所有しているレンズは、ご自身で整備できる様になるのが理想的です
比較的構図が類似している機種を集めてみましたので、共通構図の理解が進めば作業のコツも解ると思います。ユニットレンズ内側へのアクセスは、組み込まれているガラス玉の形状が似ている為、再組立の際に間違えるとレンズとしての機能を失ってしまうので、細部全てには言及していません。同じ理由で、絞り羽ユニット機構及びフォーカス調整機構の駆動系に関しても、この教材では解説していません。
レンズは撮影の為の大切な道具です。レンズの状態を維持する為には、定期的な整備を施す必要がありますが、修理業者に依頼する事なしで、ご自身で所有しているレンズは、自宅で整備できる様に、このWebサイトコンテンツにて技術サポートさせて頂きます。ご所有の同機種レンズの整備方法をを学んでいって下さい。ここで取り上げている機種は、基本構造が類似しているレンズだけをいくつかピックUPしてみました。各レンズ毎に写真、動画付きで解りやすく解説しましたが、同じ内容の事柄を各レンズ毎に解説していますので、重複している個所は読み飛ばして進めて下さい。
動画①(共通編):実際のメンテナンス前に大切な事
動画②(共通編):道具について
SMC Takumar 55mm F1.8 修理教科書
このページはSMC Takumar 55mm F1.8レンズの整備がご自宅でできる様にサポートさせて頂く為に開設致しました。何枚もの写真と解説を加えましたので、じっくり学習して頂ければ、ご自身で整備ができる様になると思います。先ずはご自身でこのサイトの内容全体を学習して頂いて、学んだ内容に沿って整備してみて下さい。整備に必要な治具溶剤についても、詳細に解説しておりますが、自己学習して頂いた上で、サポートが必要と感じた場合は、お問い合わせフォームからお気軽にサポート申請して下さい。
Konica Hexanon AR 50mm F1.7 修理教科書
プロが実際に作業している風景を、写真と動画にて解説を加えている構成をとっています。従いまして、じっくりこの教科書に向き合って頂ければ、同じ様な結果が得られる構成になっております。日本中のレンズのメンテを日々させて頂いておりますが、本当に困ってから修理依頼をなさる方々が多いのが実情です。レンズは撮影の為の道具の一種です。本来は、適切で定期的なメンテナンスが必要なのですが、何か問題が起きてから行動に移す方が沢山いらっしゃいます。ご自身で所有するレンズが、ある程度ご自宅にて自分でメンテナンスできれば、それが一番理想的ではないかと、日々人様のレンズに対峙しながら、長い期間感じておりました。
Ernst leitz Wetzlar Summaron 3.5cm F3.5 修理教科書
自分のレンズと同機種なのかを先ずはよく確認して頂き、焦らずにじっくり取り組んで下さい。レンズ鏡胴内部の普段は滅多に触れる事のないガラス玉や絞り羽根に直接アクセスできる様になります。手順通り行えば、貴方のレンズは今後も末永くクリアーな状態で、良き撮影ライフのパートナーになってくれると思います。古き良きレンズをメンテできる職人さんも私同様、だんだん高齢化なさっています。各メーカーさんも昔のレンズ程受け入れていないのが実情です。又、この種の修理を教える機関そのものが、日本には殆ど存在しないのも事実です。このままですと世界中にある特に昔のレンズを修理できる人がいずれいなくなってしまいます。
Pentax-F 1.7×AF Adapter 修理教科書
この教材に使用するレンズは、全て当協会に実際にメンテナンス依頼のあった実際の個体を使わせて頂き解説を加えております。従いまして、その内容を写真を見ながらじっくり再現すれば貴方が所有する同じ機種にも当てはまる様に構成されております。自分のレンズと同機種なのかを先ずはよく確認して頂き、焦らずにじっくり取り組んで下さい。レンズ鏡胴内部の普段は滅多に触れる事のないガラス玉や絞り羽根に直接アクセスできる様になります。手順通り行えば、貴方のレンズは今後も末永くクリアーな状態で、良き撮影ライフのパートナーになってくれると思います。
Leitz Elmar 90mm F4 修理教科書
