1936年から55年代にかけての昔の懐かしいフイルムカメラ
<Canon II D(2D)型フォーカルプレーン式カメラ>にて基本的な操作方法を解説します。Canonさんから発売されたこのカメラ群は全部で26機種もあり、外観からはどの機種なのかを特定するのは少し難しいです。でも、全ての機種に共通する各種レバーの役割や、フイルム装填方法はあります。
この様なカメラは、アンチークとして部屋の棚に飾るのも素敵な趣味ですが、古典的なフイルムカメラと、当時の単焦点レンズの組み合わせで、実際に写真を撮ってみるのも楽しいと思います。でも、こういう機種の基本的な取扱い方法が分からないという写真愛好家の方々の為に、なるべく解りやすく、各種ダイヤルボタン類の役割について解説致します。写真と解説補足動画をいくつも用意しましたので、ご自身のペースで必要に応じて学習して下さい。
他の機種に関しての解説ページ
Canon II D(2D)型フォーカルプレーン式カメラ以外の機種に関しましては、研究しながら少しずつ解説サイトを作っていく予定です。
2020年7月現在合計5機種の研究は終わっておりますので、記事の編集にもう少しお時間を頂いております。
レンジファインダーって何?・・・レンジファインダー=距離計
レンジファインダーという言葉の意味は、距離計のことを指します。カメラのファインダーを覗くと分かるのですが、二重像が目視できて、その二重像が重なった時がピントが合照したという目安になります。
この小さな窓からのぞきます
全面から見るとこんな感じです
実際に、ファインダーを覗いてみると実感できるのですが、とても小さい窓なので、確かに見えにくいです。でも、3倍率切替レバーという機構があるので、このレバーを活用してピントを合わせます。
各種ダイヤル、レバーの役割と名称
基本的な各種ダイヤル、レバーの役割と名称を解説します。
①レンズマウント、②倍率切替レバー、③底部、④フイルム巻き戻し切替ダイヤル、⑤フイルム巻き戻しレバー、⑥低速領域シャッタースピード調整ダイヤル、⑦高速領域シャッタースピード調整ダイヤル、⑧フイルム巻き上げダイヤルとシャッターボタン、⑨フイルムカウンター、⑩フイルム装着、⑪1秒から2分の1秒領域の動作安定感維持の為に・・・の順番に解説します。
①レンズマウント
この機種は、レンズマウント=L39です。スクリューマウントと呼ぶ人もいます。
②倍率切替レバー
画角は、Fで50mm、1×で100mm、1.5×で135mmを想定しています。例えば50mmを使う場合、1.5×で拡大してピントを合わせ、その後Fで構図を決めるという使い方が主流です。1.0×の使い方は、個人的にはわかりません。
③底部
カメラ底部には二つの部位があります。
④フイルム巻き戻し切替ダイヤル
このダイヤルは、撮影し終わったフイルムを巻き戻す際に使用します。通常撮影時には下の写真の様にセットしたままで、いじる事はありません。ちょっと伝わり難いので動画で解説しますね。
通常撮影時
全部のフイルムを使い終わった際に、フイルム巻き戻しダイヤルを下の写真の様に、上に引っ張って矢印の方向(時計回り)に回転させます。すると、フイルム室のフイルムが巻き戻ります。
只、この巻き戻しダイヤルを回す前に、フイルム巻き戻し切替えレバーを所定の位置に切り替える必要がありますので、この点は少し知識がいります。動画で学習して下さい。
⑤フイルム巻き戻しレバー
フイルムを巻き戻す際に、このレバーをRの位置に倒します。フイルム巻き戻しダイヤルと軍幹部上、反対の位置(離れた位置)にあるので、慣れないうちは、少しわかり難いと思いますが、下記写真と動画で解説します。
通常撮影時はレバーはこの位置A固定です
この位置でないと、シャッターが切れません
フイルムを巻き戻す時は、レバーをRの位置に倒します
⑥低速領域シャッタースピード調整ダイヤル
この年代のフイルムカメラは、シャッタースピード調整ダイヤルが二つある機種が多いです。機械式カメラのシャッタースピード精度を維持するのは、修理の範疇でも難しいので、この点注意が注意が必要です。当協会ではこの部位の修理も施しています。動画の方が理解しやすいので収録しました。
