Pentax Super-Takumar 135mm F3.5 修理記録

Pentax Super-Takumar 135mm F3.5

このレンズも、こちらでの構造研究が終わったので、修理して出品する為のレンズになります。整備前からとても状態の良いレンズで、前後キャップと135mm F3.5専用規格のフードも付属品としてお付け致します。ほぼフルセットで整備済みレンズをこの機会にどうぞ。どなたかこの機種をお探しの写真愛好家の方に使って頂ければ幸いでございます。M42スクリュー規格のマウントですので、このマウント規格のアダプターを介せば、デジカメやミラーレスにて実写が可能になります。

Pentax Super-Takumar 135mm F3.5 付属品
Pentax Super-Takumar 135mm F3.5 付属品フルセット

順番に検査

レンズの整備に関しては、このマウント規格のレンズに共通している構造なので、一度構造の理解と整備手順と、必要な治具・溶剤を揃えてしまえば、ご自宅で定期的な整備ができる様になると思います。比較的安価で入手出来て、結構性能もいい単焦点標準レンズだと思います。絞り羽ユニット機構を挟んで、二つのレンズユニットで構成されています。そのユニットごとに内部へアクセスし整備していきます。

Pentax Super-Takumar 135mm F3.5 順番に検査
Pentax Super-Takumar 135mm F3.5 順番に検査していく途中風景

当協会では、ご自身でご所有のレンズは、ご自宅で自分で整備できる様になる事を推奨していますが、この機種の様なM42マウント形状タイプのレンズの構造を一度理解してしまえば、他のマウント同規格の機種にも応用できますので、旭光学さんのオールドレンズは、そういう意味でとても重宝すると思います。上記写真は、対物側からアクセスした検査途中の風景になります。

Pentax Super-Takumar 135mm F3.5 Fレンズユニット
Pentax Super-Takumar 135mm F3.5 Fレンズユニット
Pentax Super-Takumar 135mm F3.5 Rレンズユニット
Pentax Super-Takumar 135mm F3.5 Rレンズユニット

この様な二つのレンズユニットがレンズ鏡胴内部に組み込まれています。この二つのレンズユニットを丁寧に内部にアクセスして課題を解決していきます。

絞り羽ユニット機構駆動系部位

この機種の特徴として、絞り羽フイルム=板本体に動きを伝達する為の駆動系部位が、絞り羽調整ダイヤルの他に二つ組み込まれています。個人的には、調整ダイヤルだけで充分に機能的には足りていると感じていますが、その他の部位×二つが原因で、この機構が固着しやすくなっていると感じています。又、この伝達部位の名称・役割に関して時々お問い合わせを頂きますので、今回の出品を機に解説させて頂きます。動画の方が解りやすいと思ったので、下記UPしておきます。

Pentax SMC Takumar 55mm F1.8にて解説

Pentax Super-Takumar 135mm F3.5には、動画で解説している【Auto】⇔【Man】ロック解除ボタンは組み込まれていません。

【Auto】⇔【Man】 切替レバー

Pentax Super-Takumar 135mm F3.5 【Auto】⇔【Man】 切替レバー
Pentax Super-Takumar 135mm F3.5 【Auto】⇔【Man】 切替レバー

カメラ装着時Auto有効ボタン

Pentax Super-Takumar 135mm F3.5 カメラ装着時Auto有効ボタン①
Pentax Super-Takumar 135mm F3.5 カメラ装着時Auto有効ボタン

マウントアダプターを介すとこの機能が使えなくなるケースがあります。

私は、光学機器の修理の世界に身を置く人間なので、この二つの機能が実写の際どの様に役立つのかについては正確な言及ができませんが、出品に際しこの機構も正常に駆動している事を確認しております。

ミラーレスカメラで撮影してみました

整備後に、お気に入りの場所で風景写真を撮影してみました。使用したカメラはSony αになります。シャッタースピード優先モードでマニュアルモードで撮影します。絞り値とシャッタースピードの関係さえ押さえておけば、後はピントを合わせるだけです。