この教材に使用するレンズは、全て当協会に実際にメンテナンス依頼のあった実際の個体を使わせて頂き解説を加えております。従いまして、その内容を写真を見ながらじっくり再現すれば貴方が所有する同じ機種にも当てはまる様に構成されております。自分のレンズと同機種なのかを先ずはよく確認して頂き、焦らずにじっくり取り組んで下さい。レンズ鏡胴内部の普段は滅多に触れる事のないガラス玉や絞り羽根に直接アクセスできる様になります。手順通り行えば、貴方のレンズは今後も末永くクリアーな状態で、良き撮影ライフのパートナーになってくれると思います。
Carl Zeiss Tessar 45mm F2.8 修理教科書
Carl Zeiss Tessar 45mm F2.8レンズは、中広角レンズの一種になりますが、ボデイーの大きさも携帯に便利で、発売当初から人気のあった機種になります。現在もこの様な理由で写真愛好家の方々から毎月修理依頼を受けている機種ですが、レンズの構造を理解して、整備の為の最低限必要な治具溶剤を揃えれば、充分に自宅でメンテナンスができる機種の一種ですので、このWebサイトのコンテンツを学習して頂き、ご所有レンズの状態維持にお役立て下さい。この教科書の配信を通じて、写真愛好家の方々の撮影ライフの一助となります事を願って止みません。
Carl Zeiss Distagon 25mm F2.8 修理教科書
Zeissのレンズには、AEタイプと、MMタイプと呼ばれる2種類があり、「G」はGermanyの略でWest Germany(当時は西ドイツ)、「J」はJapan、それぞれ製造国を表します。狭い路地や竹林撮影など、全体を収めたい時には、28mmより少し広いこの広角レンズがとても使い勝手が良い・・・と評判の機種になります。このレンズは、Zeissのレンズの中でも比較的初期に設計され、その後、MMシリーズにマイナーチェンジされたという経緯を持っています。開放では、周辺部の描写低下を少なからず感じますが、1段絞り込むと周辺の性能低下は幾分改善され、コントラストも上がってきます。F8付近が一番良い描写かもしれません。全体的な色調として、派手さはなく、むしろ地味な印象です。派手な色調も落ち着き、階調を豊かに表現してくれるレンズだと個人的には感じています。
Carl Zeiss Planar 50mm F1.4 修理教科書
写真愛好家の方々の言葉を借りると、標準レンズの帝王とか、空気を写すレンズと呼ばれるほど、不動の人気を誇るオールドレンズの一種になります。未だ私自身はこの機種で実際に実写はしていませんが、毎月同機種の修理依頼がある事からも、Carl Zeiss Planar 50mm F1.4というレンズの人気度はわかると感じています。CONTAX Planar 50mmには、F値が1.4、1.7の2種類がありますが、どちらもF値が1.8を切るレンズで、標準域のレンズでありながら大きなボケ感を得ることができます。被写体を浮かび上がらせるような作品撮りにもおすすめです。又、被写体に思いっきり近づき、光の加減を見極めれば、背景のリングぼけも演出できます。幾つものオールドレンズで時々撮影を楽しんでいますが、単焦点レンズは、それぞれその機種特有の持ち味があります。
Canon 50mm F1.8(黒鏡胴)修理教科書
修理の分野に身を置いていると、日々様々な光学機器に出会います。今回紹介するCanon 50mm F1.8というレンズは、L39マウント形状のとても小さくてかわいいレンズです。実際にまだこの機種で撮影をした事がないのですが、毎月修理依頼があるので、人気機種の一種なのではないかと感じています。只、このレンズの共通点として、時々レンズ鏡胴内部に組み込まれているガラス玉部位の一部が白濁してしまっている個体が散見されます。この症状はカビ等の付着物ではなくて、ガラス玉表面そのものの痛みが原因です。すりガラスの様な状態になってしまいます。
Carl Zeiss Planar 45mm F2 修理教科書
この機種は、オールドレンズと呼ぶ程は古くない部類に入る機種だとは思いますが、当協会に修理依頼が多い機種になりますので、市場での人気があるレンズだと感じています。修理の分野から視点で解説すると、カビの付着はほぼ必ず散見されますが、カビそのものの除去処置を施せば、除去後の腐蝕痕はあまり残らないレンズ(ガラス玉)の材質の様です。又、絞り羽ユニット機構及びフォーカス調整機構の駆動系はとても丈夫です。この駆動系に問題がある個体はあまり見かけません。写真愛好家の方が、昔のオールドレンズを愛用する理由は色々あると思いますが、Carl Zeiss Planar 45mm F2というレンズのAF機能をどの様に活用しているのかは、私自身は謎の領域になります。