カメラ本体前面左側のダイヤルが、低速域シャッタースピード調整ダイヤルになります。
T~1~2~4~8~25
T=タイムと呼ばれていて、シャッターを切って、シャッターボタンを放しても、シャッター幕は解放のままです。そういう機構ですが、写真愛好家の方に聞くと星空の撮影等に使うそうです。
1=1秒・・・これは理解しやすいですね。
2=2分の1秒・・・これも解りやすいと思います。
4=4分の1秒・・・少しづつ早くなっていきます。
8=8分の1秒・・・一般的にはこの辺のスピードから感覚的に区別がつかなくなります。
25=25分の1秒・・・低速域シャッタースピード調整ダイヤルの役割はここまでです。
⑦高速領域シャッタースピード調整ダイヤル
それ以上のシャッタースピードに調整する際は、カメラ軍幹部にある、ダイヤルに役目をバトンタッチします。それが、高速領域シャッタースピード調整ダイヤルです。
B~25-1~40~100~200~500
B=バルブと呼ばれていて、シャッターを切ると、シャッターボタンを放さない限り、シャッター幕が開いたままの状態を維持します。
25-1=25分の1秒・・・これは理解しやすいですね。
40=40分の1秒・・・一般的にはこの辺のスピードは感覚的に区別がつきません。
100=100分の1秒・・・一般的にはこの辺のスピードは感覚的に区別がつきません。
200=200分の1秒・・・一般的にはこの辺のスピードは感覚的に区別がつきません。
500=500分の1秒・・・高速領域シャッタースピード調整ダイヤルの役割はここまでです。
もう一つ大切な事を忘れていました。
⑧フイルム巻き上げダイヤルとシャッターボタン
フイルムカメラはシャッターボタンを切る(押す)度にフイルム巻き上げダイヤルをまわします。
矢印の方向=時計回りに回すと、フイルムが巻き上げられて、それ以上回らなくなります。その時、数字が刻印されている、フイルムカウンターダイヤルも一緒に動きますが、気にしなくて大丈夫です。その後、シャッターボタンを押して実写します。もしも、レリーズを使用するのであれば、このシャッターボタンの形状に合った規格の物を使って下さい。
⑨フイルムカウンター
フィルム巻き上げダイヤルの下にはカウンターのメモリがついており、現在フィルム何枚目なのか分かるようになっています。
この写真だと、現在は3枚目の位置に矢印がありますので、最初のセット方法を間違えなければ、今何枚目なのかが、このダイヤルで確認できます。
⑩フイルム装着
いよいよ、フイルム装着です。慣れるまでは、難しいと感じるかもしれません。
この年代のフイルムは、今のそれとは形状が違っていました。なので、今のフイルムを少しカットする工夫が必要になります。平らな作業台で、はさみと定規を用意して、落ち着いた環境で作業して下さい。
フイルム室カバーを外して、フイルムを装着します。
イラストの様に、フイルムを入れれば良いだけの話なのですが、意外と難しいです。スプールという棒の様な治具にフイルムを巻き付けます。
フイルム本体=パトレーネからフイルルを引っ張り出して、先端を約13㎝加工します。
スプールの差し込み口にしっかりとフイルム先端を指し込みます。
イメージはこんな感じになります。
又、フイルムの両端に四角い穴=パーフォレーションが開いていますが、このパフォレーションをフイルム室内部の歯車の様な部位=スプロケットにはめ込みます。
そして、フイルム室カバーをセットし直して、装着は完了になります。この作業も動画で解説します。
1秒から2分の1秒領域の安定感維持は難しいです
修理の範疇にて整備を施しましても、この年代のカメラは、どうしても低速領域のシャッタースピードの安定感の維持は難しいです。簡易的な整備方法ですが、ご自宅でできる処置方法に関しまして解説させて頂きます。動画を閲覧なさり方はパスワードをお伝えします。
長時間大変お疲れ様でした。