Nikon Nikkor 300mm F4.5 修理記録

Nikon Nikkor 300mm F4.5

当協会では、今回レポートする300mm以上の望遠レンズに関しましては、レンズ鏡胴内部の部位を取り出して再組立すると、無限遠に支障がでる危惧を孕んでいる為、お預かりする際、その旨お話をしてお断りするケースが殆どなのですが、今回は、所有者様がレンズカメラリヤ側のみ限定でカビの除去処置をご希望でしたので、お預かりさせて頂く事にしました。

Nikon Nikkor 300mm F4.5 レンズユニット
Nikon Nikkor 300mm F4.5 レンズユニット(リヤ側)

望遠の機種が全て同じ様な危惧を孕んでいる訳ではありませんが、硝子玉が一枚一枚単体で相当枚数組み込まれている構造が、望遠には多いのは確かです。光軸に対して、垂直方向に問題がなくても、ある硝子部位の水平方向の微調整はとても難しいです。

レンズ検査ご依頼までの流れ(経緯)

今回のご依頼はメールにて受け付けましたので、その内容を簡潔にまとめました。

メールにてのお問い合わせ

昔御社にてカビの除去をして頂いたのですが、あれからしばらく仕舞っておいたところ、後ろ玉の方に雲状のカビが生えてしまいました。なるべく頻繁に使う様に教えてもらっていたのですが、また同じ様な事になってしまい本当に申し訳けございません。望遠レンズは対象外と以前も言われましたが、今回もリヤ側だけでいいので、是非お願い申し上げます。見た所前玉方向にカビは見られません。

Nikon Nikkor 300mm F4.5 付属品
Nikon Nikkor 300mm F4.5 付属品
機種名Nikon Nikkor 300mm F4.5
シリアルNO541928
付属品前後キャップ
課題(所有者さん見解)カビの除去(部位限定)

修理報告

光学系付着物に関してですが、鏡胴内部後玉レンズユニット内複数枚のレンズ表面にカビの付着がありました。全て除去できていますので、除去後のレンズ全体としての光学的なクリアー度は復元しています。

付着していたカビの種類は、点カビ、菌糸状カビ、雲状カビでした。点カビと菌糸状カビと雲状カビそれぞれが腐食カビで、除去後の腐食痕が随所に残ります。この点ご了承お願い致します。今回は部位限定処置になりましたが、幸いな事に、他の硝子玉表面にはカビの付着がありませんでしたので、結果論になりますが今回の処置で、付着物のない綺麗な個体に復元しました。

今後再発防止の為にも、レンズ単体を手に取って頂き、鏡胴内部に空気の流れを人工的に作ってあげて下さい。ご協力お願い申し上げます。処置前のカビの写真撮影しましたので、併せてご参照下さい。

参考写真

Nikon Nikkor 300mm F4.5 菌糸状カビ
Nikon Nikkor 300mm F4.5 菌糸状カビ
Nikon Nikkor 300mm F4.5 菌糸状カビと点カビ
Nikon Nikkor 300mm F4.5 菌糸状カビと点カビ
Nikon Nikkor 300mm F4.5 無数の菌糸状カビ
Nikon Nikkor 300mm F4.5 無数の菌糸状カビ

納品に関しまして

※お願い・・・銀行お振込み頂きましたら、その旨メールにてお知らせ頂けますと幸いでございます。確認後速やかに納品させて頂きます。

発送方法クロネコ着払い便
送り状NO別途メールにて報告
配送状況お荷物追跡システム

ご決済に関しまして

整備費10,000円(税込)
決済方法銀行振り込み
お願いご決済後メールにてお知らせ下さい
お振込み先銀行

・みずほ銀行
・五香支店
・口座名義 一般社団法人 日本レンズ協会
・普通口座
・口座番号 1715154

山田 太郎の様にご記入下さい

ご縁ございましたら、今後もお付き合い・ご指導宜しくお願い申し上げます。
(一社)日本レンズ協会 代表理事 田斉 健輔

kensuke tasai と申します。 光学機器の修理を主たる業務としております。 関連コンテンツも並行して配信させて頂いておりますので、リクエストございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。