Carl Zeiss Biogon 28mm F2.8 修理教科書
単焦点広角レンズで、解放F値も2.8と明るいレンズになります。毎月修理依頼がある人気のある機種です。私は、写真撮影の専門家ではありませんが、被写体全体を広く撮影でき、しかも被写体に近づくと背景がぼける絵が撮れる事もCarl Zeiss Biogon 28mm F2.8というレンズが人気がある要因なのではないかと感じています。絞り羽ユニット機構及びフォーカス調整機構両方の駆動系共にとても丈夫なレンズで、修理の依頼内容は光学系付着物除去がメインになります。電子基板系部位が組み込まれていますが、修理の範疇で、綺麗に復元可能なレンズである事も、大変ありがたい機種になります。ご自宅で整備して末永く愛用できるレンズの一種です。
SMC Pentax 30mm F2.8 修理教科書
タイトル通り28mmでも35mmでもない、30mmという旭光学独自の焦点距離のレンズです。私は写真の専門家ではないのでこの焦点距離の広角レンズの使い道に関しては解説できませんが、当協会に毎月修理依頼がある事実から察するに、この機種も人気がある一種と感じています。市場価格もそれなりに高価な様で、光学系付着物でしたら、比較的簡単に処置できますので、ご自宅にて定期的にメンテナンスして欲しいと思います。マウント形状は、M42スクリューではなくてPentax-kマウントになりますので、同規格アダプターがあれば実写できます。
Chiyoko S-Rokkor 50mm F2.8 C 修理教科書
このレンズは、バルナックライカ型の1948年のミノルタ35の標準レンズであったスーパーロッコール 1:2.8 f=4.5cmの後継機種であり、1953年のミノルタ35-IIの標準レンズとして レンズ構成はそのままで焦点距離を45mmから50mmにして発売されたものと認識しています。まだ千代田光学時代のレンズなので 社名の愛称CHIYOKOが誇り高く書かれているのも特徴です。フォーカス調整機構螺旋状部グリスが、絞り羽ユニット機構に流れ落ちてくる傾向があるレンズを時々散見しますが、構造的にはご自宅で整備できる機種ですので、是非定期的にメンテナンスして下さい。
Leitz Elmar 50mm F3.5 修理教科書
Elmar 50mmと言えば、ライカ社オールドレンズの中でも突出して有名な機種になると思います。1924年にA型ライカに固定のレンズとして登場してから、細かな設計変更を重ねつつ長きにわたって生産が続けられ、現在も人気のあるライカを代表するレンズだと思います。修理の分野では、レンズそのものが小ぶりの為、当然ですがレンズ鏡胴内部に組み込まれている、各種部位もとても小さくて、整備工程そのものは、他機種と類似していますが、その部位の取扱いに細心の注意を払う必要があるので、ご自宅で整備する機種としては少し難しい部類に入ると思います。
Minolta MC Rokkor-PF 55mm F1.7 修理教科書
この機種も修理依頼が少ないことから、市場価格より修理費用の方が高くなってしまう機種の一種だと感じています。構造は、単焦点レンズの基本構造のままなので、手順さえ覚えてしまえば、ご自宅で再現できます。フロント側からと、リヤ側からレンズユニット(レンズの塊)を取り出して、その個体の問題点を診断して、必要な処置を施すだけです。慣れてくれば15分くらいで完結する作業ですから、ご自身のレンズはある程度自分で整備できる様になって下さい。
Nikon Nikkor 35mm F2 修理教科書
このレンズは時々修理依頼のある機種になります。整備費用は大体7,000円前後で、構造的にも基本共通点が多いので、できればご自宅で整備して、良い状態を維持して欲しい機種の仲間です。時々絞り羽ユニット機構が解放のまま固着している個体がありますが、カビの付着の問題解決はそんなに難しくないので、光学系付着物の処置に関しては、この教材である程度は解決すると思っています。
Nikon Nikkor 50mm F1.4 修理教科書