Pentax Super-Takumar 135mm F3.5+Sony-α NEX5
Pentax Super-Takumar 135mm F3.5+Sony-α NEX5

撮影場所は、当協会所在地から自転車で10分くらいで行ける、松戸市古民家文化財に登録されている旧斎藤邸敷地内で撮影しています。この空間は個人的にもとてもお気に入りで、まるで時が止まってしまった様な、静かでとても落ち着ける空間です。お弁当を持って、3時間位撮影していると何だか元気が湧いてきます。きっと、あなたの傍にも心を癒してくれる身近な自然風景があると思います。

雨の石畳
松戸市内では数少ない光景が広がっています。
詳細は、松戸市教育委員会広報公式サイトをご閲覧下さい。
滴(しずく)
滴(しずく)
赤い木の実
赤い木の実
錆びた煙突
錆びた煙突

私は撮影の専門家ではありませんので、下手くそな写真ばかりですが、50枚ほど実写しましたのでご参照下さい。スライドショーにしてみました。

出品するレンズ機種

Pentax Super-Takumar 135mm F3.5 付属品
Pentax Super-Takumar 135mm F3.5 付属品
機種名Pentax Super-Takumar 135mm F3.5
シリアルNO1512426
付属品前後キャップ、専用規格フード
出品先ヤフオク

整備後に出品

フォーカス調整機構及び絞り羽ユニット機構の駆動系は全く問題ありません。カビ等の光学系付着物が確認できましたので、レンズ鏡胴内部に組み込まれている全ての硝子部位表面に付着していた埃・カビ全て除去しました。レンズ全体としてのクリアー度はスカット抜ける様な眩しい個体に復元しています。付属品は前後キャップと専用規格フードになります。

①外観

落下等による凹みはありません。経年使用下のすれもとても少なく、気になる傷もありません。この年代の個体としては、かなり綺麗な方なのではないかと思います。ヤフオクの出品写真をご参照下さい。この個体の入手経緯は不確かですが、かなり大切に所有・保管されてきたものと推測致します。

Pentax Super-Takumar 135mm F3.5 側面
Pentax Super-Takumar 135mm F3.5 側面
②光学系付着物

出品に際し、レンズ鏡胴内部に組み込まれている全ての硝子玉表面に付着していた僅かな埃・カビ除去処置施しましたので、出品時付着物はございません。スカッと抜ける様な眩しいレンズに蘇りました。とは言いましても新品ではないので、神経質な方のご入札はご遠慮下さい。実際に撮影した風景写真からもご確認下さい。

Pentax Super-Takumar 135mm F3.5 無数の付着物
Pentax Super-Takumar 135mm F3.5 無数の付着物(除去前写真)
処置後=全て綺麗に除去できました。
③フォーカス調整機構

至近距離指標から無限遠指標まで、全領域でスムースに駆動しています。そのトルク感も丁度良い感じと診断します。

④絞り羽ユニット機構

解放値F3.5~絞り値F22まで全領域でスムースに駆動しています。絞り値指標の中間値にもベアリングがプレート溝にはまるタイプのクリック型絞り構造になります。そのクリック感も丁度いいと感じます。プレート一部にややコーテイング剥がれがあります。

Pentax Super-Takumar 135mm F3.5 絞り羽
Pentax Super-Takumar 135mm F3.5 絞り羽
⑤マウント規格形状

このレンズは、スクリュータイプマウントの単焦点レンズですので、そのマウントはM42規格のマウントになります。下記写真の様なマウントを介してデジカメ等でお使い下さい。

Pentax Super-Multi-Coated Takumar 200mm F4 アダプター
M42 スクリュー規格 アダプター

この様な状態のレンズになります。この機種をお探しの写真家の方がいらっしゃいましたら、上記解説をお読みになった上でご検討下さいます様お願い申し上げます。

kensuke tasai と申します。 光学機器の修理を主たる業務としております。 関連コンテンツも並行して配信させて頂いておりますので、リクエストございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。