm F4 絞り時

この塊には、硝子玉部位が4枚組み込まれています。同じ様に、その部位に付着しているカビを除去します。この機種の特徴として、前玉が薄く白濁している個体が散見されますが、原因が付着物ではなくて、硝子素材そのものの劣化ですので、その現象は復元できません。

Nikkor-P 200mm F4 硝子玉のみが組み込まれている部位
Nikon Nikkor-P 200mm F4 硝子玉のみが組み込まれている部位

カビの付着状態

下記写真の様な状態でしたが、処置後はかなり綺麗なレンズに復元しました。只、カビの付着期間が相当に長かったと推測されますので、除去後の腐蝕痕が随所に残ります。この点ご了承お願い申し上げます。

Nikkor-P 200mm F4 様々なカビ
Nikkor-P 200mm F4 様々なカビ(除去前の写真)
処置後=全て除去できていますが腐蝕痕が残ります
Nikkor-P 200mm F4 硝子表面を覆ったカビ
Nikkor-P 200mm F4 硝子表面を覆ったカビ(除去前の写真)
処置後=全て除去できていますが腐蝕痕が残ります

納品に関しまして

※お願い・・・銀行お振込み頂きましたら、その旨メールにてお知らせ頂けますと幸いでございます。確認後速やかに納品させて頂きます。

発送方法クロネコ着払い便
送り状NO別途メールにて報告
配送状況お荷物追跡システム

ご決済に関しまして

整備費10,000円(税込)
決済方法銀行振り込み
お願いご決済後メールにてお知らせ下さい
お振込み先銀行

・みずほ銀行
・五香支店
・口座名義 一般社団法人 日本レンズ協会
・普通口座
・口座番号 1715154

山田 太郎の様にご記入下さい

ご縁ございましたら、今後もお付き合い・ご指導宜しくお願い申し上げます。
(一社)日本レンズ協会 代表理事 田斉 健輔

kensuke tasai と申します。 光学機器の修理を主たる業務としております。 関連コンテンツも並行して配信させて頂いておりますので、リクエストございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。