この機種も時々修理依頼を受ける機種の一種です。50mm F1.4という規格は単焦点・標準レンズとしてはオーソドックスな機種で、写真愛好家の方なら、Nikkorに限らずどこかのメーカーのレンズを所有していると思います。修理の分野からの所見ですが、Nikon Nikkor 50mm F1.4というレンズはフォーカス調整機構螺旋状部が摩耗している個体が散見されます。再グリスUPすると、そのグリスが絞り羽ユニット機構に流れ落ちてきて、絞り羽フイルムが解放のままユニットBOX内で固着してしまう症状になってしまう危惧を孕んでいます。そんな傾向があるレンズです。
Canon 100mm F3.5 L39マウント 修理教科書
この細長い機種は、大まかに二つの部位から構成されていて、この構造を理解していれば比較的簡単に光学系付着物除去は可能です。相当に昔のレンズですので、ほぼ全ての個体にレンズ表面の擦れ傷という課題を抱えています。傷が浅ければ、ポリッシング処置で済むのですが、研削を要する症状が殆どなのが実情です。でも、カビ等付着物除去は自宅でも可能ですので、是非定期的に整備して修理の範疇で状態を復元し、維持していって下さい。駆動系はとても丈夫な機種です。
Special 6×8 CWeichse 修理教科書
時々ですが、大判レンズの修理依頼を受ける事もあります。構造的にもシンプルな機種ですから、是非ご自宅で綺麗な状態を維持して欲しい代表的なレンズになります。レンズ自体が非常に丈夫な造りですから、問題はカビ等の光学系付着物だけです。年代的にも各関連部位が固く固着していて思う様にレンズ鏡胴内部にアクセスできないケースも多いのですが、先ずは単純な構造を理解して、整備手順を習得していって下さい。
Carl Zeiss Jena DDR 35mm F2.4 レンズ修理教科書
Carl Zeiss Jena社製造の、著名レンズブランドの一つであるFlektogon。中でも35mmは生産数も比較的多く、今でも入手しやすいモデルです。名玉との呼び声も高いオールドレンズで、優れて扱いやすい焦点距離のレンズでありながら、マクロ域までも撮影可能。この様な幅広い場面で、無難に用いることが出来るレンズと写真愛好家の間では好評の機種の一種です。M42マウントという汎用性のある規格なので、デジカメへの装填性にも優れているのかなと個人的には感じています。
Nippon Kogaku Nikkor-H 50mm F2 レンズ修理教科書
この機種は、リヤ側からのアクセスが少し経験が必要なので、今回の教材では解説に至っていませんが、光学系付着物の解決はフロント側からのアクセス処置で殆ど解決します。かなり古い機種ですから、絞り羽ユニット機構とフォーカス調整機構に支障がある個体も散見されます。この教材では光学系付着物除去について解説します。L39マウント規格ですから、特にフォーカス調整機構トルク感が固いと、カメラ本体に装填し、ピントを合わせる際、レンズ自体がカメラ本体から外れる方向に緩んでしまう症状になります。この現象は実写に際してストレスになりますので、その様な個体をお持ちの方は、お問い合せ下さい。個別に応対させて頂きます。
Leitz Summaron 28mm F5.6 レンズ修理教科書
毎月の様に当協会に修理依頼がある人気の機種です。ご自宅で整備する際は、レンズ鏡胴内部への必要なアクセス工程はそんなに複雑ではないのですが、レンズ本体も、組み込まれている様々な部位ひとつ一つも全て小さいので、取扱いには細心の配慮が必要になります。色々なレンズの整備解説で、同じ事を言ってきましたが、各部位をレンズ本体から取り出した時の順番や、部位の向き等に注意を払って、作業台を常に整理整頓しながら作業して下さい。殆どの個体が整備されないで現在に至っているので、解説した通りに光学系付着物を除去すれば、共通課題の白濁症状は改善されます。
これからのレンズ修理販売ビジネスのあるべき姿
当協会では、レンズを仕入れて、修理して、再販するビジネスモデルの事を、レンズ修理販売ビジネスと呼んでいます。取り扱う対象商品は主にオールドレンズと呼ばれる単焦点レンズになります。レンズをどこで購入しても構わないのですが、修理した後にどの様に販売したらいいのか?について私なりの考えをお話ししたいと思います。